インプラントの代表的な無痛治療法の特徴と治療の流れを紹介

インプラント治療を行う際、痛みを感じずに治療ができる無痛治療がおすすめです。

局所麻酔だけでも痛みを抑えることはできますが、精神的な不安やストレスを心配しているのであれば、リラックスした状態で治療を受けることができる静脈内鎮静法についても検討してみると良いでしょう。

インプラント治療で検討できる無痛治療について解説します。

インプラント治療にともなう痛みについて

インプラント治療での痛みは、おもに顎の骨にインプラント体を埋め込むために歯肉を切開することによって発生します。

ですが、インプラント治療では麻酔してから手術をすることになるため、しっかり麻酔を打っておけば手術中に痛みを感じるようなことはありません。

実際に治療を開始する前にきちんと麻酔が効いているかを確認するので、心配はいらないでしょう。また、手術時間は20分程度となっているので、何時間も行う治療に比べると体への負担を減らすことができます。

手術後、麻酔が切れてから痛みを感じることはありますが1週間程度で落ち着くケースが多く、その間は痛み止め炎症止めが処方されるので安心です。

インプラントの代表的な無痛治療方法でもある静脈内鎮静法とは?


インプラント治療でよく使われる無痛治療方法といえば、静脈内鎮静法と呼ばれるものです。静脈内鎮静法とはどのような無痛治療方法なのか、特徴や局所麻酔、全身麻酔との違いなどについてご紹介します。

静脈内鎮静法の特徴

静脈内鎮静法とは、点滴を使い鎮静薬や麻酔薬を静脈から注入する方法です。痛みを感じなくさせる局所麻酔と組み合わせて利用します。

インプラント治療はあごの骨にドリルで穴を開け、そこにインプラント体を埋入する治療法です。局所麻酔だけでは意識がはっきりしているので、ドリルで削られている感覚がありますが、静脈内鎮静法を活用すればそういったものもぼんやりします。

静脈内鎮静法には精神的な不安や恐怖といったものを取り除き、落ち着いた状態にさせる効果があるのが特徴です。

麻酔をして治療をするので痛みはないと理解しているものの、どうしても不安に感じてしまう方もいるでしょう。そういった方は治療に関する恐怖心を打ち消すために静脈内鎮静法を利用してみるのがおすすめです。

局所麻酔との違い

多くの歯科医院で一般的に取り入れられている麻酔が、局所麻酔と呼ばれる方法です。局所麻酔を用いる目的は、痛みを軽減させるためです。

外科手術であるインプラント治療は歯茎を切開するなどの治療を行うため、どうしても痛みを感じてしまいます。その痛みを抑えるために用いられるのが局所麻酔です。

しかし、局所麻酔をうっただけでは患者さんの意識ははっきりしています。「痛みはないけれど、メスを入れられる感覚やドリルで削られる感覚がどうしても不安」といった方は、局所麻酔だけでは対応できません。

また、局所麻酔にはリラックスさせる効果もないので、治療中の不安や緊張を抑えたいと考えているのであれば、局所麻酔に加えて静脈内鎮静法を検討してみると良いでしょう。

全身麻酔との違い

全身麻酔は、中枢神経を抑制する効果があり、意識がなくなります。意識がない状態だと自発呼吸ができなくなることから、呼吸管理を行わなければなりません。

静脈内鎮静法の場合、意識はなくならないことから自発呼吸も可能で、呼吸管理は不要です。

また、全身麻酔を行う場合、入院しなければなりません。麻酔が抜けるまでの回復にも時間がかかるためです。静脈内鎮静法の場合は、全身麻酔と比較して早く回復するため、日帰りでの治療にも対応できます。

もちろん静脈内鎮静法もリスクはゼロではありませんが、全身麻酔と比較すると安全性が高いです。

静脈内鎮静法を選択するメリット


局所麻酔だけでなく、静脈内鎮静法も行うことによってどのようなメリットがあるのでしょうか。特に精神的な部分でも魅力が多い方法です。代表的なメリットについて4つご紹介します。

リラックスした状態で手術が受けられる

無痛治療である静脈内鎮静法では、とてもリラックスした状態で手術を受けることができます。ぼんやり意識はありますが、痛みを感じることはありません。半分眠っているような感覚になり、中には実際に眠ってしまう方もいるほどです。

局所麻酔よりも安心感がある

局所麻酔だけでも痛みを抑えることはできますが、治療時にしっかりと意識があるため、治療を行う中で様々な不安を抱えることになります。静脈内鎮静法であれば意識がぼんやりするので、手術中の恐怖を紛らわせることが可能です。

治療を前向きに考えられる

インプラント治療は1回で済むものではなく、何度か行わなければならないのですが、治療に対して不安や恐怖を覚えてしまうと、2回目以降の治療が億劫になるだけではなく、ひどいストレスを感じてしまうケースがあります。

静脈内鎮静法で治療を受ければそういった心配もありません。

治療中の嘔吐反射を抑えることができる

嘔吐反射とは、喉の奥に物を入れた際に「おえっ」と急激に吐き気を感じてしまう反応のことをいいます。歯磨きをしている最中に嘔吐反射を体験したことがある方も多いのではないでしょうか。

この嘔吐反射は個人差が大きいのですが、嘔吐反射がひどい方の場合、インプラント治療が困難になってしまう可能性があります。中には、口の中に少し器具が入るだけでも気持ち悪さを感じる方もいるようです。

静脈内鎮静法で治療をすると感覚が鈍くなることから、嘔吐反射を抑える効果が期待できます。嘔吐反射がひどくて通常の虫歯治療にも苦戦しているような方にとって静脈内鎮静法は大きなメリットがあります。

静脈内鎮静法をおすすめしたい人の特徴

局所麻酔だけでも良いのか、無痛治療である静脈内鎮静法を選択したほうが良いのか悩んでいるのであれば、以下に該当するか確認してみてください。一つでも該当する場合は静脈内鎮静法を選択しておいたほうが安心できます。

歯科治療に苦手意識を持っている人

痛みに弱い方やストレスを感じやすい方は、たとえ局所麻酔をして痛みがなかったとしても、治療に対して不安や恐怖を抱えてしまいます。

一般的な虫歯治療などでも大きなストレスを感じるタイプの場合、静脈内鎮静法を選択しておいたほうが良いでしょう。

「インプラント治療は怖いもの」と認識してしまうと、定期メンテナンスなどもストレスを感じやすくなります。

歯科治療中に具合が悪くなったことがある人

特に体調や治療内容に問題がないにもかかわらず歯科治療中に具合が悪くなったことがある場合、大きな原因は精神的なものです。歯科恐怖症と呼ばれ、中には口の中に治療のための器具が入っただけでも嘔吐反射が起こるケースもあります。

このような状況だと、外科手術が必要なインプラント治療を行うのが難しくなるケースがあるため、静脈内鎮静法を選択しておくと良いでしょう。

治療を短期間で終わらせたい人

痛みがないだけでなくリラックスした状態で治療を受けることができるため、一度に複数の治療を行いやすくなります。

一般的に、歯科治療では一度にたくさんの治療を行うと、精神的なストレスを感じやすくなるため複数回に分けて治療をすることがあるのですが、静脈内鎮静法を選択すればまとめて治療できる範囲が増えるので、結果的に治療期間が短く済むのが魅力です。

仕事が忙しくて定期的に通えない、できる限り歯科医院に通う回数を少なく済ませたいと考えている方におすすめします。

嘔吐反射が強い人

前述したように、静脈内鎮静法を選択することにより嘔吐反射を抑えることができます。嘔吐反射が強いことを自覚している方は、静脈内鎮静法の利用について検討してみてはいかがでしょうか。

嘔吐反射があるけれど大丈夫だろうかと心配になると、安心して治療を受けることができません。あらかじめ静脈内鎮静法について相談しておけば、精神的な心配や不安を抑えることにも繋がるでしょう。

どの程度の嘔吐反射があるとインプラント治療が難しいかは医師の判断によっても変わるので、どうしようか悩んでいる方は相談してみると良いでしょう。

静脈内鎮静法の治療が完了するまでの流れ

代表的な流れをおさえておくと、安心して治療を受けることができるでしょう。以下のように進みます。

  1. 体調の確認
  2. 血圧・呼吸を監視する生体モニターを装着
  3. 点滴による麻酔薬の投与
  4. 口の中に局所麻酔をする
  5. 麻酔が十分に効いてから施術開始
  6. 手術終了
  7. ふらつきなどがなくなるまで診療台で休憩
  8. 十分に回復してから帰宅

点滴で麻酔薬を投与してから10分ほどで効いてきます。治療完了後は十分に回復するまで休むことができますが、休んでも当日は自転車やバイク、車を運転することはできません。

徒歩以外の方法で通院している方は、迎えにきてもらう、タクシーを呼ぶなど、帰宅方法について考えておきましょう。

無痛治療なら歯科治療が怖い方でも安心

インプラント治療に興味があるものの、痛みなどに対して恐怖や不安があり、なかなか施術に踏み切れない方は少なくありません。

麻酔をすれば痛みはないけれど、切られたり、削られたりする感覚に耐えられそうにないといった方も、今回ご紹介した静脈内鎮静法を選択すれば安心です。

不安や恐怖からインプラント治療を避けていた方も、検討してみてはいかがでしょうか。