治療後にインプラントが抜けた!原因と取るべき対応を解説

治療後にインプラントが抜けた!原因と取るべき対応を解説

インプラントが抜けたときの適切な対応方法や、インプラントが抜ける原因について解説します。

インプラントは本来であれば外れないはずのものですが、口内環境や癖、日常習慣により脱落してしまうこともあります。もしインプラントが抜けたら、どのように対応すれば良いのでしょうか?歯科医院を受診するまでに行っておきたいことを確認して、万が一に備えましょう。

インプラントが抜けてしまう原因

インプラントが抜けてしまうことにはいくつかの原因があります。「インプラントが抜けた…」とお困りの際には、次のいずれかの原因に当てはまっていることが多いでしょう。

インプラント周囲炎に罹患している

インプラントが抜けた原因としてまず考えられるのが、インプラント周囲炎への罹患です。インプラント周囲炎とはインプラントの歯周病のようなもので、インプラントの周辺が赤く腫れる、出血する、膿むなどの症状が現れる細菌感染による炎症です。インプラント周囲炎でインプラントが抜けたのであれば、治療も必要となるため早急に歯科医師に相談してください。

参照:児玉利朗「(PDF)インプラント周囲炎に対する治療法」日本口腔インプラント誌第30巻第4号

毎日のブラッシングやセルフケアを行っていなかった

インプラント周囲炎になっていなかったとしても、日々のセルフケアが十分でなかった場合もインプラントが抜ける可能性が高まります。人工歯は虫歯になることはありませんが、口内の衛生が保たれなければ、前項で解説したようにインプラント周囲炎になる可能性も。毎日のブラッシングを丁寧に行い、食べかすやプラークのない清潔な口内を保つことが大切です。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある

歯ぎしりや食いしばりの癖により、インプラントを失う方も少なくありません。歯ぎしりや食いしばりは歯に対して大きな負担をかける癖です。眠っている間にすることが多く患者本人は気づきにくいものですが、知らぬ間にインプラント体に負担が集中することもありえます。

参照:馬場一美「(PDF)睡眠時ブラキシズム患者におけるインプラントの咬合管理」日本口腔インプラント誌第29巻第2号

噛み合わせの悪さ

歯ぎしりや食いしばりだけでなく、噛み合わせの悪さからインプラントが抜けたという方もいらっしゃいます。噛み合わせによりインプラントが脱落する理由は、歯ぎしりや食いしばりと同様、特定の箇所に過度な負担が集中することがあるためです。

インプラントが抜けた場合の対応

インプラントが抜けた場合の対応もし万が一「インプラントが抜けた」という場合、一体どのように対処すれば良いのでしょうか?すぐに歯科医院を受診するのが理想的ではありますが、すぐに受診できない場合は次のように対応してください。

どの部分が抜けたのかを確認する

まずはどの部分のインプラントがどのように抜けたのか確認しましょう。インプラントは人工歯である上部構造、顎の骨に埋め込まれるインプラント、上部構造とインプラントを接続するアバットメントの3種類のパーツで形成されています。どの部分が抜けたかにより対処法が変わるため、まずは抜けた部位を確認することが先決です。

抜けた部分を無くさないように保管する

抜けた箇所を確認したら、抜けたインプラントは無くさないよう大切に保管してください。ティッシュなどに包んでおくと捨ててしまうことがあるため、中身の確認できるしっかりとしたケースやタッパーなどに保管されることをおすすめします。

治療を受けた歯科医院に連絡する

ここまでのステップが完了したら、インプラント治療を受けた歯科医院に連絡をし、インプラントが抜けたことを伝えましょう。連絡の際に伝えることは、インプラントが抜けた理由・時間と、最初に確認した抜けた部位です。

「硬いおかきを食べていたらアバットメントが急に抜けた」「1週間ほど前からぐらつきがあったがドアにぶつかった拍子に上部構造が抜けてしまった」など、インプラントが抜けたときの状況を詳しく伝えると、医師はその状況に応じて抜けた原因を考えて治療を行います。

インプラントが抜けた後の放置は絶対にやめよう

インプラントが抜けた後の放置は絶対にやめようインプラントが抜けた後にしてはいけないのは「放置」です。そのまま放置しておくと残っている歯に負担がかかり、他の健康な歯にも悪影響が及ぶ可能性が高まります

また歯科医院に行かずにご自身で埋めようとする方もいらっしゃいますが、見た目に問題がなくても、いずれかのパーツが破損している場合もあります。破損していなくても、ご自身で無理に押し込もうとすれば細菌感染のリスクが高まり、結果的にインプラント周囲炎へと発展してしまうことも考えられるでしょう。

インプラントが抜けた後は放置せず、適切な対応をしたらできる限り早めに歯科医院を受診するようにしてください。

インプラントが抜けたら適切な対応と受診が大切

インプラントが抜けたら適切な対応と受診が大切インプラントが抜ける原因はさまざまですが、もし抜けたらご自身でできる限りの適切な対応をし、なるべく早めにインプラント治療を受けた歯科医院を受診することが大切です。

最もしてはいけないことは、歯科医院を受診せずにそのまま放置すること。せっかくのインプラントですから、ご自身で治そうとして口内環境を悪化させるよりも歯科医院を受診して適切な処置をしてもらってください。