インプラントは変色するのか、治療後に起こる可能性のある歯茎の変色とともに解説していきます。インプラント自体が変色することはほぼありませんが、治療後に歯茎が変色することはありえます。
インプラント治療を検討されているなら、歯茎の変色が起こる理由と対処法を知って予防することが大切。今、インプラント治療による歯茎の変色で困っている方も、適切な予防法を知って健康な口内を保ちましょう。
インプラントが変色することはある?
基本的にインプラントが変色することはありません。インプラントはセラミックで作られており、セラミックには次のような特徴があるためです。
・着色しにくい
・付着した歯垢が落としやすい
・天然の歯に近い色を再現しやすい
セラミックは付着した汚れが落ちやすく、お茶やコーヒーなどを毎日飲んでいても着色しにくいという特徴を持つ素材です。そのため、セラミックを使用しているインプラントが変色する可能性は低いと言えます。
インプラント治療後に歯ぐきが変色する可能性はある
インプラント自体が変色する可能性は低いものの、インプラント治療後に歯茎が変色する可能性はあります。なぜインプラント治療後に歯茎が変色する可能性があるのか、その理由と原因について見ていきましょう。
歯ぐきが赤く変色する場合
インプラント治療後に歯茎が赤く変色した場合は、治療による影響で一時的なものだと考えられます。インプラント治療は外科手術であることから、外傷からくる腫れによる影響で歯茎が赤くなったと感じられることも少なくありません。
ただし、インプラント治療から数日経ってから歯茎が赤く変色した場合は、インプラント周囲炎に罹患している可能性も。その場合は歯茎の奥で炎症が進行していると考えられるため、歯科医院に相談の上、治療が必要となります。
歯ぐきが黒く変色する場合
インプラント治療後に歯茎が黒く変色することもあります。ただしこの場合は歯茎自体が黒ずんでいるわけではなく、インプラント体が透けてみることから黒く変色したように感じられることが多いようです。
インプラント体が透けて歯茎が黒く見える場合は、インプラント周囲炎に罹患している可能性があります。またもし喫煙をされる方であれば、タバコによる血行不良で歯茎が黒くなったように感じられることもあるでしょう。
タバコに含まれるニコチンには、末梢の血流を阻害する働きがあります。そのため歯茎への血流が悪くなり、インプラント治療後に歯茎が黒く変色したと感じられる可能性もあります。
歯ぐきが白く変色する場合
インプラント治療により歯茎が白く変色した場合は、治療による化膿が原因だと考えられます。インプラント体周辺の隙間から歯茎へと細菌が入り込むことにより、歯茎の中に膿がたまってニキビのように白く腫れることが原因です。
そのままにしておくと化膿が進行してしまう恐れもあるため、歯茎が白く変色したようになったら早めに担当の歯科医師に相談しましょう。化膿止めなどを処方してもらえることもあります。
変色を少しでも抑えるために
インプラント自体が変色することはほぼありませんが、インプラント治療により歯茎が変色することはありえます。変色を少しでも抑えるためには、次のような方法を意識的に試してみてください。
禁煙をする
歯茎の健康を保つためには「禁煙」が欠かせません。前述のとおり、タバコに含まれるニコチンは末梢の血流を阻害するため歯茎の変色につながります。
またタバコに含まれる有害物質は口内粘膜や歯肉の線維芽細胞を傷つけることから、インプラント治療の傷の治癒が遅れる原因ともなります。
それだけでなく、タバコはインプラント治療を受けていない人の口内にも悪影響を及ぼすもの。タバコを吸うと口内で歯周病菌が繁殖しやすくなることから、インプラント周囲炎などに罹患しやすくなるリスクも高まります。
インプラントによる傷を早く治癒させ歯茎の変色を防ぐためには、喫煙習慣を絶つことから始めてください。
歯のセルフケアを徹底する
歯茎の変色を防ぐためには、歯のセルフケアを徹底することもポイントのひとつ。特にプラークコントロールは大切で、食後の歯磨きで磨き残しを防ぐようにすれば、インプラント周囲炎予防効果が高まるだけでなく歯茎の変色を予防することにもつながります。
インプラント周囲炎を予防できればインプラントの寿命も長くなるため、食後と眠る前の歯磨きは丁寧に行うようにしましょう。
歯科医院の定期メンテナンスを受ける
歯のセルフケアを徹底していたとしても、口内に何らかのトラブルが起こることはありえます。そのためインプラント治療を受けたら、歯科医院の定期メンテナンスを必ず受けるようにしてください。
インプラント治療後の定期メンテナンスは3ヶ月から6ヶ月に1回の頻度で受けるよう指示があるはずです。定期メンテナンスを受けていれば口内トラブルを早期発見できるようになるだけでなく、口内の清潔を保つためにも有効ですので、必ず指示された頻度で定期メンテナンスを受けるようにしましょう。
インプラント治療後は歯茎の変色が起こる可能性あり
インプラント自体が変色することはほぼありませんが、インプラント治療後に歯茎の変色が起こる可能性はあります。
歯茎の変色が起こる理由は、治療の影響による腫れや化膿、インプラント周囲炎、喫煙などさまざまです。治療後に歯茎の健康を維持するには、禁煙をしながらセルフケアを徹底し、決められた頻度で定期メンテナンスを受けることが重要。
セルフケアとアフターケアをしっかりとすれば、インプラント治療後の歯茎の変色も防げるはずです。