ロケーターインプラントとは?メリット・デメリットや治療の流れを解説

ロケーターインプラントとは?メリット・デメリットや治療の流れを解説

一口にインプラント治療といっても様々な選択肢があるのですが、入れ歯タイプのインプラントとして「ロケーターインプラント」と呼ばれるものがあります。一般的な入れ歯よりも機能性に優れており、様々なメリットがあるとして人気です。

そこで、ロケーターインプラントとはどのような義歯なのか、実際に治療する前におさえておきたいメリットやデメリットなどについてご紹介します。

ロケーターインプラントとは

ロケーターインプラントとは、歯茎(あごの骨)に埋め込んだインプラントと入れ歯を固定するインプラント治療方法のことをいいます。

非常に強固な装着が可能で、安定感に優れているため食事をしている最中にずれたり、外れたりすることはありません。インプラントの分野で定評のあるノーベルバイオケア社が開発しました。

現在使用している入れ歯があり、とても使い心地が良いということであれば、その入れ歯にロケーターインプラントを装着することも可能です。入れ歯のロケーターアタッチメントを、歯茎に埋め込んだインプラントにはめ込むような形になるため、磁石は使いません。

従来は磁石のアタッチメントを使った治療が行われていましたが、今後はロケーターが主流となってくるでしょう

現在使用している入れ歯をそのまま使えるだけでなく、最小2本のインプラントで治療を完了させられるため費用を抑えられることも魅力のひとつ。1本88,000円前後が相場となっているため、手軽に受けられるインプラント治療だと言えます。

ロケーターインプラントのメリット

ロケーターインプラントのメリット
これから主流になってくると思われるロケーターインプラントにはどのようなメリットがあるのでしょうか。治療を検討されている方に向けて、ロケーターインプラントのメリットを解説していきます。

ロケーターインプラントのメリット

これから主流になってくると思われるロケーターインプラントにはどのようなメリットがあるのでしょうか。治療を検討されている方に向けて、ロケーターインプラントのメリットを解説していきます。

入れ歯に対する不便さを解消できる

現在入れ歯を使っているけれど崩れてしまう、ずれた際に痛みを感じてしまう、物を噛みづらいという方がいますが、そういった心配はほとんどありません。

ロケーターインプラントは入れ歯よりも固定力が高いため、ずれてしまうことはほとんどありません。従来型の入れ歯を装着することにより吐き気を感じる方もいらっしゃいますが、面積の小さなロケーターインプラントでは吐き気も軽減されるはずです。

従来のインプラント治療より治療費を安く抑えられる

従来のインプラント治療は1本1本、骨の中にインプラントを埋め込む必要がありました。しかしロケーターインプラントは入れ歯を固定するためのインプラントであるため本数が少なくて済み、結果的に治療費用をず大幅に安く抑えられます

最小2本のインプラントで固定でき、すべての歯をインプラントにすることと比較すると治療費用の差は歴然です。

身体への負担が少ない

1本ずつインプラント治療をする必要がないので、身体への負担を抑えられるのも魅力です。たとえばすべての歯をインプラントにする場合は、該当の箇所の歯肉を切開して、骨に埋め込むインプラントの本数分の穴を開けなければなりません。

歯科治療分野の中では大きな外科手術であるインプラントは、どうしても身体に負担を強いてしまうものです。

しかしロケーターインプラントなら最小2本のインプラントで入れ歯を支えられます。そのため信頼への負担が少なく、高齢の方や体力に不安のある方でも受けやすい治療法です。

清潔感を保ちやすい

取り外して洗うことができるので、通常の入れ歯と同じようにキレイに保ちやすいのもメリットです。通常のインプラントであれば、ご自身で簡単に外すことができません。

そのため磨きにくいところに歯垢や歯石、細菌などが付着しやすい傾向がありますが、取り外せるロケーターインプラントならブラッシングも簡単にでき、口内環境の悪化によるトラブルが引き起こされる確率も低くなるでしょう。

現在使用中の入れ歯を活用できる

現在使用中の入れ歯を加工して、そのまま使い続けられることもメリットでしょう。入れ歯をイチから作り直そうとすると、治療期間が長くなるばかりではなく、入れ歯の製作費用もかかります。

ロケーターインプラントは現在使っている入れ歯を活用することで、治療期間の短縮化と金銭的負担の軽減が可能です。

審美性に優れている

ロケーターインプラントは通常のインプラント治療や部分入れ歯と比べ、審美性にも優れています。たとえば部分入れ歯であれば装着のための金具が必要となり、周囲の人から金具が見えてしまうという問題がありました。

しかしインプラントで入れ歯を固定するようにすれば、金具が見えることもなく審美性がアップします。

ロケーターインプラントのデメリット

ロケーターインプラントのデメリット
ロケーターインプラントのメリットを解説してきましたが、メリットばかりではなくデメリットもあります。治療を検討されているなら、メリットとデメリットの両方を把握してから治療を決断することが大切です。

手術が必要

通常のインプラントも同様ですが、重度の持病を持っている方などには手術が行えない場合があることを知っておいてください。その他、入れ歯といっても、あごの骨にインプラント体を埋め込まなければならないため、その際には外科手術が必要になります。

あごの骨の量が足りていないなど、場合によっては選択できないケースがあるので、まずは検査で状態を確認してもらいましょう。

健康保険の対象外

ロケーターインプラントは通常のインプラント治療と同じく、健康保険は適応されません。全額自己負担になるため、治療費が高額になるのがデメリットです。

失った歯をすべてインプラントにするのに比べると治療費は安くなりますが、従来の入れ歯と比べるとやはり高額となるのがロケーターインプラント。使いやすさとコストのバランスを考えて治療を決断してください。

定期的なメンテナンスが必要

定期的なメンテナンスも必要となることもデメリットと考えられます。メンテナンスを怠った場合には状態が悪化したり、インプラント周囲炎と呼ばれる細菌感染による炎症が起こったりすることがあります。

場合によっては入れ歯が使えなくなることもあるので、メンテナンスの重要性について理解しておかなければなりません。自宅でのセルフメンテナンスを徹底することはもちろん、定期的に歯科医院に行き、メンテナンスを受けるための手間と時間が必要であることも知っておいてください。

ロケーターインプラントの治療の流れ

ロケーターインプラントの治療の流れ
メリットの多いロケーターインプラントはどのように治療を行っていくのか、全体の流れについて簡単にご紹介します。

  1. カウンセリング・術前検査
  2. インプラント埋入
  3. インプラントへのロケーター装着
  4. 入れ歯への留め具埋入
  5. 噛み具合の確認・調整

まずはカウンセリングや術前検査で治療が行えるかどうかを確認し、問題がなければ骨にインプラントを埋め込む手術を行います。

インプラントを埋め込んだら、インプラントにはロケーターを、入れ歯にはインプラントと対になる留め具を装着。留め具がついた入れ歯をロケーターの上に設置するとパチっと固定されます。

実際に入れ歯をロケーターに乗せて固定し、噛み具合の確認や調整を行ったら治療完了です。

ロケーターインプラント治療に向いている人の特徴

ロケーターインプラント治療に向いている人の特徴ロケーターインプラントが向いているのは、次のような方です。

総入れ歯に対して不満を持っている人

総入れ歯は固いものを噛む際にずれたり、簡単に外れたりすることがありますが、ロケーターインプラントであれば、しっかり固定できるのでそういった心配がありません。総入れ歯に対して使いにくさを感じている方にぴったりといえるでしょう。

よく噛んで食事をしたい人

従来のインプラントほどではありませんが、通常の入れ歯に比べると噛む力が強いです。入れ歯にしたために食事が楽しめなくなってしまったと悩んでいる方も、検討してみてはいかがでしょうか。

金銭面の負担を抑えたい人

1本ずつインプラント治療をするのに比べると、大幅に費用を抑えることができます。また、最少4本のインプラントで片顎の人工歯を支えるオールオン4インプラントに比べても安価です。

身体への負担が気になる人

インプラント治療は外科手術であり、治療が難しくなるとそれだけ身体への負担が大きくなります。ロケーターインプラントは最少2本インプラント体を埋め込むだけで片顎の入れ歯を支えることができるので、外科手術をするにあたり体力面に不安がある方などにもおすすめです。

様々な魅力があるロケーターインプラント

様々な魅力があるロケーターインプラントロケーターインプラントの特徴やメリット、デメリットについて解説しました。インプラント治療というと高額、外科手術が必要ということもあり、総入れ歯の方の中には、全部インプラントにすると大変な費用と負担がかかりそうと諦めていた方もいるでしょう。

ですが、ロケーターインプラントであれば、費用と身体への負担を抑えて快適な入れ歯を目指すことができるので、検討してみてはいかがでしょうか。