歯ぎしり・食いしばりがある人のインプラント治療について

歯ぎしりや食いしばりの癖がある人が、インプラント治療を行うと、インプラントに大きな負荷がかかることになってしまいます。しかし、ほとんどのケースでは歯ぎしりや食いしばりがあってもインプラント治療は可能です。
歯ぎしり・食いしばりとはどういったものでどのような影響があるのか、インプラント治療をする際に必要な対処はなにかなどについて解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは?

歯ぎしりとは、寝ているときのように無意識の状態で歯と歯をすり合わせる行為をいいます。原因としてはストレスや歯並びが関係していると考えられているのですが、まだまだわからない点が多いことに加え、自覚症状がない方が多いので診断は難しいといえるでしょう。

横方向には歯をすり合わせるグライディングのほか、上下の歯を噛み締めるクレンチング、カチカチと音を鳴らしながらかみ合わせるタッピングが代表的です。クレンチングは食いしばりのことでもあり、寝ている時だけでなく、日中、無意識のうちに行ってしまうことがあります。
また、グライディングやタッピングは音を立てるので周囲から指摘されて気づくことが多いのですが、クレンチングは音がしないので、自分自身はもちろんのこと、周囲も気づけないケースが多いです。

歯ぎしりや食いしばりが習慣化してしまった場合、あごに大きな力が加わることになり、顎関節症に繋がったり、顔面痛が起こったりすることも珍しくありません。更には筋肉が緊張し、頭痛や肩こりなどの症状に繋がる恐れもあります。

参考:e-ヘルスネット(厚生労働省):歯ぎしり

歯ぎしり・食いしばりをする人はインプラント治療可能?

普段から歯ぎしりをしていると、インプラント治療ができないのではないかと考えてしまいますが、基本的には歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも、インプラント治療は可能です。

そもそも、なぜ歯ぎしりや食いしばりの癖がある人はインプラントが難しいとされているのかというと、インプラントには歯根膜がないことが大きな原因といえます。歯根膜とは、何か物を噛んだりした際にクッションのような役割を果たす薄い膜のことです。
歯根膜があるからこそ歯やあごは衝撃から守られているのですが、インプラント治療が必要なケースというのは一般的に天然の歯が抜けてしまった状態であり、そのときに一緒に歯根膜も失われてしまいます。

歯根膜がない状態で歯ぎしりなどによって歯や顎に大きな負担がかかるとインプラントが破損してしまう可能性があるため、インプラント治療は向かないとされているのです。しかし、その負担を抑えるための対策をとることができれば、インプラント治療が選択できるケースがあります。

歯ぎしり・食いしばりの対処法はある?

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方がインプラント治療を行う場合、以下の2つの方法で対策を検討してみてください。

ナイトガードを使用する

ナイトガードとは、マウスピースのことです。柔らかい素材で作られたマウスピースを就寝時にはめて寝ることにより、歯ぎしりをした際にインプラントにかかる負担を抑えることができます。
素材によってソフトタイプとハードタイプがあり、現在の歯ぎしりや食いしばりの状況から見て最適なものを判断してもらいましょう。

かなり強い力で歯ぎしりをしている場合は、比較的短期間でナイトガードが壊れてしまうことがあるのですが、保険が適用されるので作成のための費用はそれほどかかりません。
注意点として、寝ている間は唾液の量が少ないことからナイトガードが汚れやすいので、毎日丁寧に洗って清潔に保つようにしましょう。ナイトガードが汚れていると細菌が繁殖しやすく、炎症などにつながってしまう恐れもあります。

矯正治療を行う

歯ぎしりや食いしばりの原因はまだはっきりしていませんが、要因の一つとして考えられているのが噛み合わせの悪さです。そのため、噛み合わせに問題を感じている方は、歯並び改善のための治療について検討してみてはいかがでしょうか。
前述したナイトガードを使用した方法はあくまで対症療法なので継続しなければいけませんが、噛み合わせを改善することによって歯ぎしりをすることがなくなれば、ナイトガードを使う必要もなくなります。

矯正治療の検討をする際に良く考えておきたいのが、基本的に矯正治療は自費診療にあたるということです。保険を適用することができないため全額自己負担となります。インプラント治療も自己負担の治療であるため、どちらも行うとなると費用の面で不安がある方も出てくるでしょう。また、矯正治療には長い期間がかかるので、総合的な治療費や治療期間についても確認した上で検討してみてください。

まずは歯科医院で相談

歯ぎしりや食いしばりといっても、どの程度の力で行っているのかは個人差が大きいです。天然歯が大きく削れるほど力を入れている方もいれば、ほとんど影響がないような方もいるので、まずは歯科医院で状況を確認してもらいましょう。
基本的にインプラント治療は可能ではありますが、ご紹介したようにナイトガードなどで対応しなければならないケースもあるので、こちらも含めて相談してみてください。