入れ歯には、保険が適用されるものと、全額自己負担となる保険外のものがあります。できるだけ費用を抑えたいと考えた場合に選択されるのが、保険適用の入れ歯です。
ですが、機能性や審美性を重視する方からは、審美歯科で作る保険適用外の入れ歯が選ばれています。なぜ費用がかかる自費の入れ歯が選ばれているのか、メリット、かかる費用などについて解説します。
保険治療による入れ歯の限界
保険が適用される入れ歯であれば費用を抑えられますが、機能性、審美性ともに優れているとはいえません。
まず、保険が適用される部分入れ歯は、部分入れ歯だとプラスチックと金属で作られています。金属で作られた留め具部分が目立つことから、見た目を気にする方が多いです。また、噛む力も大幅に下がってしまいます。
総入れ歯については、すべてプラスチックで作られているのが特徴です。部分入れ歯と比較してもさらに噛む力が大幅に下がります。また、強度を出すために厚めに作られていることから、違和感があったり、滑舌が悪くなったりすることも多いです。
このように、保険適用による入れ歯にはさまざまなデメリットがあります。
審美歯科(保険外・自費)による入れ歯のメリット
保険適用の入れ歯が抱える問題を解決できるのが、自費治療となる入れ歯です。審美歯科などで相談してみましょう。
審美歯科で保険適用外の入れ歯を選択するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
審美性に優れる
保険適用の入れ歯は審美性に問題がありますが、自費診療となる審美歯科の入れ歯は、審美性に優れています。
例えば、部分入れ歯でも金属の留め具を使うことがない「ノンクラスプデンチャー」があります。見た目が良いだけではなく、フィット感のある素材が使われていることから外れにくいのも特徴です。
つけ心地がいい
つけ心地においても優れています。例えば、保険適用の総入れ歯は強度を出すためにプラスチックを厚くしなければなりませんでしたが、自費診療の入れ歯は歯茎に触れる部分を金属で作ることにより、薄くできるのが特徴です。違和感を抑えることに繋がります。
耐久性がある
審美歯科では保険診療で使用されるプラスチックよりも耐久性の高い素材が使えるようになるので、壊れにくいのが魅力です。保険診療の入れ歯は長持ちしても5年程度とされていますが、審美歯科で作る入れ歯の多くは10年ほど長持ちします。
自由に設計できる
保険診療の場合、決められた設計以外で作ることはできません。ですが、自費診療の入れ歯は自由な設計が可能です。
一人ひとりの口の中の状態や、希望に合わせて作ることも可能なので、できるだけ理想に近い形の入れ歯を目指せます。
発音しやすい
保険適用の入れ歯は厚みがあって発音のしにくさを感じることがありますが、自費診療の入れ歯は強度がある素材を使うことによって薄く作れるので、発音に影響しにくいです。入れ歯にしたところ発音しにくくなったと悩んでいる方も、審美歯科で相談してみてはいかがでしょうか。
自費診療の入れ歯を製作する際の費用相場
自費診療の入れ歯の選択肢は豊富で、どのような素材、構造を選ぶのかによって費用が変わります。費用相場は、以下のとおりです。
金属床の入れ歯 | 部分入れ歯…30万~60万円程度 総入れ歯…50万~80万円程度 |
歯茎に触れる部分を金属にすることにより、薄く、違和感が少ない |
---|---|---|
ノンクラスプデンチャー | 8万~35万円程度 | クラスプ(バネ)がない部分入れ歯で、審美性に優れている。金属アレルギーの方でも選択可能。 |
コンフォートデンチャー | 部分入れ歯…10万~50万円程度 総入れ歯…35万~50万円程度 |
歯茎にあたる部分がシリコーンで作られており、外れにくく、痛みも出にくい |
コーヌスクローネデンチャー | 50万~80万円程度 | 削った天然歯にかぶせて固定する部分入れ歯で、違和感が出にくい |
BPS義歯 | 40~50万円程度(片あご) | 規格化された専用の道具を使用して作るフルオーダーメイドの総入れ歯 |
BPS義歯は、世界標準のシステムを使った治療方法です。費用はかかりますが、違和感がなく、審美性、機能性にも優れている治療法として注目されています。
こだわりの入れ歯なら審美歯科が適している
保険適用のものに比べると、審美歯科で作る入れ歯の方が優れています。費用は高くつくものの、保険適用の入れ歯に不具合や不満を感じている方は自費診療となる入れ歯も検討してみると良いでしょう。
また、保険適用の入れ歯よりも高い審美性、機能性を求めているのであれば、インプラントがおすすめです。インプラントはあごの骨に埋入してしっかり固定することから管理が楽で、自分の歯と同じように扱えます。ずれたり、外れてしまったりすることもありません。
インプラント治療の詳しいメリットについては『インプラント治療のメリットについて紹介』で解説しているので、こちらも参考にしてください。