老後にインプラント治療を受けるデメリットとそれを上回る魅力を解説

老後にインプラント治療を受けるデメリットとそれを上回る魅力を解説

インプラント治療は一般的な虫歯治療などとは異なり、外科手術を必要とします。そのため、条件によっては治療が向いていない方がいるのです。

特に気になるのは年齢に関することではないでしょうか。老後にインプラント治療を受けようと考えている方のため、インプラント治療の年齢制限や、老後に治療を受けるメリット、デメリットなどについてご紹介します。

インプラント治療に年齢制限はあるのか?

インプラント治療を受けるにあたり具体的な年齢制限はないのですが、一般的に治療の対象年齢は20歳~70歳です。20歳未満だとまだあごの骨が発達段階な場合があるため、治療には適していません。

また、インプラント治療はメスを使って歯肉を切開してあごの骨にドリルで穴を開ける治療なので、外科手術に耐えられない高齢の方にも向いていないといえます。

インプラント治療における年齢制限については『インプラント治療に年齢制限はある?』のページで詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

老後にインプラント治療を受けるデメリット

老後にインプラント治療を受けるデメリット
老後に受けるインプラント治療には、いくつかデメリットがあるので注意しておきましょう。主なデメリットは以下の3つです。

インプラントと骨が結合しづらい

インプラントは非常に丈夫で、永久歯に次ぐ第3の歯ともいわれていますが、これはインプラント体があごの骨と結合してしっかり土台になるからです。

しかし、年齢の高い方がインプラント治療を行った場合、インプラントと骨が結合しにくくなってしまうことがあります。これは、免疫力が若い方よりも低く、傷口の治りが遅いことなどが関係しています。

必ずしもインプラントと骨が結合しにくいとはいえませんが、その可能性についても考えておきましょう。うまく結合したかった場合、再手術をしなければならないようなケースもあります。

持病があるとリスクが高くなる

高齢の方は若い方に比べると持病を抱えていることが多いですが、持病の状態によってはインプラント治療が難しい場合があります。

特に骨粗鬆症や乳がんなどで持病の薬を服用している場合は、骨の代謝に悪影響をもたらしてしまう可能性があるため、難しいケースが多いです。

また、糖尿病やがん、心筋梗塞など、持病の状態によっては治療が難しい場合もあります。

細菌感染が起こりやすい

高齢の方は免疫力が低くなっているため、細菌感染リスクが高いです。インプラント治療はメスを使った外科手術を伴う治療法であるため、細菌感染のリスクがあります。細菌感染に十分注意している歯科医院を選ばなければなりません。

治療を受けた60代以上の方はどう感じている?

治療を受けた60代以上の方はどう感じている?
実際にインプラント治療を受けた高齢の方はどのように感じているのでしょうか。公益社団法人日本口腔インプラント学会が公表しているデータを紹介します。

まず「思った以上に違和感がない」と答えたのは、全体だと平均78.1%、60代は82.7%、70代以上は79.8%でした。

「思った以上に噛みごこちが良い」と答えたのは、全体だと67.9%、60代は71.4%、70代以上は78.0%です。60代以降でも治療も受けた多くの方が満足していることがわかります。

参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会「データからみるインプラント」

デメリットを上回る老後のインプラント治療の魅力

デメリットを上回る老後のインプラント治療の魅力
高齢になってからインプラント治療を受けると、デメリットの方が大きいのではと感じてしまった方もいるのではないでしょうか。ですが、デメリットを上回るメリットもあります。主なメリットご紹介しましょう。

食事を楽しむことができる

インプラント治療をすれば自分の歯のように物を噛めるため、楽しみながら食事ができます。入れ歯やブリッジが合わず食事のたびにストレスを感じている方も多いので、インプラントを検討してみてはいかがでしょうか。

会話を楽しむことができる

入れ歯だと違和感が大きく、発音に影響する場合もあることから会話を楽しめないことがありますが、インプラントであればそういった心配がありません。会話を楽しみたいと考えている方にもぴったりです。

見た目を若く保つことができる

インプラントは非常に見た目が自然で、審美性に優れています。見た目重視で検討した際にもインプラントが向いているでしょう。

健康な歯を失うのを防ぐことができる

ブリッジや部分入れ歯など健康な歯を削って支えにして補う方法とは異なり、インプラントは周囲の歯に影響しません。健康な歯に負担をかける方法ではないため、他の歯を失うのを防げます。

認知症の予防につながる

歯が少なくなると認知症のリスクが高くなるとされていますが、インプラントなどの義歯を使用することにより認知症リスクを抑制できる可能性が報告されています。

歯がほとんどない方でも、義歯を使用している方の場合、約4割リスクが抑制されるとの報告もあるため、インプラント治療で認知症の予防につなげましょう。

参考:YAMAMOTO Tatsuo「(PDF)歯科から考える認知症予防への貢献」日口腔インプラント誌第30巻第4号

治療が可能かどうかは検査で判断

治療が可能かどうかは検査で判断
高齢の方は持病があったり免疫力が低かったりするなど、インプラント治療が向いていないケースもあります。しかし、条件を満たしてさえいればメリットも大きい治療法です。

まずは歯科医院で検査を受けてインプラント治療が可能かどうか判断してもらいましょう。自分の歯と同じような感覚で扱える歯科治療に取り組みたい方には特におすすめです。