インプラント2種の構造比較!ワンピースとツーピースの違いを解説

インプラント2種の構造比較!ワンピースとツーピースの違いを解説

インプラント治療について詳しく理解したうえで治療を検討したいと考えているのであれば、構造には2種類あることをおさえておきましょう。「ワンピース」と「ツーピース」と呼ばれるものです。

それぞれどのような特徴があるのか、メリット・デメリットとしてはどういったことが挙げられるのかについて解説します。また、どういった場合に選択できるのかについてもまとめているので、参考にしてください。

インプラント2種の構造の違い

インプラントの構造には、ワンピースとツーピースがあり、それぞれ特徴が大きく異なります。構造の違いから紹介します。

ワンピース

ワンピースとは、アバットメントとインプラント体(フィクスチャー)が一つになっているものを指します。インプラントは、あごの骨を削ってインプラント体を埋入し、そこにアバットメントと呼ばれるかぶせ物の土台を装着して人工歯を取り付ける治療法です。

ワンピースタイプは、インプラント体埋入治療とアバットメント装着治療を同時に行えることから、外科手術を1回で済ませる「1回法」で選択されます。

ツーピース

ツーピースは、アバットメントとインプラント体が別々になったタイプです。ワンピースとは異なり、アバットメントを調整することによって設置する人工歯の角度を変えられます。

インプラント体埋入治療とアバットメント装着治療を別々の外科手術で行う「2回法」のほか、1回法でも対応可能です。

ワンピースのメリット・デメリット

ワンピースのメリット・デメリット外科手術が1回で済ませられるワンピースではありますが、デメリットもあります。メリット・デメリットを解説します。

メリット

特に大きなメリットとして挙げられるのが、外科手術が一度で済むため、体への負担が抑えられる点です。また、ツーピースと比較すると部品が少ないことから、費用も抑えられます。

ツーピースは2つの部品で作られているのに対し、一体型であるワンピースは強度が高まるのも魅力です。

また、ツーピースは部品が分かれていることから、長く使用しているとアバットメントとインプラント体を連結しているネジがゆるんでしまう可能性がありますが、ワンピースであればそういった心配はありません。

デメリット

ワンピースのデメリットとしておさえておきたいのが、必ずしもすべての方が選択できるタイプではないということです。例えば、あごの骨に十分な厚みがない方などは、ワンピースタイプを選択できないケースがあります。

また、アバットメントとインプラント体が一体になっていることから、アバットメント単独の大きさや角度は選べません。人工歯である被せ物での調整は可能ですが、場合によっては歪な形になってしまうこともあります。

それから、2回法に対応しているツーピースタイプはさまざまな症例に対応できるのに対し、ワンピースタイプは対応できる症例が限られているのがデメリットです。

注意点として、インプラントを長年使用していると、アバットメントに不具合が生じるケースがあります。ワンピースタイプは2つの部品が連結していることから、アバットメントのみに不具合が出たとしてもインプラント体もまとめて交換しなければなりません。このあたりもデメリットです。

ツーピースのメリット・デメリット

ツーピースのメリット・デメリット外科手術を2回行う2回法で使われているツーピースの代表的なメリットとデメリットについて解説します。

メリット

ツーピースのメリットとして特に大きいのは、対応している症例が幅広いことです。骨が弱い部分への埋入や全身疾患を持っている方への治療など、ワンピースでは難しい症例にも対応できます。

また、2回法では一度目の外科手術でインプラント体を埋入したあと、一度歯肉を閉じて時間を置く形になるので、その間に骨とインプラント体がしっかりと固定されるのもメリットです。

部品の種類も豊富なので、一人ひとりの口腔内の状況に合わせた形で適したものを選択できます。

また、何らかの理由でアバットメント部分に問題が生じた場合、インプラント体はそのままでアバットメントのみ交換が可能です。

デメリット

2回法での治療になる場合、外科手術を2回行わなければならないため、体への負担やコストが大きくなります。また、治療にかかる時間はワンピースよりも長いケースが多いです。

それから、部品が改良されていることもありほとんど心配はありませんが、アバットメントとインプラント体をつないでいるネジがゆるんだ場合、調整が必要になります。

歯科医師に相談しながら決めるのがおすすめ

歯科医師に相談しながら決めるのがおすすめインプラントの構造であるワンピースとツーピースについて、特徴や違いを紹介しました。どちらもメリットだけではなく、デメリットもある選択肢なので、よく確認したうえで歯科医師に相談してみましょう。

現在はツーピースが主流であることから、ツーピースをおすすめします。外科手術を1回で済ませる1回法と異なり、ツーピースによる2回法を選択すればさまざまなケースに対応可能です。

1回法では対応できないと断られてしまったような場合も、ツーピースを用いた2回法のインプラント治療について相談してみてはいかがでしょうか。