インプラント治療中の喫煙は避けたほうがよい?

インプラント治療中の喫煙は避けたほうがよい?

喫煙していると様々な健康リスクが高くなってしまい、インプラント治療も非喫煙者に比べて失敗する可能性が高くなります。他にも喫煙がインプラント治療に悪影響をおよぼしてしまうことがわかっているので、注意が必要です。
具体的にどのような関係性があるのか、いつまで禁煙すべきなのかなどについてご紹介します。

インプラント治療と喫煙の関係

インプラント治療と喫煙の関係インプラント治療をする際、口の中はできるだけ衛生的な状態にしておかなければなりません。しかし、タバコを吸うと口の中が不衛生になってしまい、このことがインプラント治療に悪影響をおよぼしてしまうケースがあるのです。

喫煙によって粘膜に慢性的な炎症が発生すると、粘膜創の治癒不全が起こってしまい、インプラント治療の成功率を低くしてしまいます。

非喫煙者に比べ、喫煙者はインプラントの失敗リスクが10%高いともいわれるほどです。実際に、海外で行われた研究の中で、非喫煙者の失敗リスクが4.76%だったのに対し、喫煙者は11.28%と明らかに失敗率が高くなったと報告されています。

参考:National Library of Medicine:The association between the failure of dental implants and cigarette smoking

それだけではありません。以下のような心配もあります。

白血球の活動を抑制し感染のリスクが高まる

タバコに含まれているニコチンは、免疫系統中で特に大切な因子とされている白血球の働きを抑制してしまいます。白血球は、インプラント治療で発生した炎症などを治癒する過程においても重要なものであり、白血球がきちんと働いてくれないと炎症が長引き、その分感染症のリスクが高くなってしまうのです。感染症リスクのことを考慮すると、喫煙者がインプラント治療を行うのは危険と言えます。

血流不足により骨との癒合不全

一般的に、インプラントは2回手術を行う「2回法」と呼ばれる方向で治療を行います。1回目の手術で歯肉を切開してあごの骨にインプラント体を埋入したら、インプラント体が骨と結合するのを待って2回目の手術を行うのが基本的な流れです。つまり、インプラント体と骨が結合しなければ2回目の手術はできません。

しかし、タバコに含まれているニコチンには、末梢の毛細血管を収縮させる働きがあり、骨とインプラント体が結合するのを邪魔してしまうのです。更に、毛細血管が収縮すると体内の酸素運搬がうまくいかなくなってしまうことから、傷が治りにくくなってしまいます。

参考:(PDF)日本歯科医学会編:歯科インプラント治療指針[PDF]

唾液の減少により歯周病の可能性

喫煙をすることにより、通常よりも唾液の分泌量が減少してしまいます。唾液は、食べかすなどを洗い流す働きがあるほか、口の中が乾燥するのを防ぎ、細菌などが繁殖するのを抑える非常に重要なものです。唾液が少なくなってしまうと口の中を清潔に保つのが難しくなり、歯周病リスクも高くなります。

歯周病の原因菌はインプラント周囲炎と呼ばれるトラブルの原因菌でもあることから、歯周病の状態がひどいとインプラント治療ができません。先に歯周病を完治させるか、完治に近い状態まで持っていかなければならないため、それからインプラント治療をするとなると総合的な治療期間が長くなってしまうのです。
また、喫煙しながら歯周病の治療をしても非喫煙者に比べて時間がかかり、効率が悪いといえるでしょう。

このように、喫煙はインプラント治療に様々な悪影響をもたらします。

インプラント治療が終了しても禁煙すべき?

インプラント治療が終了しても禁煙すべき?インプラント治療を受けるために、治療前や治療中だけがんばって禁煙しているという方もいますが、できることなら治療終了後も禁煙すべきです。
治療終了後に喫煙を始めてしまうと、先述したように傷口を治す働きが弱くなるほか、唾液が減少して口内環境が悪化しやすくなります。歯肉が炎症を起こしてしまうこともあるほか、口腔内の感染症リスクも高くなってしまうのです。

喫煙は、インプラントだけでなく、総合的な健康面で考えても百害あって一利なしといえるものなので、インプラント治療を検討しているのならこの機会に禁煙することを検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、長年の習慣になっている方などはやめようと思って簡単にやめられるものではないため、禁煙外来で相談することなども含めて検討してみるのがおすすめです。
喫煙を続ける以上、口の中を健康的な状態に保つのは非常に難しくなります。インプラント治療は、その他の歯科治療と比べて安いものではありません。喫煙したことが原因で口内環境が悪化し、結果的にインプラントにも悪影響をもたらしてしまったとなると大変なので、できるだけ理想的な状態を維持していくためにも禁煙に努めましょう。

禁煙するのが理想的

禁煙するのが理想的喫煙はインプラント治療において悪い影響を与えてしまうため、できる限り禁煙することをおすすめします。どうしてもタバコをやめられない場合は医師に相談しながらどのように治療を検討していけば良いのか話を聞いてみてはいかがでしょうか。
喫煙している方に対してはインプラント治療を行わないと決めている歯科医院もあるくらいなので、禁煙について考えてみてください。

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