インプラント治療による後遺症の種類と予防策を解説

インプラント治療による後遺症の種類と予防策を解説

インプラント治療は外科手術を伴う治療ということもあり、失敗する可能性もゼロではありません。万が一、失敗してしまった場合、どのような症状が現れるのかについてあらかじめ理解しておくことをおすすめします。

また、自身でできる予防策について知り、できる限り対策を取っておくことも重要です。インプラント治療における後遺症の種類や、予防策について解説します。

インプラント治療による後遺症の種類と予防策

インプラント治療の後遺症として、代表的なのは神経や血管の損傷、骨結合の失敗、インプラント周囲炎、インプラントのぐらつきや脱落です。それぞれの症状と予防策を解説します。

神経や血管の損傷

インプラント治療の手術中に神経や血管を傷付けてしまった場合、神経麻痺に繋がる恐れがあります。とくに下あごには大きい神経や血管が通っているため、上あごと比較してリスクが高いです。

大きな血管を傷付けてしまった場合、大量出血につながる可能性も考えなければなりません。

予防策

患者ができる予防策としては、レントゲンだけではなく、歯科用CT撮影による診断を行っている歯科医院を選択することが挙げられます。神経や血管の詳細な位置はレントゲンだけでは判断できません。歯科用CTを用いることにより、レントゲンでは得られないような詳細な情報が入手可能です。

また、サージカルガイドを使用している歯科医院を選択しましょう。サージカルガイドとは、CTの検査結果をもとに作るドリルのガイドのことです。

インプラント治療ではあごの骨にドリルで穴を開けてインプラント体を埋入するのですが、サージカルガイドを使用することにより事前に取り決めていた正しい位置に確実に穴を開けられるようになります。

骨結合の失敗

インプラント治療は、あごの骨に埋入したインプラント体が骨と結合することにより強く固定されますが、結合がうまくいかないケースがあります。

理由としては、喫煙、持病、歯周病菌による感染、骨密度の低さによる影響などが挙げられます。治療時、ドリルで穴を開ける際に適切なドリリングができず、オーバーヒートを起こした場合も同様です。

状況によっては再手術が必要になることもあります。

予防策

定着期間中にインプラントに強い負荷がかかると、結合に悪影響をおよぼしてしまう可能性があります。治療後、しばらくの間は硬い物を噛まないようにするなど、注意してください。

喫煙の影響も大きいため、タバコを吸っている方は禁煙に努めましょう。喫煙すると血液の流れ悪くなり、インプラントと骨の結合に支障をきたします。

インプラント周囲炎

細菌感染によって引き起こされるのが、インプラント周囲炎です。軽度の段階で適切な治療ができれば大きな影響はありませんが、重度になった場合はインプラントを残せないことがあります。

予防策

歯磨きなど日々のケアが適切に行えていない場合、インプラント周囲炎のリスクが高くなります。インプラント周囲炎の予防策としては、丁寧な日々のケアを心がけましょう。

セルフケアだけでは取り除けない汚れがあるので、定期メンテナンスも重要です。歯科医院で定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。

インプラントのぐらつきや脱落

インプラントのぐらつきや脱落は、インプラント周囲炎の進行によって起こりやすくなります。治療自体に問題があったためにトラブルが起こるケースもあり、何らかの理由によってインプラント体と骨が結合しなかった場合にぐらつきや脱落につながります。

予防策

インプラント周囲炎を防ぐため適切なケアを行うのが基本です。外から強い力が加わることもぐらつきや脱落を招くので、転倒などにも注意しましょう。

また、糖尿病の方は傷が治りにくくインプラント体と骨が結合しにくいことに加え、細菌感染のリスクも高くなります。インプラント治療前に血糖値の状態を安定させておくことも重要です。

信頼できる歯科医院・医師の選び方

信頼できる歯科医院・医師の選び方インプラント治療による後遺症を避けるためには、信頼できる歯科医院と歯科医師を選ぶことが何より重要です。治療を担当する医師の経験や実績を確認しておくほか、歯科医院のアフターフォローや保証制度も確認しておきましょう。

信頼できる歯科医師を選ぶためには、丁寧に検査や説明を行ってくれるのか確認しておくことも欠かせません。

医師・歯科医院を選ぶ際のポイントは【インプラント治療前必読】信頼できる医師と歯科医院の選び方』で詳しく紹介しています。

後遺症について理解し、対策をとることが重要

後遺症について理解し、対策をとることが重要インプラント治療は外科手術が必要になる以上、リスクをゼロにすることは難しいといえます。ですが、信頼できる医師と歯科医院を選び、自分でもできる予防策を理解しておくことにより、大幅にリスクを低下させることが可能です。

安心してインプラント治療を受けるためにも後遺症について知り、自分でどのような予防策に取り組めるのか確認しておきましょう。