なぜ重要?インプラント治療における仮歯の役割と注意点を解説

なぜ重要?インプラント治療における仮歯の役割と注意点を解説

インプラント治療で使われる仮歯の役割や、仮歯期間中に気をつけるべき注意点について解説してきます。

インプラント治療中の仮歯には、見た目を整えるだけでなく歯並びや噛み合わせを維持したり、患部を細菌感染から保護したりするための役割もあります。

今回の記事でご紹介する仮歯期間中の注意点を守り、スムーズにインプラント治療を完了させられるようにしましょう。

なぜ重要?インプラント治療における仮歯の役割とは

インプラント治療中には人工歯を装着するまでの間、「仮歯」と呼ばれる仮のプラスチック製人工歯が装着されます。この「仮歯」は単なる一時的なカバーというだけではなく、次のような役割を持つ大切な存在です。

見た目を維持する

まずインプラント治療で人工歯を装着するまでの間、口元の美しさを維持するための役割を担うのが仮歯です。

人工歯装着までの間、仮歯がなければ歯が無い状態になってしまいます。それでは審美的に口元が気になるという方も多いでしょうから、仮歯を入れて見た目の美しさを維持します。

歯並び・嚙み合わせを維持する

インプラント治療における仮歯の役割は見た目を整えるだけでなく、歯や口の機能性を維持することにもあります。仮歯は歯並びやかみ合わせの正しさを維持するためにも大きな役割を果たす存在です。

歯が抜けたままになっていると、自然と他の歯は歯が抜けた部位に偏ってきて、歯並びや噛み合わせが変わってきてしまうことがあります。

インプラント治療が完了するまでの間、ずっと歯が抜けた状態になっていると歯並びが変化してしまう可能性があるため、現状の歯並びを維持するために仮歯が活躍してくれるのです。

患部を細菌から守る

最後にご紹介する仮歯の役割は、インプラント治療中の患部を細菌から守ってくれることです。インプラント治療中に歯茎や歯肉に細菌による炎症が起きると、埋め込んだインプラント体が骨に結合しにくくなってしまいます。

そのため仮歯は患部への「蓋」となり、細菌の感染から守るという役割も果たします。

仮歯期間中の注意点

仮歯期間中の注意点仮歯は一時的なものではありますが、インプラント治療が完了するまでの間、歯並びや噛み合わせを正しく保ち、細菌から患部を守るための大切な役割を担う存在です。次のような注意点を意識して、仮歯が破損したり脱落したりしないように気をつけましょう。

硬い食べ物・粘着性の高い食べ物は控える

仮歯期間中はまず、食べ物に注意して破損を防ぎましょう。おせんべいやたくあんなどの硬い食べ物、ガムやキャラメルなどの粘着性の高い食べ物は仮歯の破損や脱落に繋がるためなるべく控えるようにしてください。

プラスチックでできている仮歯は天然歯やインプラント上部構造のように強度が高くありません。なるべく噛みやすい食べ物を中心に食べるように心がけましょう。

優しく丁寧に磨く

毎日の歯みがきもいつも通りしていると、仮歯が傷ついてしまう恐れがあります。仮歯期間中は優しく、丁寧にブラッシングをすることが基本。しっかりとブラッシングをすることは大切ですが、天然歯よりも力を入れず丁寧に磨くようにしてください。

外れた場合にはすぐにかかりつけ医に相談する

もし仮歯がインプラント治療中に取れてしまったら、できるだけ早めに担当の歯科医師に相談するようにしましょう。

仮歯は簡単に外れるものではありませんが、ここまでで解説してきたように、硬い食べ物や粘着性の食べ物を食べたり、ブラッシングを強くしすぎたりすると外れてしまうこともあります。

仮歯が外れたまま放置しておくと、細菌感染による炎症が起こったり、インプラント体の結合が遅れたり、歯並びが悪くなったりしてしまうことが考えられます。

もし仮歯が外れたらそのまま放置せず、すぐにインプラント治療を受けている歯科医院に相談し適切な処置を受けることが大切です。

手術当日に仮歯を入れられる「即時負荷インプラント」もある

手術当日に仮歯を入れられる「即時負荷インプラント」もあるインプラント治療を行っている歯科医院の中には、「即時負荷インプラント」というインプラント治療当日に人工歯を入れられる治療を行っているところもあります。

一般的なインプラント治療では、インプラント体を歯茎に埋め込んでから3~6ヶ月後に天然歯の代わりとなる上部構造入れるのが一般的ですが、「即時負荷インプラント」ではインプラント体を埋め込んだ当日に上部構造を入れることができます。

「即時負荷インプラント」は顎の骨や噛み合わせが条件に一致したときしか選択できませんが、仮歯期間がなくなるため治療のスムーズさを重視したいという方にとっては良い選択肢のひとつでしょう。

インプラント治療中の仮歯の役割は絶大

インプラント治療中の仮歯の役割は絶大仮歯期間のない「即時負荷インプラント」という治療法もありますが、一般的なインプラント治療において仮歯の役割は大きいと考えられます。

見た目の美しさを維持するだけでなく、歯並びや噛み合わせを維持したり、患部を細菌感染から守ったりとさまざまな役割を果たすのが仮歯。

さまざまな役割を担う仮歯を装着している期間は、注意点を守り、仮歯を大切に扱うようにしてください。一般的なインプラント治療では、仮歯の存在が治療完了までの口内環境を守る存在となります。