抜歯即時インプラントの特徴やメリット・注意点を解説

抜歯即時インプラントの特徴やメリット・注意点を解説

歯が残ったままの状態だと治療ができないため、インプラント治療では傷んでいる歯を抜歯したうえで治療していくことになります。

この時、選択できる方法としては抜歯即時インプラントと呼ばれる1回法、2回法の2種類が一般的です。

抜歯したその日にインプラントを埋入したい場合は、抜歯即時インプラントを検討してみると良いでしょう。それぞれどのような違いがあるのか、抜歯即時インプラントのメリットや注意点についてご紹介します。

抜歯即時インプラントとは

インプラント治療を行うためには抜歯が必要です。

抜歯即時インプラントとは、抜歯と同時または短期間でインプラントを埋入する治療法のことをいいます。外科手術が1回で済むため、1回法とも呼ばれる治療です。

この他に、外科手術を2回行う2回法と呼ばれる治療もあります。2回法の場合、抜歯をした後数ヶ月間待ち、傷口が回復してからインプラントを埋入するのが特徴です。

2回手術をするとなればそれだけ体への負担もかかりますし、治療期間も長くなることから、1回の外科手術で済む抜歯即時インプラントを検討する方が多いです。

抜歯即時インプラントのメリット

抜歯即時インプラントのメリット抜歯即時インプラントにはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下のようなメリットがあって選ばれています。

治療期間を短縮できる

抜歯をした後すぐにインプラントを埋入するため、2回法と異なり抜歯時の傷口の回復を待つ時間を短縮できます。

一般的には、3~8ヶ月ほど間を置いてから2回目の手術をすることになるので、この期間を短縮できるのは非常に大きなメリットだといえるでしょう。

できるだけ早くインプラント治療を完了させたいと考えている方などから選択されています。

骨がやせるのを抑えられる

物を噛むとその刺激が歯を通してあごの骨に伝わりますが、抜歯した部分は物を噛んでも骨が刺激されません。

人間の体は刺激を受けない部分が衰える特徴を持っています。そのため、抜歯してしばらく経つと周辺のあごの骨が痩せてしまうことがあります。

抜歯後に治癒期間を設ける2回法に比べると、すぐにインプラントを入れる抜歯即時インプラントのほうが骨が痩せるのを抑えられるでしょう。

手術費用を抑えられる

抜歯即時インプラントは外科手術が一度で済むので、その分費用も抑えられます。できるだけインプラント治療をリーズナブルに済ませたいと考えている方にもおすすめです。

痛みを抑えられる

治療中は麻酔をするので痛みがありませんが、麻酔が切れてから痛みを感じることがあります。

2回外科治療を行う2回法に比べると、1回で済ませられる抜歯即時インプラントのほうが治療後の痛みを感じる回数が少なくて済みます。

仮歯をすぐに入れられる

抜歯即時インプラントだと、すぐに仮歯を入れられます。特に前歯など歯がないと目立ってしまうような場所でも安心です。

抜歯即時インプラントを受ける際の注意点

抜歯即時インプラントを受ける際の注意点抜歯即時インプラントはご紹介したようなメリットがありますが、注意しなければならないポイントもあります。以下を確認しておきましょう。

感染リスクの完全除去が可能か

一度歯肉を縫合する2回法と異なり、抜歯即時インプラントは歯肉を閉じません。

そのため、感染症のリスクがある場合は選択できないので注意が必要です。リスクを完全に除去できるようであれば、抜歯即時インプラントが検討できます。

歯周病が進んでいないか

感染リスクが高くなってしまう原因の一つが歯周病です。

そのため、歯周病の症状が進んでいる方は、先に歯周病の治療を行ったほうが良いでしょう。歯周病が悪化している方の場合、抜歯即時インプラントによる治療は選択できないケースが多いです。

なお、抜歯即時インプラントによる治療が選択できなかったとしても、2回法ならば対応できるケースが多いです。自分の場合はどちらで治療ができそうか、事前に確認してみると良いでしょう。

治療に耐えうる骨の量があるか

インプラント治療では、あごの骨にドリルで穴を開け、フィクスチャーと呼ばれるインプラント体を埋入することになります。そのため、フィクスチャーの埋入に十分耐えられるような骨が必要です。

骨の厚さが足りない、量が少ないなど何らかの問題がある場合は骨移植などの対策を取ってから治療を行わなければなりません。そのため、抜歯即時インプラントではなく2回法による治療になる可能性が高いです。

十分な骨の量があるかについては事前の検査でわかるので、丁寧な検査を行ってくれる歯科医院を選択しましょう。

抜歯即時インプラントについて理解したうえで検討を

抜歯即時インプラントについて理解したうえで検討を1回の外科治療で済む方法と聞くと、抜歯即時インプラントの方が優れているように感じてしまうことがありますが、必ずしもそうとはいえません。

条件に合わない方が無理に抜歯即時インプラントを選択すると、インプラントがうまく定着しない可能性もあるので注意が必要です。

口腔内の状態や骨の状態によっては2回法でなければ対応できないようなケースもあるので、事前に検査を受けて、自分の場合は抜歯即時インプラントが選択できるか相談してみてはいかがでしょうか。