【入れ歯と認知症の関係性】歯がないまま放置している方は要注意

【入れ歯と認知症の関係性】歯がないまま放置している方は要注意

歯が抜けたままで放置してしまうと、さまざまなデメリットがあります。食事をする際にうまく噛めなかったり、噛み合わせが悪化することによる身体のバランス変化が起こったりすることも珍しくありません。

抜けた歯による悪影響は、口の中だけの問題ではないので、早期に対策を取っていくことが重要です。歯が抜けたまま放置するリスクや、対策について解説します。

歯がないまま放置しておくと認知症リスクが高くなる?

歯が抜けてしまった場合に起こるリスクとして、あまり知られていないのが認知症リスクが高くなる問題です。咀嚼は、脳を刺激する行為でもあり、歯を失ったことによって十分な咀嚼ができなくなると、認知症につながりやすくなってしまいます。

咀嚼が一般高齢者の短期記憶にどのような影響を与えるのか調べた研究があります。咀嚼力の判定に有用であることが確認されているガムとテストを用いて、関連性を調べた研究です。

結果として、咀嚼力が高い群の方が低い群に比べて優位にテストの平均点が上昇しました。咀嚼と認知症の関連性についてはまだまだ研究段階ではありますが、将来認知症になるリスクを少しでも下げたいと考えている方は、十分咀嚼して食べることを意識しましょう。

参考:(PDF)日本ヘルスサポート学会:咀嚼が一般高齢者の短期記憶に長期的に与える影響[PDF]

入れ歯を入れることによる認知症予防

入れ歯を入れることによる認知症予防入れ歯をしたからといって必ずしも認知症の改善につながるとはいえませんが、予防につながる可能性は期待できます。

義歯を使用していない方や歯がほとんど残っていない方は認知症リスクが高いとされているので、失った歯を補う一つの対策として入れ歯を検討してみると良いでしょう。

少しでも多くの歯で「しっかり噛む」ことが重要

認知症予防のために重要なのは、しっかり噛むことです。歯がない状態だと十分な咀嚼ができないため、脳にも刺激が伝わりません。

できる限り若いうちから口腔内の状態を理想的に保つように心がけ、1本でも多くの歯を残しましょう。何らかの理由によって歯を失ってしまった場合、入れ歯などにより機能を補っていくことも重要です。

認知症と咀嚼の関係について調べた研究では、毎食一口につき、30回以上咀嚼して食事を摂取することが重要とされています。これにより1週間後には咀嚼力と短期記憶能力が改善しました。

短期記憶を維持できる傾向がみられたのは、6ヶ月間咀嚼運動を継続した場合です。ただ入れ歯を入れて食事するのではなく、そのうえでしっかり噛むことを心がけることが大切だといえます。

参考:(PDF)日本ヘルスサポート学会:咀嚼が一般高齢者の短期記憶に長期的に与える影響[PDF]

「しっかり噛む」ための入れ歯以外の選択肢

「しっかり噛む」ための入れ歯以外の選択肢しっかり噛むために入れ歯を入れれば良いと考えたものの、実際に入れ歯にした後に不具合を感じている方は少なくありません。痛みがある、うまく噛めない、取り外して行うメンテナンスが手間で続かないなどの理由によるものです。

他にも、硬いものが食べられない、話しにくいなど、入れ歯にデメリット感じている方が多くいます。

認知症予防のために対策をとりたいと考えているのであれば、入れ歯にすることが重要なのではなく、しっかり噛める状況を作ることが大切です。そこで、永久歯に次ぐ第3の歯とも言われているインプラント治療について検討してみてはいかがでしょうか。

インプラントとは、あごの骨にフィクスチャーやインプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込み、そこに上部構造と呼ばれる人工歯を装着する治療法です。

外科手術が必要にはなりますが、まるで自分の歯のように取り扱えることから、しっかり噛みたいと考えている方に選ばれています。

インプラントのメリット

インプラントのメリットインプラントは、入れ歯と比較してさまざまなメリットがあります。代表的なメリットについて4つ解説します。

天然の歯のように噛める

非常に大きなメリットとして挙げられるのが、まるで自分の歯のような噛み心地が実現できる点です。インプラントが安定してからなら、硬いものでも噛めます。

審美性が高い

審美性においても非常に優れています。部分入れ歯のように金具が見えることはなく、見た目も自分の歯と変わりありません。

毎日取り外す手間がかからない

入れ歯は毎日取り外して洗わなければなりませんが、インプラントは自分の歯と同じく歯磨きでケアします。入れ歯を毎日取り外して洗浄し、保管する一連の流れを手間やストレスに感じている方が多いため、これらが必要ないのは大きなメリットです。

違和感をほとんど感じない

入れ歯は浮いたりずれたりしてしまうことがありますが、インプラントならその心配がありません。自分の歯ではないことを忘れるほどの自然さがあります。

インプラントのメリットについては『インプラント治療のメリットについて紹介』で更に詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

認知症対策としても検討したいインプラント

認知症対策としても検討したいインプラントさまざまな研究で咀嚼と認知症の関係が示唆されているため、しっかり咀嚼できる環境を整えることが認知症の予防につながる可能性があります。

歯を失った場合の選択肢としては入れ歯が代表的ではありますが、浮いたりずれたりする不具合や、違和感がありしっかり噛めない方も多いです。

インプラントであれば自分の歯と同様にしっかり噛めるので、入れ歯による不具合を心配している方は検討してみてはいかがでしょうか。