インプラントの術後にまひが残る原因と最小限にするための対処法

インプラントの術後にまひが残る原因と最小限にするための対処法

インプラントに関するトラブルはいくつか報告されていますが、その中に術後まひが残るといったものがあります。そもそも、本当にまひが残ることがあるのでしょうか。

万が一、まひが残ってしまった時のことを心配している方のために、考えられる原因について解説します。また、自分で術後のまひを抑えるために取れる対策についてもご紹介するので、参考にしてみてください。

インプラントの術後にまひが残ることがある?

インプラントの術後にまひが残ってしまうことは、ごくまれにあります。ただ、これはインプラント手術に限ったことではなく、歯科治療全般において言えることです。

局所麻酔を行った場合、その麻酔が切れるまでは感覚が鈍くなります。そのため、術後直後に何となく周囲の感覚が鈍いということであれば、麻酔が残っている可能性を疑いましょう。

しかし、数日経過しても改善しない場合は、その他の原因が関係している可能性も考えなければなりません。

インプラント手術によって生じるまひの原因

インプラント手術によって生じるまひの原因インプラントの術後にまひが残るような事態に陥った場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。代表的な原因について解説します。

麻酔針が神経に触れた

インプラント治療を行う際には、麻酔が必要です。その麻酔の際、麻酔針が神経に触れて神経が傷ついてしまうことがあります。

大きく傷ついていない限り徐々に回復しますが、長引く場合は一度相談してみたほうが安心です。

インプラントホールの形成時に神経を刺激した

インプラント治療では歯肉を切開し、露出したあごの骨にインプラントホールと呼ばれる穴を開け、そこにフィクスチャー(インプラント体)を埋め込むことになります。

インプラントホールはドリルを使って開けることになるのですが、穴を開ける際にドリルが神経などに触れた場合、まひが発生するリスクもゼロではありません。

ただ、神経が大きく傷ついていたり、切れたりしていない限りは徐々に良くなります。

インプラントが神経に接近・圧迫している

あごの骨にドリルで穴を開けたあと、インプラント体とも呼ばれるフィクスチャーという部品をあごの骨に埋入するのですが、神経の近くに埋入してしまうと神経が圧迫されてしまうことがあります。

これは、事前に十分な診査を行ったうえで、あごの形状を把握して治療を行えば防げる可能性の高いトラブルです。

インプラント体の埋入がまひの原因である場合はそのまま放置しても良くなることは期待できないため、短いインプラントに交換するなどの対応が必要です。

術後の腫れが神経を圧迫している

インプラント治療は外科手術ということもあり、治療後は腫れが大きく出てしまうことがあります。どれくらい腫れるのかは個人差があるのですが、腫れが神経を圧迫して、まひにつながる可能性もゼロではありません。

ただ、こちらのケースに該当する場合は腫れが引くのと同時に圧迫が改善されるため、徐々に良くなっていくと考えられます。

手術時に神経位置の確認をした

手術をする際に、直接神経に触れることによって神経の位置を確認することがあります。神経に触れた際の刺激によってまひが発生している場合は、徐々に良くなります。

術後のまひを最小限にするために取れる方法

術後のまひを最小限にするために取れる方法まひが起こる可能性はゼロではないため、できる限りの対策について考えておきましょう。

何より重要なのが、適切な事前診断をしてくれる歯科医院を選択することです。しっかりとレントゲン撮影やCT検査などで画像診断を行えば、神経の位置が正確にわかるため安全に治療を行えます。

事前に歯科医院のホームページなどを確認し、どのような設備を導入しているのか確認してみてはいかがでしょうか。

また、これまでの実績についても確認してみることをおすすめします。やはり、インプラント治療について信頼・実績のある歯科医のほうが安心です。

インプラント治療は安全な治療と言われていることから、あまり深く考えることなく歯科医院を選んでしまう方もいるようです。

しかし、実際にまひなどのトラブルが発生し、大変な思いをしている方もいます。安心して治療が受けられるような歯科医院を選ぶことが何より重要だといえるでしょう。

また、万が一、術後にまひが残るようなことがあった場合、数日経っても良くならないようであれば何かトラブルが発生している可能性も考え、早めに相談してみましょう。

まひ対策として特に注目したいのは慎重な歯科医院選び

まひ対策として特に注目したいのは慎重な歯科医院選びインプラント術後にまひが残るトラブルの原因や対策についてご紹介しました。

まひの大きな原因は神経に触れたり、傷付けてしまったりすることにあります。ですが、できる限り神経を傷付けないように慎重に治療するというのは医師が心がけることであり、患者が直接注意できるものではありません。

そのため、安心して治療を受けるために患者ができることは、信頼できる歯科医院選びです。近所だから、治療費が安いからと適当に選んでしまうのではなく、実績なども確認したうえで歯科医院を選択しましょう。