インプラント治療後、できるだけインプラントを長持ちさせ、快適に使用し続けるためには日々の丁寧な歯磨きが大切です。その際、どのような歯磨き粉を使えば良いのかわからず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、インプラント治療後に使える歯磨き粉の選び方や、歯ブラシ・歯間ブラシ選びのポイントなどについて紹介します。
インプラント治療後の歯磨き粉の選び方
インプラント治療後はどのような歯磨き粉を選べば良いのでしょうか。歯磨き粉の選び方について解説します。
市販の歯磨き粉で問題ない
インプラント治療をしたからといって何か特別な歯磨き粉を選択する必要はなく、通常の市販の歯磨き粉で問題ありません。これまで使ってきたものがあれば、それを使い続けて良いでしょう。
フッ素入りの歯磨き粉は使用しても良い
特におすすめなのが、フッ素が配合されている歯磨き粉です。
非常に高濃度のフッ素が含まれている歯磨き粉を使うとインプラントのチタンが腐食する可能性があります。ですが日本で販売されている歯磨き粉にはそれほど多くのフッ素が含まれていないので、問題ありません。
フッ素には初期の虫歯を修復する働きがあるので、歯を守る効果が期待できます。また、虫歯菌の働きを抑制し、虫歯になるのを抑える効果があるのも魅力です。インプラント自体は虫歯にならないのですが、周辺の歯が虫歯になるリスクを抑えるのにもフッ素入りの歯磨き粉を選択してみてはいかがでしょうか。
研磨剤が大きい歯磨き粉はできるだけ使用しない
一般的な歯磨き粉を使えば問題ないのですが、研磨剤の粒子が大きいものについては避けておいたほうが良いです。研磨剤が歯茎とインプラントの間に入り込んでしまった場合、炎症に繋がってしまうことがあります。
また、粒子の大きな研磨剤は汚れが落ちやすいメリットがあるのですが、歯が削れてしまう可能性が高いです。すると、そこに新たな汚れが付着しやすくなるため、注意しておきましょう。
成分表に「炭酸カルシウム」「ケイ素」と掲載されている場合は研磨剤が配合されているので、避けておいたほうが安心です。
口の状態に合わせて配合成分を選ぶ
歯磨き粉にはそれぞれ特徴があるので、自分の口の中の状態に合わせて最適な成分が配合されているものを選択しましょう。例えば、前述したようにフッ素には虫歯のリスクを抑える働きがあります。
虫歯になりやすい体質の方はフッ素が配合されている歯磨き粉を選択しましょう。
また、歯周病リスクのある方は抗炎症成分のほか、殺菌成分が配合されている歯磨き粉がおすすめです。
歯磨き粉選びで迷ったらかかりつけ医に相談を
歯磨き粉にはさまざまな種類があってどれを選べば良いのかわからなくなってしまうことがあるので、そういった場合は担当医や歯科衛生士に相談しましょう。口の中の状態を確認したうえで最適なものを選択してくれます。
いろいろな種類の歯磨き粉を取り扱っている歯科医院もあるので、ぜひ気軽に相談してみてください。
歯ブラシと歯間ブラシも慎重に選ぼう
歯磨き粉と同様に慎重に選びたいのが、歯ブラシと歯間ブラシです。インプラントを清潔に保つためには、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシも組み合わせて使ってみてください。
選び方のポイントを解説します。
歯ブラシ
インプラント治療直後の歯茎はケガをしたのと同じような状態になっているので、毛が柔らかいタイプの歯ブラシを使いましょう。
ある程度普通に磨けるようになってきたら、毛先が細く作られている歯ブラシを選択するのがおすすめです。インプラントを失ってしまう原因の一つとして、インプラント周囲炎と呼ばれるトラブルが挙げられます。
歯周ポケットに汚れが残ってしまうことが原因で発症するので、毛先が細いタイプの歯ブラシを使ってしっかり歯周病ケアをしましょう。
歯ブラシの選び方や歯磨きのポイントについて『インプラント治療後の歯磨きの注意点や歯磨き粉の選び方を解説』でさらに詳細に説明しています。ぜひ参考にしてください。
歯間ブラシ
歯間ブラシは、歯ブラシだけでは落としきれないような歯と歯の間の汚れを取り除くのに活躍します。歯間ブラシを選ぶ際は、自分の歯の隙間サイズに合わせたものを選択しましょう。
隙間よりも小さいものを選択すると適切に汚れを取り除けません。また、大きいサイズのものを選択した場合は歯茎を傷付けてしまうことがあります。
治療後は丁寧なケアが重要
インプラント治療後は口腔内を清潔に保つため、丁寧な歯磨きが求められます。その際に使う歯磨き粉や歯ブラシ、歯間ブラシは自分にとって最適なものを選びましょう。
インプラント自体が虫歯にならないからといってケアを怠ってしまうと周囲の歯が虫歯や歯周病になり、インプラントを失ってしまう可能性もあります。
最適な歯磨き粉や歯ブラシなどがわからない場合は歯科医師や歯科衛生士に相談してみるのがおすすめです。