高齢者でもインプラント治療は可能?専門家が解説

高齢者の方がインプラント治療を受ける場合、まずは自分が治療するための条件を満たしているのか、どのようなリスクが考えられるのかを理解しておくことが大切です。また、インプラントにすることによって快適な食生活を送ることができますが、適している生活スタイルがあるので、ご紹介しましょう。

高齢者でもインプラント治療を受けることは可能?

そもそも、インプラント治療とは自分の歯を失ってしまった方が選択するものなので、20代、30代といった若い世代よりも高齢者から選ばれている治療法です。
一般的な対象年齢は20~70歳までとなっています。

70歳までとしているのは、70歳以上の方は土台を固定するための顎の骨が足りない、体力的にインプラント治療に耐えられないなどのリスクが考えられるためです。ただ、年齢に上限はないので、70歳ころまでが目安ではあるものの後述する条件を満たしている方であれば検討できます。

また、インプラント治療後は定期的なメンテナンスを受けることになるため、年齢の条件に該当する方だったとしても、通院が難しい場合はその他の治療法を検討することになるでしょう。術後にメンテナンスを受けるための通院ができるというのも欠かせない条件の一つです。

インプラント治療を受けるうえでの条件とは?

高齢者の方がインプラント治療を受けようと考えた際、まずは条件を満たしているか確認してみてください。最低条件として以下の5つをすべて満たしている必要があります。

治療が困難な持病を抱えていない

持病を抱えている方の中には体の状態が安定していなかったり、治療のために飲んでいる薬とインプラント治療の相性が悪かったりすることがあります。そのため、全身疾患や生活習慣病を抱えている方は治療できないことがあるのです。持病がある場合、60代でも治療が難しいケースがありますが、病気の状態によっても変わるのでカウンセリングで判断してもらいましょう。

口腔状態が良好である

歯磨きがうまくできておらず、歯周病や虫歯があるなど口の中の状態が悪化している場合は治療ができません。先に状態を改善させるための治療をすることになります。

抗凝固薬などを服用していない

血液を固まりにくくする抗凝固薬を服薬している方は、治療時の出血が止まりにくくなるためインプラント治療は難しいです。他にも骨粗鬆症の治療で骨を強くするビスホスホネート製剤を飲んでいる場合も、治療で細菌感染した場合に骨が溶けてしまう可能性があるため、治療できません。

手術に耐えうる体力を持ち合わせている

インプラント治療は外科治療なので、体力が必要です。また、治療後すぐの時期は満足に食事をとることができないことから免疫力が落ちやすくなります。免疫力の問題を抱えている方もインプラント治療は向いていません。

術後の定期的なメンテナンスに通える

定期的に通院が必要になるので、送り迎えしてくれる家族がいない、自力で通うことができないといった場合は選択できません。

高齢者のインプラント治療にともなうリスク

若い方に比べると体力や免疫力のない高齢者は以下のようなリスクがあります。

細菌感染の発症リスクが高い

免疫力が低いと細菌感染のリスクが高いです。年齢が高いほどリスクも高くなります。

インプラントと骨が結合しにくい

治療後はインプラントと骨がしっかり結合する必要があるのですが、高齢で免疫力が下がっていると傷口の治りが遅く、しっかり結合しないことがあります。インプラントがうまく安定せず、再手術を求められる可能性も少なくありません。

手術の中断を余儀なくされるケースもある

インプラント治療に踏み切ったものの、やはり体力に不安があり途中で中断を余儀なくされるケースがあります。事前に正しい判断をしてくれる歯科医院で相談しましょう。

インプラント治療後に適した生活スタイルとは?

高齢者の方がインプラント治療を行った場合、若い方よりも気をつけなければならないことがあります。生活の中では以下のポイントに注意してみましょう。

刺激物を含んだ食事を避ける

辛いものや硬いもの、熱いものはインプラントや治療した周辺の組織に負担をかけます。特に状態が安定するまではできる限り避けておきましょう。

手術当日はシャワーで済ませる

ゆっくり湯船につかると血液の流れが良くなり、傷口の炎症や腫れに繋がる恐れがあります。シャワーのみで済ませるか、短時間ぬるめの湯船につかるのみにしましょう。

激しい運動を避ける

激しい運動は入浴と同じく血液の流れを良くするので、避けておきましょう。手術後2~3日は安静に過ごすことが大切です。

喫煙・飲酒などを控える

喫煙はインプラントが骨に定着しにくくなったり、傷が治るのを遅らせたりします。できる限り禁煙に努めましょう。飲酒も血液の流れを良くし、炎症や腫れを引き起こすので注意が必要です。

傷口に触れないよう注意する

治療した部位はどうしても気になるので舌などで触りたくなりますが、さわらないようにしましょう。傷口を刺激してしまうと治りが遅くなりますし、傷ついた状態が長引いてしまうと感染症のリスクも上がります。

快適な食生活を送るのに役立つ

歳を重ねることによって、虫歯や歯周病など様々な理由で歯を失ってしまう方が増えますが、それをどのような方法で補うかはとても重要な問題です。入れ歯やブリッジが合わず食事を楽しめなくなると、食事量が減り、それが体力の低下を招いてしまう恐れもあります。
インプラント治療なら快適に噛むことができるので、治療条件を満たしている方は検討してみてはいかがでしょうか。