インプラント治療後の寿命と長持ちさせる方法を解説

インプラント治療後の寿命と長持ちさせる方法を解説

インプラントの寿命は10年以上と非常に長く、比較されることが多いブリッジと比べても長寿命です。しかし、長持ちさせるためには適切なメンテナンスやセルフケアを行わなければなりません。

寿命が平均よりも短くなってしまう原因や、対策についてご紹介します。長期間にわたり良好な状態を維持するため対策を取りたいと考えている方はぜひ役立ててみてください。

インプラント治療後の寿命は10年以上

インプラント治療は保険が適用できないこともあり高額な治療であり寿命が気になるところですが、一般的には10~15年以上使用できるとされています。

厚生労働省によると、10~15年の累積生存率は上顎で約90%、下顎で94%程度、抜歯後すぐにインプラントを埋めた場合や骨移植を伴った場合は87~92%と報告されているため、多くのケースで10年以上使用可能であると考えられます。

参照:厚生労働省「(PDF)歯科インプラント治療のための Q&A」

ブリッジ・入れ歯との寿命比較

インプラントと同じく歯の根を失った際の治療として挙げられるのがブリッジや義歯(入れ歯)ですが、ブリッジの寿命は約7~8年、義歯では4~5年くらいとされています。一般的な寿命をインプラント治療と比較してみましょう。

平均寿命 治療から5年後の残存率
インプラント 10~15年以上 97.1%
ブリッジ 7~8年 91.4~93.8%
義歯 4~5年

ブリッジの予後調査によると、延長ブリッジというダミーの歯を伴う場合は5年後の残存率は91.4%、通常のブリッジで93.8%と報告されており、5年後の残存率97.1%を誇るインプラントはブリッジと比較してかなり寿命が長いことがわかります。

ただし、10~15年というインプラント治療後の寿命は、適切なメンテナンスとセルフケアを行った結果です。また、個人差もあるのであくまでも目安として考えてください。

参照:尾澤昌悟「(PDF)歯根膜を考慮したインプラントの咬合調整」日口腔インプラント誌 第29巻第2号

インプラントの寿命を縮める原因

インプラントの寿命を縮める原因インプラントの寿命が通常よりも短くなってしまう原因として、以下のようなことが挙げられます。

インプラント周囲炎が起こった

インプラント周囲炎とは、口内のケアが十分だった場合に細菌感染して起こる炎症です。

インプラントを支えている土台部分である骨が溶けてしまい、インプラントがぐら付いたり、抜けたりしてしまいます。日々のブラッシングや、歯科医院でのメンテナンスをしっかり行うことが重要です。

喫煙している

喫煙はインプラントの状態を悪化させる大きな原因の一つです。タバコを吸うことによって末梢血管が収縮し、血液が流れにくくなるために口の中が不健康になってしまいます。

また、先述したインプラント周囲炎のリスクが高くなる他、手術後の傷の治りも悪くなったり、インプラントの定着率が下がったりするのです。できる限り禁煙に努めましょう。

歯ぎしりなどの癖がある

歯ぎしりや食いしばりといった癖のある方は歯の土台に大きな負担がかかり、インプラント周囲炎のリスクが高くなります。衝撃を和らげるマウスピースを使ったり、インプラント治療前にかみ合わせ治療を行ったりしましょう。

インプラントを長持ちさせる方法

インプラントを長持ちさせる方法
それでは、インプラント治療後にインプラントの寿命をより長くするための方法について見ていきましょう。インプラント治療を受けた後は、次の4つのポイントを実施することでより快適に、長くインプラントを使用できるようになります。

セルフケアを怠らない

インプラントの寿命を伸ばすためには、セルフケアを怠らないことが重要です。毎日のブラッシングを丁寧に行い、デンタルフロスやデンタルリンスなどの補助アイテムも活用し、口内を清潔に保つようにしてください。

口内にプラークが溜まると「インプラント周囲炎」という症状が起こりやすくなり、歯茎の炎症や骨の破壊・吸収が起きてインプラントを失いかねません。

日々のブラッシングを丁寧に行い、歯茎から上の部分に付着したプラークを除去するようにしましょう。

インプラント治療後のセルフケアについてさらに知りたい方は『インプラントのメンテナンス方法!歯科医院で受ける場合と自宅で行う方法を紹介』で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

参照:児玉利朗「(PDF)インプラント周囲炎に対する治療法」日口腔インプラント誌 第30巻第4号

歯科医院で定期メンテナンスを受ける

セルフケアを徹底するだけでなく、歯科医院で定期メンテナンスを受けることも重要です。プラークは「インプラント周囲炎」の原因になると解説しましたが、歯茎から下に付着したプラークはブラッシングによる除去ができないため、歯科医院で専門器具により除去してもらいましょう。

インプラント周囲炎は自覚症状が現れにくく、気づかないうちに症状が進行することも少なくありません。歯科医院で定期メンテナンスを受けることは、インプラント周囲炎の早期発見にもつながります。

インプラント治療後のメンテナンスについてさらに知りたい方は『インプラントのメンテナンス方法!歯科医院で受ける場合と自宅で行う方法を紹介』で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

禁煙・喫煙本数の削減を心がける

インプラント治療後の寿命を伸ばすためには、生活習慣の改善も大切です。喫煙習慣のある方は禁煙をするか、もしくは喫煙本数を減らすよう心がけるとインプラントを長持ちさせられるようになるでしょう。

タバコに含まれる有害物質は歯茎の血流量を減らし、歯周病菌が繁殖しやすい環境を作り出します。歯周病菌による毒素は歯の骨を溶かす働きをもつことから歯の骨量が減り、インプラントのぐらつきや喪失へとつながる可能性があるためです。

喫煙は歯周病のリスクや症状の悪化を招き、禁煙は歯周病の治療効果を向上させます。インプラントの寿命を伸ばすには、インプラント治療後は禁煙もしくは喫煙本数の削減を目指しましょう。

参照:e-ヘルスネット「喫煙と歯周病の関係」

歯ぎしりや食いしばり対策をする

喫煙習慣とともに改善したい生活習慣が、歯ぎしりや食いしばりです。インプラントは天然歯より圧力や衝撃に弱く、強い力が加わると負荷により破損したり、インプラント周囲炎のリスクが高まったりします。

歯ぎしりや食いしばりへの対策は歯科医院で行えます。マウスピース型のナイトガードによる治療を受ける、ボトックス注射を打つなどの方法で軽減させられるため、もし歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は歯科医院に相談をしてください。

インプラントを長持ちさせるための医院選び

インプラントを長持ちさせるための医院選び
さらに、歯科医院の設備充実度も確認して選べれば理想的です。インプラント治療では感染症が起こりやすいため、寿命を伸ばすためには感染対策を徹底している歯科医院を選ぶようにしてください。

衛生対策が十分に行われており、使い捨ての治療器具で感染対策を行っている医院であれば安心できるはずです。

  • 評価の高いインプラントメーカーを扱っている
  • 医師の技術力や治療実績が確かである
  • 長期保証がついている
  • メンテナンスに力を入れている
  • 感染対策を徹底している

上記5つのポイントを意識しながら歯科医院を選ぶことが大切です。

万が一に備えて保証がある歯科医院を選ぶ

万が一に備えて保証がある歯科医院を選ぶ
いくら費用が安くてもほとんど保証がなく、トラブルが発生した際に何も対応してもらえないようだと困ります。寿命が長いインプラントだからこそ、長年にわたり保証が用意されている歯科医院で治療を受けることが大切です。

5年程度の保証期間しか用意されていない歯科医院もありますが、池袋デンタルオフィスでは、インプラントは安心の10年保証をご用意しています。

また、ダメージを受けやすい部分でもある上部構造(人工歯部分)についても5年保証を無償でお付けしているので、安心してご相談ください。

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