インプラント治療をしたらすぐに快適に噛めるようになると思っていたものの、なぜか噛めないと悩んでしまう方がいます。なぜそのようなトラブルが起こってしまうのでしょうか。
どのような場合に、インプラントしたが噛めないような事態が発生してしまうのかについて解説します。また、しっかり噛めるインプラント治療についても参考にしてみてください。
インプラント治療をしたのに噛めない理由
インプラント治療したが、なぜか噛めないという方は、以下の中で該当するものがないか確認してみてください。代表的な理由やトラブルについて解説します。
インプラント治療をして間もない
インプラント治療は、治療直後からすぐに自分の歯のように噛めるものではありません。あごの骨に埋め込んだフィクスチャー(インプラント体)が骨としっかり結合することにより、噛める様になります。
即時荷重インプラントというインプラントを埋入した当日に仮歯を装着する選択肢もありますが、こちらも同様です。
フィクスチャーとあごの骨が結合しないうちに強く噛んでしまうと、インプラントが抜け落ちてしまうような可能性もあります。
自分の歯と同じように噛めるようになるまでは最短でも下顎で2~3ヶ月、上あごで4~6ヶ月の期間が必要とされているので、この間は慎重に過ごしましょう。
インプラントの埋入が不十分
手術のトラブルとして、インプラントの埋入が不十分である可能性も考えられます。土台であるあごの骨にフィクスチャーが十分埋入され通らず、歯茎を突き破ってしまうようなケースもあるのです。
インプラントは適切な位置、深さ、角度に埋入する必要があるので、信頼できる医師のもとで治療を受けましょう。
必要な骨造成手術を実施していない
インプラントはあごの骨に埋め込む手術であるため、土台であるあごの骨が十分な量なくてはなりません。
不十分なまま骨造成手術を適切に行うことなく無理に埋入を施した場合、噛めないトラブルにつながりやすいです。
噛み合せが合わない状態での治療実施
もともとの噛み合わせが合っていない場合、ただインプラント治療を行うだけで噛み合わせが改善するとはいえません。
噛み合わせ改善のためのインプラント治療を行う必要があります。全体のバランスを考えたり、調整したりする技術が必要です。
インプラント周囲炎
インプラント治療をした後しばらくは問題がなかったものの、数ヶ月から数年経って不具合が発生しているのであれば、インプラントを周囲炎の可能性が考えられます。
これはインプラントの周囲に炎症が起こってしまうトラブルであり、歯周病と同じ細菌感染症の一種です。
特に定期的なメンテナンスを受けなかった場合に発生しやすくなり、噛み合わせが悪くなったり、インプラントが抜け落ちたりするトラブルにつながります。
しっかり噛めるインプラント治療とは
しっかり噛めるインプラント治療を実現するためには、以下の2点に注目しましょう。
治療前の噛み合わせ矯正
もともとの噛み合わせが悪い場合、先に噛み合わせ矯正を行ってからインプラント治療を開始したほうが良いケースもあります。インプラント埋入時に調整ができる場合は良いのですが、そうでない場合は矯正治療から行うことも検討してみましょう。
その分、インプラント治療に進めるまでにかかる期間が長くなってしまいますが、噛み合わせが改善すればインプラントの快適性を高める効果も期待できます。
口腔全体の状態の把握
インプラント周囲炎は、虫歯や歯周病をしっかり治療したうえでインプラント治療を行うことでリスクを抑えられます。治療前に口腔全体の状態をよく確認し、適切に判断してくれる歯科医院を選択しましょう。
信頼できる歯科医院で治療しよう
インプラント治療は多くの歯科医院で行っており珍しいものではありませんが、本当に納得のいく治療を受けるためにはクリニック選びが重要になります。
特に、患者の状態を十分把握したうえで治療を開始してくれるような歯科医院を選びましょう。
その際、カウンセリングなどで丁寧に話を聞いてくれる歯科医院を選択しておくと安心です。わからないことや気になることなどがあった際に、その不安に寄り添ってくれる歯科医院で相談してみてください。
もちろん、インプラント治療の実績なども確認しておくことが重要です。インプラントは長い治療期間がかかる治療方法であるため、安心して通える歯科医院を選びましょう。
適切な治療が受けられればとても快適
インプラントしたがなぜか噛めないトラブルの理由や、治療を受けるにあたり注意しておきたいポイントについて解説しました。
インプラント治療について検討しているものの、噛めないと聞くと不安という方もいるのではないでしょうか。
ですが、適切な治療を受けられれば、ブリッジや入れ歯などに比べて高い咀嚼力が実現できますし、とても快適です。まずは信頼できる歯科医院でカウンセリングを受けるなどして、相談してみてはいかがでしょうか。