歯ぎしり・食いしばりがある人のインプラント治療について

歯ぎしりや食いしばりの癖がある人が、インプラント治療を行うと、インプラントに大きな負荷がかかることになってしまいます。しかし、ほとんどのケースでは歯ぎしりや食いしばりがあってもインプラント治療は可能です。

歯ぎしり・食いしばりとはどういったものでどのような影響があるのか、インプラント治療をする際に必要な対処はなにかなどについて解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは

歯ぎしり・食いしばりとは
歯ぎしりも食いしばりも、インプラントに良くないだけでなく、あごや歯に負担をかけてしまう行為です。どちらもまだ詳しい原因は解明されていません。

ですが、ストレスや歯並び、噛み合わせなどが大きく関係しているのではないかと言われています。歯ぎしり・食いしばり糖は、それぞれどのようなものなのかからご紹介しましょう。

歯ぎしり

歯ぎしりとは、寝ている間に無意識で行う上下の歯を横にすり合わせる行為のことです。そのため、自分自身で歯ぎしりしていることに気付いていない方も多いです。家族から指摘され、自覚している方もいるでしょう。

歯ぎしりは、大きく分けて3種類あります。歯の擦り合わせ行為である一般的な歯ぎしりともいえるグラインディング、上下の歯を噛み締めるクレンチング、上下の歯をカチカチと噛み合わせるタッピングです。

タッピングは他の2種類に比べると、珍しいタイプの歯ぎしりだといえます。また、グライディングはギリギリと音がしますが、クレンチングは音がしないため、自分も周囲も気づけないことが多いです。

食いしばり

食いしばりは前述したクレンチングに該当する行為です。歯ぎしりは寝ているときに行うのが一般的ですが、食いしばりは日常生活の中で行うこともあります。例えば、ストレスを感じた時や重いものを持つときなどに食いしばりの癖が出る方もいます。

もし、日常生活で食いしばりを自覚しているのであれば、意識的にやめるようにしましょう。ただ、寝ている間の食いしばりは歯ぎしりと同じく無意識で行うものなので、なかなか改善が難しいです。

歯ぎしりや食いしばりが習慣化した場合は、顎に大きな負担がかかることから顎関節症に繋がったり、顔面痛が起こったりすることも珍しくありません。更には筋肉が緊張し、頭痛や肩こりなどの症状に繋がる恐れもあります。

歯ぎしり・食いしばりをする人はインプラント治療可能?

歯ぎしり・食いしばりをする人はインプラント治療可能?
普段から歯ぎしりをしていると、インプラント治療ができないのではないかと考えてしまいますが、基本的には歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも、インプラント治療は可能です。

そもそも、なぜ歯ぎしりや食いしばりの癖がある人はインプラントが難しいとされているのかというと、インプラントには歯根膜がないことが大きな原因といえます。歯根膜とは、何か物を噛んだりした際にクッションのような役割を果たす薄い膜のことです。

歯根膜があるからこそ歯やあごは衝撃から守られているのですが、インプラント治療が必要なケースというのは一般的に天然の歯が抜けてしまった状態であり、そのときに一緒に歯根膜も失われてしまいます。

歯根膜がない状態で歯ぎしりなどによって歯や顎に大きな負担がかかるとインプラントが破損してしまう可能性があるため、インプラント治療は向かないとされているのです。

しかし、その負担を抑えるための対策をとることができれば、インプラント治療が選択できるケースがあります。

歯ぎしり・食いしばりの対処法はある?

歯ぎしり・食いしばりの対処法はある?
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方がインプラント治療を行う場合、以下の2つの方法で対策を検討してみてください。

ナイトガードを使用する

ナイトガードとは、マウスピースのことです。柔らかい素材で作られたマウスピースを就寝時にはめて寝ることにより、歯ぎしりをした際にインプラントにかかる負担を抑えることができます。

素材によってソフトタイプとハードタイプがあり、現在の歯ぎしりや食いしばりの状況から見て最適なものを判断してもらいましょう。

かなり強い力で歯ぎしりをしている場合は、比較的短期間でナイトガードが壊れてしまうことがあるのですが、保険が適用されるので作成のための費用はそれほどかかりません。

注意点として、寝ている間は唾液の量が少ないことからナイトガードが汚れやすいので、毎日丁寧に洗って清潔に保つようにしましょう。ナイトガードが汚れていると細菌が繁殖しやすく、炎症などにつながってしまう恐れもあります。

矯正治療を行う

歯ぎしりや食いしばりの原因はまだはっきりしていませんが、要因の一つとして考えられているのが噛み合わせの悪さです。そのため、噛み合わせに問題を感じている方は、歯並び改善のための治療について検討してみてはいかがでしょうか。

前述したナイトガードを使用した方法はあくまで対症療法なので継続しなければいけませんが、噛み合わせを改善することによって歯ぎしりをすることがなくなれば、ナイトガードを使う必要もなくなります。

矯正治療の検討をする際に良く考えておきたいのが、基本的に矯正治療は自費診療にあたるということです。保険を適用することができないため全額自己負担となります。

インプラント治療も自己負担の治療であるため、どちらも行うとなると費用の面で不安がある方も出てくるでしょう。また、矯正治療には長い期間がかかるので、総合的な治療費や治療期間についても確認した上で検討してみてください。

インプラント以外にも?歯ぎしり・食いしばりのリスク

インプラント以外にも?歯ぎしり・食いしばりのリスク
歯ぎしりや食いしばりはインプラントに悪影響をもたらすだけでなく、他にも様々なリスクが考えられます。代表的なリスクについて6つご紹介します。

歯の摩耗

歯ぎしりや食いしばりを行うと、歯に大きな圧力をかけることになるため、歯の摩耗に繋がるリスクがあります。場合によっては100kgを超える力で歯に負担をかけていると言われるほどです。

特に歯ぎしりは意図的に行おうと考えてもなかなかできないほどの力で歯に負担をかけています。長期間にわたって行うほど摩耗も大きくなるため、早めに対策をとりましょう。

噛んだ時の痛み

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、少しずつ歯の表面が削れ、薄くなってしまいます。すると、何かが物を噛んだ際に痛みを感じることがあるのです。

また、歯ぎしりや食いしばりが原因で歯の周囲にある歯根膜と呼ばれる部分が炎症を起こすこともあります。その炎症が起こっている状態で歯や歯茎に負担をかけてしまうと痛みを感じることが多いです。

虫歯の場合は部分的に痛みますが、全体が痛いと感じているのであれば歯ぎしりや食いしばりが原因である可能性を疑いましょう。

虫歯のリスク

歯ぎしりや食いしばりは、歯だけではなく、歯茎にも負担をかけます。歯茎が負担から少しずつ下がった場合、弱い部分が露出し、そこが虫歯になってしまうリスクがあるので注意しましょう。

歯周病のリスク

歯ぎしりや食いしばりの影響によって歯茎が弱ってしまうと、歯周病のリスクも高まります。歯周病は、インプラントに対しても大きな悪影響をもたらすため、十分注意しなければなりません。

あごへの負担

歯ぎしりや食いしばりをすると大きな力であごに負担をかけることになるので、あごの痛みや不調を感じることもあります。中でも顎関節症は代表的なトラブルです。口を開けた時に痛みを感じることもあります。

顎関節症になってしまった場合、大きく口を開けるのが難しくなることもあるので、インプラント治療が難しくなる可能性も考えなければなりません。

インプラント治療は外科手術を伴うため、一般的な虫歯治療などに比べて長く口を開けて治療を受けることも多いです。問題なく治療を進めていくためにも歯ぎしり・食いしばりへの対策が必要だといえます。

頭痛や肩こりの悪化

口の中のトラブル以外にリスクがあることとして、頭痛や肩こりに繋がることがあります。歯ぎしりや食いしばりを行うと、顔周りの筋肉に力が入り、緊張します。すると、周囲に緊張が伝わり、頭痛や肩こりを引き起こしてしまうことがあるのです。

実に様々な悪影響が考えられるため、歯ぎしりや食いしばりの癖があると自覚しているのであれば、早い段階で対策をとるようにしましょう。

まずは歯科医院で相談

まずは歯科医院で相談
歯ぎしりや食いしばりといっても、どの程度の力で行っているのかは個人差が大きいです。天然歯が大きく削れるほど力を入れている方もいれば、ほとんど影響がないような方もいるので、まずは歯科医院で状況を確認してもらいましょう。

基本的にインプラント治療は可能ではありますが、ご紹介したようにナイトガードなどで対応しなければならないケースもあるので、こちらも含めて相談してみてください。