抜歯の最大の原因は歯周病!重度になった場合の選択肢は?

抜歯の最大の原因は歯周病!重度になった場合の選択肢は?

抜歯が必要になるケースとしてはさまざまなものが挙げられますが、中でも特に多いのが歯周病によるものです。その割合は虫歯などと比べても多いので、できる限り抜歯を避けたいと考えているのであれば歯周病対策をとることが重要だといえます。

なぜ歯周病によって抜歯をしなければならない状況になるのかについて解説します。また、歯周病の進行レベルや抜歯後の治療法もまとめました。

抜歯の最大の原因は歯周病

抜歯しなければならないほど歯の状態が悪くなる原因の一つとして挙げられるのが、歯周病の悪化です。抜歯すると歯を失うことになるためできるだけ避けたいところではありますが、歯周病が悪化すると抜歯以外の選択肢がなくなることもあります。

また、歯周病の悪化によって抜歯をすることなく抜け落ちてしまうケースも多いです。

歯周病の進行レベル

歯周病の進行レベル歯周病になったらすぐに抜歯が必要になるわけではありません。症状が進行し、重度のものになってしまった場合に抜歯しなければならないケースがあります。

歯周病は、以下のように進行します。

  1. 歯肉炎…プラークによって歯茎に炎症が発生する
  2. 軽度…炎症が強くなり、腫れる
  3. 中度…歯周ポケットが深くなり、歯槽骨の破壊が進む
  4. 重度…歯槽骨が半分以上破壊され、歯が抜ける危険がある

初期の段階では小さな炎症ですが、それが少しずつ悪化して進行していきます。炎症がひどくなると歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなるので注意しましょう。
歯肉炎では2~3mm程度だった歯周ポケットが重度の歯周病では6mm以上になるため、ぐらつきにつながります。

治療するよりも抜歯をしたほうが良い場合

治療するよりも抜歯をしたほうが良い場合できるだけ自分の歯を残すのが理想であるため、歯周病だったとしても抜くことなく治療するのが基本です。抜歯は歯科治療における最終手段ともいえます。

ですが、歯周病が重度の段階になっていると、治療をしても大きな改善は期待できません。そのため、歯周病が進行している場合は歯を残すための治療より、抜歯について検討する必要が出てきます。特に歯根にまで症状が進行しているような場合は抜歯を勧められることが多いです。

歯周病が原因で抜歯したあとの治療法

歯周病が原因で抜歯したあとの治療法歯周病によって抜歯が必要になった場合、抜けた歯を何らかの方法で補っていかなければなりません。代表的な選択肢は、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つです。
それぞれの特徴について解説します。

入れ歯

部分入れ歯、または総入れ歯があります。適用範囲は広く、基本的にどのようなケースでも対応できる治療法です。素材によっては保険が適用されるため、治療費を抑えられるのが特徴です。

ただ、機能性、審美性ともに高いとはいえません。見た目が気になる、喋りにくい、違和感があるなどのトラブルを抱えてしまうケースも多いです。また、部分入れ歯の場合、バネをかけている部分の歯に負担がかかります。

ブリッジ

抜けた歯の両隣の歯を土台として、連結した人工歯を取り付ける治療法です。天然歯と同様の機能性を持ち、審美性も入れ歯より優れています。保険適用の素材であれば治療費を抑えることが可能です。

ただ、失った歯が連続して2本、多くても3本までしか対応できません。支えとなる歯は健康であっても削らなければならないことに加え、支えとなる歯自体が歯周病だった場合、強度などに問題が出てブリッジを選択できないこともあります。

また、保険適用の素材を選択する場合はブリッジの金属部分が目立ってしまうことも多いです。

インプラント

機能性、審美性ともに優れているのがインプラントです。あごの骨にドリルで穴を開け、そこに人工歯根を埋め込んでから土台に人工歯である上部構造を取り付けます。

独立して治療ができるため、ブリッジのように周囲の歯に負担をかけてしまうことがありません。また、入れ歯やブリッジの寿命は7~8年程度ですが、インプラントは適切なメンテナンスをしながら使えば半永久的に使えるのが特徴です。

ただし、保険適用外なので全額自己負担となります。治療期間も入れ歯やブリッジよりも長く、外科手術が必要になることから全身疾患のある方などは選択できないことがあります。

インプラントがどのような治療なのかについて『インプラントとは?メリット・治療の流れ・費用など徹底解説』で更に詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。

歯周病は悪化する前に治療を

歯周病は悪化する前に治療を歯周病は歯を失ってしまう大きな原因なので、できる限り歯周病対策をとりましょう。軽度の段階で治療ができれば、抜歯が必要になるケースは少ないです。

ただ、初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、定期的に歯科医院で検査を受け、いち早く歯周病を発見できるように備えてみてはいかがでしょうか。

歯周病によって歯を失ってしまった場合は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療について検討してみてください。