延長ブリッジとは何かを解説!奥歯の治療方法としては最善策なのか?

延長ブリッジとは何かを解説!奥歯の治療方法としては最善策なのか?

失った歯を補う治療としてはいくつか選択肢がありますが、その中の1つがブリッジです。ブリッジは、周囲の歯を支えとして、そこに3~4本程度連結した人工歯を取り付ける治療のことをいいます。

ブリッジは、大きく分けると一般的なブリッジと、延長ブリッジの2種類です。ここでは延長ブリッジの特徴や選択するメリット・デメリット、最奥歯を失った際のその他の治療の選択肢を解説します。

延長ブリッジとは

延長ブリッジとは、最奥歯を失った場合に選択されることがあるブリッジのことをいいます。

一般的なブリッジの場合、失った歯の両隣を支えとし、連結した歯を取り付けます。3つの連続した人工歯を取り付ける場合、真ん中の天然歯を失っている状態です。ですが、一般的なブリッジは、最奥歯には設置できません。それよりも奥に支えとなる歯がないためです。

そこで選ばれているのが、延長ブリッジです。延長ブリッジとは、最奥歯の手前2本の歯を支えとして取り付けるブリッジのことをいいます。

延長ブリッジのメリット・デメリット

延長ブリッジのメリット・デメリット延長ブリッジにはメリットもあれば、デメリットもあります。それぞれについて解説します。

メリット

延長ブリッジを選択するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。

  • 最奥歯がなくても選択できる
  • 外科手術が必要ない

「失ってしまったのが最奥歯だから、両隣の歯を支えとするブリッジは選択できない」と悩んでいた方でも検討できるのがメリットです。

外科手術は必要ないため、身体に与えるダメージなども抑えられます。全身疾患などがあり、外科手術が難しい方にとってもメリットがある方法です。

デメリット

延長ブリッジには以下のようなデメリットがあります。

  • ほとんどの場合自費診療となる
  • 噛む力は強くない
  • 支えとなる歯への負担が大きい
  • 汚れが蓄積しやすい

一般的なブリッジは保険診療が可能ですが、延長ブリッジは自費診療となるケースが多く、全額自己負担です。

噛む力はそれほど大きくないことに加え、支えとなる歯は健康であったとしても土台として形を整えるために削らなければなりません。支えとなる歯の負担も大きく、割れたり折れたりすることがあります。

最奥歯なので歯ブラシも届きにくく、汚れが蓄積しやすいのもデメリットです。

延長ブリッジ以外の奥歯の治療方法

延長ブリッジ以外の奥歯の治療方法奥歯の治療方法として、延長ブリッジ以外にも部分入れ歯やインプラントが挙げられます。それぞれの特徴を紹介します。

部分入れ歯

部分入れ歯とは、延長ブリッジと同様に外科手術が必要ない治療法です。種類によっては、保険診療でも対応できます。保険診療のものであれば費用が抑えられるのが大きなメリットです。

ただし、取り外して清掃しなければならないことや違和感が強いこと、耐久年数が4年~5年程度しかないなどのデメリットがあります。

支えとするためのバネをかける歯には負担がかかりますし、大きく口を開けた際などにバネが見えてしまうこともあります。

インプラント

インプラントは、審美性、機能性ともに優れていることから、永久歯に次ぐ第3の歯とも呼ばれるものです。歯を失った部分のあごの骨に穴を開けて、インプラント体(フィクスチャー)を埋入し、アバットメントと呼ばれる部品で人工歯を設置します。

自費診療となってしまうので費用はかかりますが、見た目が非常に自然で、天然歯と変わりありません。噛む力も強く、適切なメンテナンスをしながら使えば非常に長持ちします。

延長ブリッジと異なり、周囲の歯に影響しないのも大きなメリットです。インプラントは独立した治療ができるため、両隣の歯を支えとする必要がありません。

ブリッジ治療で削られた歯は寿命が短くなってしまいます。そのため、できるだけ周囲の歯に負担をかけることなく失った最奥歯を補いたいと考えている方には、両隣の歯を削らないインプラント治療がおすすめです。

取り外して清掃する必要はなく、自分の歯と同様に歯磨きなどでケアしていくことになります。

延長ブリッジ、部分入れ歯、インプラントの3つでいうと、最もおすすめなのはインプラントです。さらにインプラントについて詳しく知りたい方は『インプラントとは?メリット・治療の流れ・費用など徹底解説』で紹介しているので、参考にしてみてください。

治療内容をよく理解したうえで検討が必要

治療内容をよく理解したうえで検討が必要延長ブリッジについて紹介しました。「ブリッジは保険が適用できるから安く済む」と考えて延長ブリッジを検討する方もいるかもしれませんが、延長ブリッジは基本的に自費診療です。

ブリッジの大きなメリットである保険適用の対象外となるため、本当にブリッジが自分にとって適している治療なのか考えたうえで検討が必要です。

部分入れ歯やインプラントといった選択肢もあるので、これらも含めて検討してみることをおすすめします。