インプラント治療中に歯がない期間とタイミングについて解説

インプラント治療中に歯がない期間とタイミングについて解説

インプラント治療は、失った歯を補う選択肢の一つであり、自分の歯と遜色ない人工歯を入れられるのが魅力です。ただ「インプラント治療では歯がない期間がある」と聞いて治療を悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

治療について詳しく知りたい方のために、歯がない期間はあるのか、具体的なタイミングや対応などについてご紹介します。

インプラント治療完了までに歯がない期間はあるのか?

インプラント治療を行うにあたり、歯がない期間は存在します。インプラント治療は、歯を失った部分のあごの骨に土台となるフィクスチャー(インプラント体)を埋入し、そこに人工の歯を取り付ける治療法です。

外科手術でフィクスチャーを埋入することになるのですが、治療完了までの間に歯がない期間があります。

治療の流れから見る歯がなくなるタイミングと期間

治療の流れから見る歯がなくなるタイミングと期間
インプラント治療のどの段階で歯がなくなるのでしょうか。そのタイミングと、歯がない期間の目安についてご紹介します。

歯がなくなるタイミング

インプラント治療には、外科手術を1回で終わらせる1回法と、2回行う2回法の2種類があります。一般的な治療法について、2回法の流れをもとに解説します。

2回法の流れは、以下の通りです。

  • ①事前検査・カウンセリング
  • ②1次手術
  • ③2次手術
  • ④治療完了

このうち、歯がなくなるタイミングは②と③の間です。2回法の場合、1次手術であごの骨にフィクスチャー(インプラント体)を埋入し、2次手術でフィクスチャーと人工歯である上部構造接続するためのアバットメントを取り付けることになります。

1回法であれば1回の手術でのアバットメントの取り付けまで行えるのですが、あごの骨の量が十分である、感染症のリスクが少ないなど、条件を満たした方でなければ選択できません。

一方、2回法はほとんどの方が選択可能であるため、広く選択されています。

歯がない期間の目安

口腔内の状態や治療の内容によっても変わってきますが、一般的に1次手術と2次手術の間は3~5ヶ月程度開くため、この期間中は歯がないことになります。

また、仮に歯周病や虫歯などが原因で抜歯してからインプラント治療をする場合、抜歯後、歯周病や虫歯治療を行う期間も加わるため、更に長く歯がない期間ができるケースが多いです。

歯がない期間に仮歯を入れるメリット

歯がない期間に仮歯を入れるメリット
歯がないと困るようなケースについては、仮歯を入れて対応することが可能です。仮歯を入れるメリットとして、以下の2つが挙げられます。

歯がないと目立つ部位に入れることで審美性が上がる

とくに前歯などはないと目立ってしまうため、審美性を上げる目的で仮歯を入れることがあります。前歯は人から見えやすい部分でもあるので、歯がない状態が気になると人と会話をするのに抵抗を感じ方もいるでしょう。

人から見られた時に気になると感じている方でも、仮歯があると安心です。

噛み合わせ・歯並びを維持する

奥歯など見た目的に気にならない部分については仮歯を入れないこともあるのですが、仮歯を入れることで噛み合わせや歯並びを維持するメリットがあります。

歯が抜けた部分は、周りの歯が寄ってくる特徴を持っているため、抜けたままで放置してしまうと歯並びも変化してしまう可能性が高いです。仮歯を入れればこういった変化を抑えられます。

仮歯期間に注意すべきこと

仮歯期間に注意すべきこと
仮歯はあくまで仮の歯なので、自分の歯と同じように扱うことはできません。以下4つのポイントに注意してみてください。

仮歯でも優しく歯ブラシで磨く

一時的に使う仮歯だからといって、ケアを適当に行ってはいけません。歯ブラシで丁寧に磨きましょう。ケアが不十分で仮歯が不衛生になった場合、周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼす可能性があります。

硬いものやくっつきやすいものは控える

仮歯は正式に入れる人工歯と比較して強度がないため、硬いものを噛むのはおすすめできません。また、簡単に接着されている形になるため、ガムやソフトキャンディーのようにくっつきやすいものを食べるのも控えましょう

損傷した場合は放置しない

仮歯でいる期間が長いこともあり、注意していても仮歯が割れるなど、損傷してしまうことがあります。その場合はすぐに歯科医院で修復・再装着してもらってください。

放置すると損傷した仮歯に細菌などが入り込み、該当箇所の環境が悪化してしまう恐れもあります。

仮歯の状態で治療をやめない

仮歯が入ると見た目が自然になるため、この段階で治療を中断してしまう方がいるのですが、おすすめできません。仮歯は弱い素材で作られていますし、着色汚れも起こりやすいです。

また、この状態で長く放置した場合には治療計画の乱れに繋がり、場合によっては最初から治療をやり直さなければならないケースもあります

仮歯を入れられるかは医師に確認を

仮歯を入れられるかは医師に確認を
一般的に歯がないと目立つ部分については仮歯を入れるケースがほとんどです。そのため、インプラント治療には歯がない期間があると聞き、不安に感じている方でも安心できるでしょう。

ただ、状況によっても仮歯を入れられるかどうかが変わってくることがあるので、直接医師に確認してみるのがおすすめです。