ショートインプラントとは?メリット・デメリットを解説

ショートインプラントとは?メリット・デメリットを解説

インプラントは、審美性・機能性ともに優れており、歯を失った場合の選択肢として多くの方から選ばれています。

ですが、インプラントにしたいと歯科医院で相談したところ、あごの骨の量が足りないなどの理由から治療を断られてしまった方もいるでしょう。

そういった方もショートインプラントなら治療できる可能性があります。ここではショートインプラントとは何か、どういったメリット・デメリットがあるのか紹介します。

ショートインプラントとは

ショートインプラントとは、通常のインプラントと比較して短いインプラントのことをいいます。一般的なインプラントの長さは10mm程度のものが多いのに対し、ショートインプラントは8mm以下なのが特徴です。

なお、すべてのメーカーでショートインプラントを取り扱っているわけではありません。治療を希望する歯科医院で確認が必要です。

インプラントはあごの骨に穴をあけて埋入していく形になるのですが、あごの骨が不足しており、インプラント治療ができない方もいます。

こういったケースでは事前に骨造成手術であごの骨の量を増やさなければなりませんでした。ですが、ショートインプラントは通常と比較して短い分、求められるあごの骨の量も少なくなります。

通常のインプラントでは骨造成手術をしなければインプラント治療が難しい方でも、ショートインプラントを選択することにより治療が可能になるケースもあります。

なお、機能性や寿命については一般的なインプラントと変わりありません。

ショートインプラントのメリット

ショートインプラントのメリットショートインプラントには、多くのメリットがあります。なかでも代表的なメリットは、以下の3つです。

体への負担が少ない

骨造成手術を行う場合、術後に腫れや痛みが出てしまうことも少なくありません。ショートインプラントは骨再生治療をすることなくインプラント治療が可能であるため、骨再生治療を行うのに比べて体への負担を抑えられます。

骨再生治療を行っても十分な骨の量が確保できない方でも、ショートインプラントであれば適用となることがあります。

費用を抑えられる

骨造成手術を行わずに済む分、体への負担だけではなく費用も抑えられます。骨造成手術にはいくつか種類がありますが、治療法によっては30万円を超えるケースもあります。

その分の費用がかからないことになるので、インプラント治療にかかる総合的な費用を抑えることが可能です。

細かい角度の調整が可能

ショートインプラントは通常のインプラントと比較して角度を調整しやすいのが特徴です。

インプラントをあごの骨に埋入する際には、神経や血管を傷付けないように注意しなければなりません。

ですが、神経や血管が複雑に枝わかれしているような方もおり、そういった場合は治療が難しくなってしまいます。角度を調整しやすいショートインプラントであれば、神経や血管を避けやすくなるメリットがあります。

ショートインプラントのデメリット

ショートインプラントのデメリットショートインプラントにもデメリットはあります。特に注意したいのが、審美性の問題と、場合によっては骨再生・骨移植を行わなければならないケースがあることです。

それぞれについて紹介します。

審美性が悪い場合がある

ショートインプラントの場合、通常のインプラント治療と比較して審美性の問題が出る可能性があります。ショートインプラントは骨再生治療を行うことなく治療する形になりますが、骨再生治療で骨を増やすと、歯茎のラインを整えることが可能です。

そのため、骨再生治療をせずにインプラント治療を受けた場合、歯茎のラインが審美的とはいえない状態になることがあります。

また、被せ物の形が不自然になってしまうような場合もあります。このことから、目立つ前歯ではなく、見えにくい奥歯などの治療に適した方法です。

骨再生・骨移植が必要な場合がある

ショートインプラントは、骨再生治療を行うことなくインプラント治療できるのが魅力の治療法ではありますが、場合によっては骨再生・骨移植が必要なことがあります。

例えば、あまりにも骨の量が少なく、ショートインプラントを埋入するのに必要な骨の量が足りないようなケースです。

ショートインプラントは一般的なインプラントが埋入できないような方でも選択できますが、すべての方に対応している治療法ではありません。口腔状態や骨の硬さのほか、噛み合わせなど、さまざまな条件が整っている場合に選択可能です。

骨が足りない場合に適した治療法

骨が足りない場合に適した治療法一般的なインプラント治療で使われているものよりも短いのが特徴的なショートインプラントについて紹介しました。ショートインプラントであれば、通常よりも骨の量が少なくてもインプラント治療できる可能性があります。

ただ、すべてのケースで適用になるわけではないので、ショートインプラントによる治療が可能かについては歯科医院で相談してみてください。