インプラントの人工歯「メタルボンド」とは?メリット・デメリットを紹介

インプラントの人工歯「メタルボンド」とは?メリット・デメリットを紹介

インプラントは、歯根部にあたるフィクスチャー、歯冠部にあたる上部構造、フィクスチャーと上部構造をつなぐアバットメントの3パーツに分かれています。一般的に被せ物といわれるのは上部構造のことで、歯でいう見える部分です。被せ物には様々な種類がありますが、その1つにメタルボンドがあります。

メタルボンドはどういった被せ物なのか、メリット・デメリットと合わせて紹介します。メリットやデメリットを知ったうえで治療を選択するのは大切なことなので、ぜひ参考にしてみてください。

「インプラントに使用される人工歯「メタルボンド」とは?」

メタルボンドは、内側に金属、外側から見える部分にセラミックを使用した被せ物です。インプラントのほか、差し歯などにもよく用いられます。国内では30年以上使用されていて、今でも多くの歯科医院で採用されています。

メタルボンドのメリット

メタルボンドのメリット
メタルボンドにはどのようなメリットがあるのか、インプラントの人工歯に用いられる他の素材と比較しながら解説します。

変色しにくい

メタルボンドは人工歯にセラミックを使用しているため、変色しにくいのがメリットです。

プラスチックを使用する人工歯は、吸水、膨張を繰り返すため、臭いや汚れがつきやすい性質があります。

一方で、メタルボンドに使用するセラミックは、光沢があり滑らかなため、歯垢や汚れがつきにくいのが特徴です。半永久的に見た目の美しさを保ちたいという方にメタルボンドはおすすめです。

天然歯に合わせやすい

メタルボンドは、すべてセラミックで作られたオールセラミックと比べると、透明感や美しさはやや劣りますが、外側はセラミックなので、自分の歯の色に近づけることができます

また、ブリッジや連結冠など様々なケースで使用できるほか、前歯や奥歯など、ほとんどの部位で使える点もメリットです。

耐久性に優れる

強度が高く、耐久性に優れていることもメリットです。

オールセラミックでは、歯ぎしりなどの癖やスポーツ・事故による衝撃で、歯が欠けたり、割れたりすることがあります。

一方でメタルボンドは、中身のフレーム部分に金属を使用しているため、セラミックの人工歯でありながら、セラミックのデメリットをカバーしています。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方、スポーツをしている方に、耐久性が優れているメタルボンドはおすすめです。

また、修理がしやすいというメリットもあります。万が一、メタルボンドのセラミック部分が欠けてしまっても、内側の金属に破損がなければ、セラミックの補修だけで済むためです。

メタルボンドのデメリット

メタルボンドのデメリット
変色しにくく、耐久性が優れているメタルボンドですが、デメリットもあります。

 

金属アレルギーを引き起こす危険性がある

メタルボンドは内側に金属を使用するため、種類によっては金属アレルギーを引き起こす危険性があります。

金属アレルギーは、溶け出した金属イオンが血液に入り、全身に影響を及ぼすといわれています。金属アレルギーの症状は、背中や手足、全身の皮膚に湿疹が表れるほか、頭痛やめまい、肩こりなど様々です。治療後、経年劣化で金属イオンが溶け出し発症することもあります。金属アレルギーの方は、メタルボンドを避けるようにしてください

しかし、メタルボンドの中身に貴金属を使用することでアレルギーのリスクを抑えることは可能です。貴金属とは、イオン化しにくく、さびにくい金属のことで、金や銀、銅、プラチナなどがあります。

金属アレルギーのリスクがない、メタルボンド以外のインプラントの上部構造には、100%セラミックを使用するオールセラミックや、フレーム部分に人工ダイヤモンドを使用するジルコニアセラミックなどがあります。金属に不安がある方は医師に相談しましょう。

歯茎の変色を引き起こす可能性がある

金属は水分のある場所でイオン化する特徴があり、溶けた成分が歯茎を覆うと、歯茎が変色することがあります。メタルボンドは内側に金属を使用しているため、劣化の度合いによっては歯茎が変色を起こす可能性があります

見た目の美しさを重視する場合は、オールセラミックの人工歯を選ぶといいでしょう。

金属が見えることがある

使用する部位や見る角度によって、内側の金属が見えることがあります。また、加齢などにより歯茎が徐々に下がってくると、歯と歯茎の境目が見えるようになるため、金属部分が見えてしまうことがあります。

変色のしにくさと耐久性で選ぶならメタルボンド

変色のしにくさと耐久性で選ぶならメタルボンド
<br />
” width=”698″ height=”466″ class=”alignnone size-full wp-image-3116″ /><br />
メタルボンドのメリットやデメリットについて解説してきました。</p>
<p>メタルボンドのメリットは、変色しにくいことや、天然歯に合わせやすいこと、耐久性に優れていることがあげられます。そのため、<span class=変色のしにくさと強度を重要視したい方におすすめです。

一方でデメリットは、金属アレルギーや歯茎の変色、金属が見える可能性があることです。内側を金などの貴金属にすることでアレルギーのリスクは抑えられますが、金属アレルギーのある方は歯科医師への相談が必要です。

メタルボンドのメリットとデメリットをよく知ったうえで、他のインプラントの上部構造と比較して決めるといいでしょう。

インプラントの上部構造についてさらに詳しく知りたい方は『インプラントの上部構造(被せ物)とは?素材や選ぶ際の注意点を紹介』で紹介しているのでぜひ参考にしてください。