インプラント治療におけるGBRとは?流れやリスクを解説

インプラント治療におけるGBR治療の概要とメリット、リスクについて解説する記事です。

骨量が少なすぎるとインプラント治療に支障をきたすため、GBR治療により骨量を増加させる選択がなされる場合があります。GBR治療を行えば骨の再生がはかれ、インプラントの安定性が高まる可能性が高まりますが、感染症や痛み、腫れなどのリスクも背負うことに。

インプラント治療を検討されている方は、同時に行われることがある「GBR治療」についても知識を備えておきましょう。

インプラント治療におけるGBRとは

インプラント治療における「GBR」とは「骨再生誘導法」のことです。インプラントを埋め込むための骨の量が不足している際に、骨を再生させるために行う治療のことを指します。

インプラントは顎の骨に直接挿入するため、骨の量が不足していると治療が行なえません。そこで「GBR」という骨の再生を促すための治療を行い、見た目・機能性ともに優れたインプラント治療を行います。

参照:赤崎栄「(PDF)インプラント埋入と同時GBRの臨床経過観察」日口腔インプラント誌第13巻第4号

GBR治療の流れ

それではGBR治療はどのように行うのでしょうか?一般的な治療の流れについて、治療期間の目安も交えながら解説をしていきます。

STEP1:骨の採取

インプラント治療で行われるGBR治療では、まず元となる骨の採取を行います。骨の採取は下顎から行われることがほとんどです。

STEP2:インプラントを埋め込む

骨の採取が終わったら、先にインプラントを埋め込むための治療を行います。インプラントを埋め込むと、骨の量が足りないことからインプラント体が埋まりきらず表面が露出した状態になりますが、後にGBR治療を行うため問題ありません。

STEP3:骨の充填

骨量が不足している部分に骨の充填を行う段階です。インプラント体が露出している部分が骨が不足している部分ですので、該当部分にSTEP1で採取した骨を粉砕したものや、骨の補填材を設置して顎の骨の再生を促進させます。

STEP4:人工メンブレンで保護

骨の充填を行ったら、人工メンブレンで患部を保護します。インプラント治療におけるGBRでは、コラーゲン生成作用があり歯肉などの再生を促進させる線維芽細胞の侵入を防ぐことにより骨の再生が促される仕組みです。

そのため人工メンブレンで保護し、線維芽細胞の侵入を防ぎながら骨の再生を待つことになります。

STEP5:切開した歯肉を縫合する

人工メンブレンで患部を保護したら、骨の採取や充填の際に切開した歯肉を縫合します。縫合が終わったらそのまま顎の骨が再生されるのを待ちますが、個人差はあるものの再生に必要な期間は4~10ヶ月ほどであることが一般的です。

骨が再生されてインプラントの固定力が高まるまでは、患部を必要以上に刺激しないように安静を心がけましょう。

STEP6:上部構造の装着

GBR治療により骨が再生されインプラントが固定されたら、いよいよインプラント治療の最終段階である上部構造の装着を行います。体内に吸収されないタイプのメンブレンを使用した場合は、同時にメンブレンの除去作業も行われるはずです。

ステップ1の骨の採取からステップ6の上部構造の装着までにかかる期間は半年程度が一般的ですが、前述のように人によっては1年近くの期間が必要とされることもあるでしょう。

GBR治療のメリット・リスク

不足している骨を再生できるGBR治療には、インプラントが難しい症例でも治療を可能にするというメリットがあります。しかしその反面、リスクがあることも知っておかなければなりません。そこで治療を受ける前に、GBR治療のメリットとリスクについて見ていきましょう。

メリット

まずはインプラントにおけるGBR治療のメリットから解説します。

・インプラント治療のために必要な骨量を確保できる
・インプラントの安定性が高まる

GBR治療の最大のメリットは、インプラント治療のために必要な骨量を確保できることです。インプラント治療に適さない症例であっても、GBR治療を行うことにより無理なくインプラントを安定させられるようになります。

顎の骨の量が多くなれば最も適した位置にインプラントを埋入させることができ、安定感が高まることもメリットのひとつ。無理な位置に埋入したときと比べ、完成したインプラントへの違和感が少なくなるはずです。

リスク

GBR治療にはメリットだけでなくリスクも存在します。治療前に知っておきたいGBR治療のリスクについても確認しておきましょう。

・腫れ・痛み・しびれを感じることがある
・感染症のリスクがある
・インプラントとの同時治療で脱落の可能性が高まる

GBR治療は歯肉を切開して行うため、術後1周間前後に渡り腫れや痛み、痺れが感じられたり、感染症に罹患したりするリスクがあります。もし感染症に罹患してしまうと細菌の影響により、反対に骨量が減少してしまうことも。

また日本歯科医学会からは、インプラント治療と同時にGBR治療を行った場合、埋入後のインプラントが脱落しやすくなるとの報告もなされています。GBR治療を先に行うケースでは可能性が低くなりますが、通常よりインプラントの脱落が起こりやすくなるかもしれません。

参照:日本歯科医学会編「(PDF)歯科インプラント治療指針」

インプラント治療におけるGBR治療は慎重に検討を

インプラント治療におけるGBR治療には、骨量を増加させインプラントの安定性を高めるという大きなメリットがあります。しかし同時にリスクも存在しているため、インプラント治療において骨量が少ない場合は、メリットとリスクの両方を把握し慎重に検討することが大切です。