【インプラント治療の歴史】チタン製が誕生したのはいつ?

歯を失った部分を補う治療としては入れ歯やブリッジなど種類がありますが、中でも比較的新しいのがインプラントと呼ばれる治療法です。

ですが、インプラント治療の歴史は非常に古く、遥か昔から行われていたとされます。いつごろからどのような形でインプラント治療が行われていたのか、どういった歴史があるのかについて紹介します。現在のインプラント治療の安全性についてもまとめました。

【紀元前】古代人がインプラント治療?

インプラント治療は日本では比較的新しい治療法であるものの、古代から行われていた治療ともされています。

現在のインプラント治療とは異なりますが、例えば15世紀から16世紀初めにかけて栄えたインカ文明のミイラからは、サファイアでできている歯根が発見されています。また、エジプト文明でもインプラントに近い試みが行われていました。

古代から失った歯を補う選択肢の一つとして、インプラントのような治療が行われていたことがわかります。

【1910年代】初めてインプラント治療が臨床で行われる

インプラント治療が初めて臨床で行われたのは、現在より100年以上も前の1910年頃のことです。円筒型のインプラントが開発され、これが現在のインプラントの祖だといわれています。

1930年代になるとスクリュー型直インプラントが、1940年代にはらせん型のインプラントも考案されています。ただ、いずれも予後が良いとはいえず、当時の治療法としてインプラントはそれほど選択されていませんでした。

【1952年】チタン製インプラントの誕生

インプラントの歴史が大きく動いたのが、1952年のことです。整形外科医であるペル・イングヴァール・ブローネマルク教授により、骨とチタンが結合することが発見されました。

この発見によって、インプラントの治療でチタンが取り入れられるようになり、インプラントと骨をしっかりと結合させられるようになったのです。

【1978年】日本でインプラント治療が導入

日本でインプラントの治療が行われるようになったのは、1978年のことです。人工サファイア製のインプラントを使用した治療が行われました。ですが、人工サファイア製のインプラントではチタンのように骨と結合させられません。

そのため、周囲の歯に固定する必要があったのですが、インプラントが折れてしまうなどのトラブルが起こり、評判の良いものではありませんでした。

その後、1983年になると海外と同様に信頼度の高いインプラントを用いた治療が行われるようになります。当時の東京歯科大学助教授だった小宮山弥太郎先生が、チタンと骨が結合することを発見したブローネマルク教授の元で学び、技術を持ち帰ってからことです。

日本ではじめに行われていた人工サファイア製のインプラント治療の評判が良くなかったこともあり、日本ではすぐには受け入れられませんでした。ですが、チタン製インプラントについて日々研究が進められており、現在は国産のインプラントも開発されるほどとなっています。

【現在】インプラントが安全性の高い治療法に

日本でのインプラント治療は常に進化を続けています。現在では非常に安全性の高い治療法となりました。これは、これまでに蓄積されてきた数多くの科学的根拠に基づいた形で高性能のインプラントが開発されているからです。

インプラント本体だけではなく、インプラントの土台と人工歯を接続するアバットメントも、進化を続けています。インプラント治療が行われるようになる前の日本では、入れ歯やブリッジなどの選択肢が主流でした。

しかし、入れ歯は違和感や不具合が多い治療法ですし、ブリッジはたとえ健康な歯であったとしても土台となる歯を削らなければなりません。

こういったデメリットの問題から、現在はインプラント治療を選択する方も増えています。インプラント治療であれば周囲の歯に影響することなく独立した治療が可能です。日本でも多くの歯科医院でインプラント治療が行えるようになり、入れ歯やブリッジに続く選択肢として普及してきました。

入れ歯やブリッジを選択したものの満足できていない方や、審美性や機能性に優れている治療法で失った歯を補いたいと考えている方におすすめです。

選択する歯科医院によって治療を担当する医師の実績や経験、知識などが異なるので、安心して治療を受けるためには信頼度の高い歯科医院か見極めることが大切だといえます。

インプラント治療は長い歴史を持っている

インプラント治療が気になっている方の中には、新しい治療法だから不安と感じている方もいるのではないでしょうか。今回ご紹介したように、インプラント治療は長い歴史を持っています。

失った歯を補う方法として入れ歯やブリッジでは審美性や機能面で不安があると感じている方は、インプラント治療について検討してみてはいかがでしょうか。