失った歯を補う方法としては、インプラントやブリッジ、部分入れ歯などの方法が挙げられます。このうち、審美性にこだわった治療をしたい方から人気なのが、インプラント治療です。
ここでは、審美歯科治療としてインプラントを選択するメリットや審美性を高める方法、インプラント治療にはどの程度の費用がかかるのかなどについて紹介します。インプラント治療が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
審美歯科治療としてのインプラントのメリット
インプラント治療は、歯を失った場合に選択できるその他の治療方法と比較して審美性が高いとして知られています。審美歯科治療としてインプラントを選択するメリットから解説します。
歯根を失っても人工歯を入れられる
インプラント治療は、人口の歯根を埋入し、そこに上部構造と呼ばれる人工歯を取り付ける方法です。そのため、歯根がない方でも人工歯を入れられるのがメリットといえます。
例えば、歯を失った場合に選択される代表的な治療方法として差し歯が挙げられますが、差し歯は歯根が残っている場合でなければ選択できません。
歯がないままの状態だと審美性にかけるため、その他の方法を選択する必要があります。ブリッジや部分入れ歯などもありますが、審美性のことを考えるとインプラントがおすすめです。
歯肉を美しく保ちやすい
インプラント治療であれば、ブリッジや部分入れ歯と比較して歯肉部分を美しく保ちやすいのがメリットです。例えばブリッジの場合、素材に金属が含まれています。この金属イオンが水に溶けて歯茎に色素沈着してしまうと、歯茎が黒ずんで見えてしまうことがあります。
また、歯茎が下がってきたなどの理由からブリッジの内側にある金属が見え、歯と歯肉の境目部分が黒く見えることも多いです。
部分入れ歯やブリッジでは人工歯を支えるためにバネが使われているため、この金属のバネが目立ってしまうのも審美性に欠ける理由といえます。
周りの歯と色や形を合わせやすい
インプラントは、周りの歯と色や形を合わせやすい治療方法でもあります。せっかく治療を行っても周りの歯から見て浮いてしまうと目立ちますが、そういった心配がほぼありません。
見た目が非常に自然なのもインプラントの審美性が高い理由です。
人工歯が変色しにくい
インプラントに取り付ける人工歯は、自然な透明感があるセラミックやジルコニアが選択されることが多く、変色しにくいのが特徴です。長くキレイな色の歯を楽しめます。
インプラントの審美性を高める方法
インプラント治療を受けるだけでも審美性は高まりますが、さらに審美性を高めるには以下の3つのポイントがあります。
事前に虫歯や歯周病を治療しておく
失った歯以外の歯が虫歯だったり、歯周病だったりすると、口腔内全体で見た時の審美性に欠けてしまいます。気になる虫歯や歯周病がある場合は、事前に治療しておきましょう。
特に歯周病の場合、治療を済ませてからでないとインプラント治療が受けられないケースもあります。
顎骨の状態を検査しておく
インプラント治療において高い審美性を引き出すためには、下準備が欠かせません。事前の検査で顎骨の状態をしっかり把握し、適切な治療を行ってくれるような歯科医院を選択しましょう。
人工歯の素材を検討する
選択する人工歯の素材によってどの程度自然か、変色しにくいかなどが異なります。歯科医院で相談しながら検討してみることをおすすめします。
インプラント治療の費用
インプラント1本あたりの費用相場は、32万円~40万円程度です。内訳としては、診断料が1.5万円~5万円、インプラント手術費が15万円~35万円、人工歯手術費が5万円~18万円となります。
一般的に、前歯の方が奥歯と比較して治療費が高くつくケースが多いです。
また、あごの骨が不足している場合などは、骨を増やすための治療も行わなければなりません。なお、インプラント治療は保険が適用されないため、全額自己負担となります。
インプラント治療費用の具体的な相場については『インプラント治療の費用相場を知っておこう』にまとめているので、こちらを参考にしてください。
審美性は医師の腕によっても左右される
インプラントの審美性について紹介してきました。インプラントは審美性に優れた治療法として知られていますが、当然ながら噛み合わせなどについても考えながら治療を進めていかなければなりません。
そのためには、信頼できる医師に相談することが重要です。インプラント治療をしたものの見た目が不自然で審美性に欠けることに悩んでいる方もいるので、インプラントの治療実績が豊富な医師に依頼しましょう。
審美歯科治療にはインプラント以外にもさまざまなものがあるので、気になる方は『審美歯科とは?一般歯科との違い・治療内容・保険適用の有無を解説』をご覧ください。詳しく紹介しています。