抜歯が必要になる原因は何?抜歯が必要な理由や予防策も解説

抜歯が必要になる原因は何?抜歯が必要な理由や予防策も解説

抜歯の主な原因は歯周病です。

抜歯は周囲の歯への悪影響を抑えたり、その後の治療を行いやすくしたりするために必要な処置であるものの、やはりできる限り多くの歯を残したいと思われることでしょう。

歯周病が進行した歯や治療が行われていない歯などは抜歯のリスクが高い歯であるため、定期検診や予防治療、日頃のブラッシングで口内環境を整え、虫歯や歯周病を予防することが抜歯の予防にもつながります。

抜歯が必要になる原因は何?

抜歯が必要となる原因はさまざまですが、2018年に全国の歯科医院で行われた調査によると次のような割合で抜歯が行われていると報告されました。

抜歯の原因 割合
歯周病 37.1%
虫歯 29.2%
破折 17.8%
その他 7.6%
埋伏歯 5.0%
矯正 1.9%

出典:e-ヘルスネット:歯の喪失の原因

調査の結果を見ると、抜歯をする原因の4割近くが歯周病だとわかります。

40歳以上になると多くの人がかかっていると言われるほど身近な口内疾患である歯周病ですが、適切な治療を受けなければ歯を失う原因にもなりかねません。

抜歯リスクが高いのはどんな歯?

抜歯リスクが高いのはどんな歯?
抜歯の原因は主に歯周病であることがわかりましたが、抜歯のリスクが高いのは一体どのような歯なのでしょうか?

すべての歯が同じくらいリスクを背負っているわけではなく、次のような条件に当てはまる歯がより失われやすいとされています。

  • 治療が行われていない虫歯
  • 被せものを装着している歯
  • 義歯の針金をかけている鈎歯
  • 歯周病が進行している歯

総じて前歯より奥歯のほうが失われやすいとされていますが、その中でも虫歯や歯周病を治療せず放置している歯や義歯の針金がかかっている歯、被せものを装着している歯など、負担がかかったり弱っていたりする歯で抜歯リスクが高まります

ただし被せものを装着している場合は、治療を受けた歯の根元に病変が残るケースがあることから抜歯の原因になり得るとされ、被せもの自体が抜歯を招くわけではありません。

抜歯の原因として最も高い割合を占めた歯周病は、抜歯のリスクを高める要因でもあるので進行する前に適切な治療を受けることが健康な歯を保つためのカギです。

なぜ抜歯をする必要がある?

なぜ抜歯をする必要がある?
それでは、なぜ抜歯をする必要があるのでしょうか?その理由は主に2つです。

もし病状が悪化した歯を抜歯せずそのまま残すと、周囲の歯にも悪影響を与え、健康であったはずの歯まで抜歯しなければならなくなる恐れがあります。

そして抜歯するべき歯を無理に残すと、後の治療やメンテナンスに支障が生じることも考えられるでしょう。

抜歯するべきと判断された歯を早めに抜くと、健康な歯をより多く残せる可能性が高まります。

抜歯は病気にかかった歯の周囲にある歯への悪影響を抑え、その後の治療を行いやすくするために必要です。

抜歯を防ぐために出来ること

抜歯を防ぐために出来ること
原因に関わらず抜歯は治療の一環として必要ではあるものの、やはりできる限り歯が失われることは避けたいものです。

抜歯を防ぐためには次のようなポイントを日頃から意識し、口内を歯にとって良い環境へと整えておくようにしましょう。

定期検診や予防治療を受ける

まずは積極的に定期検診や予防治療を受けることが抜歯を防ぐための最大の対策法です。

虫歯や歯周病を早期発見できれば簡単な治療で治すことができ、歯や歯茎への負担も抑えられるようになります。

そして早期発見のためには、定期的に歯の検診や予防治療を受けることが必要です。

自覚症状がなくても虫歯や歯周病が潜んでいることもあります。特に歯周病は抜歯の大きな原因となるため、歯科医院での検診を習慣化してください。

最後まで治療を受けること

何らかの歯の病気で治療を受け始めたら、最後まで続けることも抜歯を防ぐための大切なポイントです。

治療の途中で通院をやめてしまう方が稀にいらっしゃいますが、そのまま歯の病状が進行すると抜歯の確率が非常に高まります

歯の治療を受け始めたら、途中でやめることなく最後まで治療を受けるようにしましょう。

歯並びにあわせたブラッシングを意識する

毎日の歯みがきも抜歯を防ぐための有効な手段のひとつです。

しかし、歯並びが乱れているところはみがき残しが発生しやすく汚れが蓄積されやすいので、ご自身の歯並びにあわせたブラッシングを意識してみがいてください。

たとえば、歯が重なり合う部分や歯ブラシが入りにくい隙間などは、タフトブラシでみがくなどケアの仕方を見直してみることも大切です。

日頃の定期検診やブラッシングで抜歯の原因を予防

日頃の定期検診やブラッシングで抜歯の原因を予防
抜歯が必要となる最大の原因は歯周病ですが、歯周病は定期的な検診や予防治療、日頃のブラッシングである程度予防することができます。

抜歯は周囲の歯への悪影響を抑え、その後の治療を行いやすくするために必要な処置。

しかし、虫歯や歯周病を予防したり、早期発見で治療を受けたりすれば抜歯が行われる確率は低くなります。

健康な歯をより多く残すためには、検診やブラッシングで口内環境を整えて歯周病を予防すること、そして虫歯や歯周病の症状が現れたら早めに治療を受けることが何よりも大切です。