インプラントの上部構造(被せ物)とは?素材や選ぶ際の注意点を紹介

インプラントの上部構造(被せ物)とは?素材や選ぶ際の注意点を紹介

インプラントの上部構造に使われる素材ごとの特徴や、部位ごとにおすすめする素材について解説する記事です。

インプラントの上部構造とは、歯の代わりとなる周囲から見える部分のこと。使われる素材により見た目・機能性・価格は変わるため、ご自身の希望にあった素材を選ぶことが大切です。

今回の記事を参考に素材ごとの特徴や選ぶ際の注意点を把握し、ご自身で納得のできるインプラント治療を受けましょう。

インプラントの上部構造(被せ物)とは

インプラントの「上部構造(被せ物)」とは、歯の代わりになる部分のことです。インプラントは顎の骨に埋め込む「インプラント体」、歯の代わりになる人工歯である「上部構造」、上部構造とインプラント帯を接続する「アバットメント」の3つのパーツにより成り立っています。

インプラントの上部構造とは歯の代わりになる最上部の部分で、周囲の人からは上部構造しか見えません。

インプラントの上部構造に使用される主な素材

インプラントの上部構造にはさまざまな素材が使われますが、素材によりその特徴も異なります。ここからはインプラントの上部構造に使用される素材の種類について見ていきましょう。

素材の種類 メリット
ジルコニア 見た目が美しく強度が高い上に変色しづらい
オールセラミック 天然歯と近い見た目であり金属アレルギーの心配がない
ジルコニアセラミックス 天然歯と近く見た目であり強度が高く安価
ハイブリットセラミック 安価でその他の歯へのダメージを軽減できる
メタルボンド 天然歯に近く変色しづらく強度も高く修復しやすい
ゴールドクラウン 耐久性が高く他の歯へのダメージを軽減できる
オーバーデンチャー ズレや痛みが生じにくい

インプラントの上部構造には主に上記のように7種類の素材が用いられますが、素材によりインプラントの見た目や機能性は変わります。

インプラント治療を検討されているなら、ご自身の希望にあったインプラントを実現させるため、上記のような素材の違いを把握しておくことが大切です。

部位ごとにおすすめの上部構造の素材を紹介

部位ごとにおすすめの上部構造の素材を紹介インプラントは上部構造の素材により見た目や機能性が変わります。それではどの素材を選ぶべきなのでしょうか?それはインプラントを入れる部位により変わるため、部位ごとのおすすめ上部構造の素材について解説します。

前歯

まずは前歯をインプラントにするときにおすすめの素材についてご紹介していきます。

  • オールセラミック
  • ジルコニア
  • ジルコニアセラミック

前歯は周囲の人からもよく見える部位なので、見た目が美しい上部構造を選んだほうが良いでしょう。セラミックとジルコニアを使用した上記の3つは見た目の美しさが特徴であり、天然歯と遜色のない見た目に仕上がります。

奥歯

それでは続いて、奥歯をインプラントにするときにおすすめの上部構造を見ていきましょう。

  • オールセラミック
  • ジルコニア
  • ハイブリッドセラミック
  • メタルボンド
  • ゴールド

奥歯は周囲から見えにくい部分なので、前歯よりも選択肢が広がります。

オールセラミックやジルコニア、ハイブリッドセラミックは見た目の美しさを追求される方に、メタルボンドやゴールドは強度や違和感のなさを求める方におすすめの素材です。

奥歯は周囲から見えにくいものの口内の状況により選択肢が狭まることもあるので、ご自身の希望も含め、担当医とよく相談してから上部構造の素材を選ばれることをおすすめします。

上部構造を選ぶ際の注意点

上部構造を選ぶ際の注意点インプラントの上部構造は素材により特徴や価格が変わりますが、価格だけで選ぶことはおすすめできません。選ぶ際には次の2つのポイントを意識するようにしましょう。

総額を確認してから決めること

まず上部構造の価格だけでなく、インプラント治療全体にかかる総額を確認してから上部構造の素材を決めることが大切です。歯科医院によっては上部構造が安価でも、その他の部分が高額になる可能性があるためです。

インプラント治療は自費診療であることが多いため、歯科医院により価格設定は異なります。上部構造と歯科医院を選ぶ際には、インプラント治療にかかる総額を確認することが欠かせません。

満足度とコストパフォーマンスのバランスを考えること

上部構造を安さで選ぶ方もいらっしゃいますが、これから長年使い続けるインプラントですから、満足度とコストパフォーマンスのバランスが良いことを考えて素材を選ぶことをおすすめします。

安価な上部構造を選んだとしても、インプラントの耐久性に問題があったり、ご自身が満足できない素材であったりすれば不満の残る治療になりかねません。

価格の安さも大切ですが、耐久性が低く再治療や作り直しが必要になれば、その都度費用がかかってしまいます。担当の歯科医師と相談しながら価格と機能性、満足度とコストパフォーマンスのバランスを考え、最も妥当だと思われる選択をすることがポイントです。

インプラントの上部構造は慎重に選択を

インプラントの上部構造は慎重に選択をインプラントの上部構造は周囲の人からも見える部品だけに、慎重に選択するようにしてください。安価な素材を選べば機能性や見た目で後悔する可能性もありますが、価格が高ければ負担が大きくなるでしょう。

インプラントの上部構造にはさまざまな種類があり使われている素材によって特徴も異なります。今回の記事でご紹介した内容を参考にしながら、ご自身で納得のいくインプラント治療を受けてください。