インプラント治療後に注意すべき食事・生活などのポイントを解説

インプラント治療後に注意すべき食事・生活などのポイントを解説

インプラント治療後、インプラントの状態が安定するまでには様々な注意点があります。食べ物や入浴、運動など、日常生活の中で気をつけなければならないポイントが多いので、事前に確認が必要です。

普段通りに過ごしてしまうとインプラントの状態が悪化してしまう可能性があります。何に気をつければ良いのかご紹介するので、参考にしてみてください。

インプラント手術後の生活で注意すること

インプラント治療は外科手術ということもあり、手術後はいくつか気をつけなければならないことがあります。主な注意点についてご紹介しましょう。

食べ物は刺激物を避けて柔らかいものを

インプラント手術後、手術をした場所はケガをしているのと同じ状態なので、できる限り刺激を与えないようにしましょう。特に食事について注意が必要です。硬いものだけでなく、熱いもの、辛いものも傷口を刺激してしまう可能性があるので、状態が落ち着くまでは避けておいたほうが良いです。

インプラントの状態が安定すれば自分の歯と同じように噛むことができるようになりますが、一般的な手術の場合、状態が安定するまでには下あごで2~3ヶ月程度上あごで4~6ヶ月程度かかるとされています。この期間中は食べるものに注意しましょう。

手術部位に過度な刺激を与えない

インプラント治療後は刺激物となる食べ物を避けるだけでなく、手術部位に刺激を与えないようにすることも大切です。手術部位が気になるかもしれませんが、指や舌で触れたり、歯ブラシで強く触ったりすることは刺激となるため避けましょう。

毎日の歯みがきやうがいでは、インプラント治療後1週間から3週間は手術部位に対して刺激がないよう注意してください。ぶくぶくうがいを強くしたり、手術部位に歯ブラシがあたったりしないよう細心の注意を払う必要があります。

もし手術部位に過剰な刺激が加わると、かさぶたが取れたり傷口が開いたりして治癒の速度が遅くなることがあります。ぶくぶくと強いうがいと手術部位へのブラッシングは避け、歯磨き粉をつけずに優しく歯磨きをするようにしましょう。

アルコールを控える

手術後、最低でも1~2日程度、できれば1週間程度はアルコールを控えたほうが良いです。傷口にアルコールが触れてしまうと傷の治りが悪くなってしまう可能性があるだけでなく、感染症のリスクが高まります。

ある程度状態が落ち着いてから適量飲む分には特に問題ないとされていますが、深酒はやめましょう。また、インプラント治療時には抗生物質などの内服薬を処方されるのですが、アルコールと同時に飲んでしまうと正しく効果を発揮できなくなるので注意が必要です。

激しい運動は避ける

インプラントは外科手術なので、手術直後は激しい運動を避けたほうが安心です。運動して体を動かすと血行が良くなることから傷口から出血してしまう恐れがあります。

運動をしたせいで傷口が開いて治癒にかかる時間が長くなってしまうと、その間に感染症にかかってしまう恐れがあるので、注意しなければなりません。

普段頻繁に運動する方も手術直後は控え、最低でも2~3日程度、できれば2週間ほど経過してから身体を動かすようにしましょう。通常の日常生活を送る分には特に問題ありません。

入浴を控える

入浴をすると血行が良くなり、運動したのと同じく出血のリスクが高くなります。短時間シャワーを浴びる程度であれば問題ありませんが、2~3日程度は入浴を控えましょう。

禁煙する

タバコはインプラントに大きな影響を与えるため、できる限り禁煙をおすすめします。タバコを吸うと傷の治りが遅くなるだけでなくインプラントの定着率も下がりますし、感染症のリスクも上がってしまうのです。

更に、インプラントの状態が悪化する大きな原因であるインプラント周囲炎の悪化にもつながるため、おすすめできません。

インプラント手術後に意識したいこと

インプラント手術後に意識したいことインプラント治療後には、以下のようなことに注目してみてください。どちらも必ず守らなければならないポイントです。

処方された薬を飲みきる

インプラント治療後に処方される内服薬としては、痛み止めのほか、化膿止めの役割がある抗生物質が挙げられます。

抗生物質は必ず医師の指示を守り、飲みきれなければなりません。途中でやめたり、指示されたのとは異なるタイミングで飲んだりしても十分な効果を発揮しないので注意が必要です。

抗生物質は口の中の細菌などを抑え、感染症のリスクを低くするために欠かせません。途中でやめたり、飲み方を間違えたりしてしまうと感染症を発症してしまう恐れがあるのです。

痛み止めは必ず飲まなければならないものではないので、痛みが発生している場合に飲みましょう。注意点として、痛み止めを飲んでも効果が現れるまでには20~30分ほどかかります。そのため、痛みがひどくなってから飲むのではなく、痛み始めたタイミングや、手術直後のまだ麻酔が効いているタイミングで飲んだほうが良いでしょう。

口の中を清潔に保つ

インプラント治療後はセルフケアにより、口内を常に清潔な状態に保つことも大切です。食べかすなどが残っていたりすると菌が繁殖する原因になったり、痛みが長引きやすくなったりします。

そこで手術部位以外はより一層丁寧にブラッシングすることを心がけてください。ワンタフトブラシやデンタルリンスを活用するのもおすすめの方法です。

手術部位をブラッシングすると刺激になりかねないため、ブラッシングは周辺だけにとどめましょう。ただしインプラント部位は汚れが溜まりやすいことから、インプラント治療後の痛みが落ち着いてきたら他の部位と同様に丁寧にブラッシングをするようにします。

手術後の注意事項を守る

手術後の注意事項として、様々なことを指示されます。必ずそれを守るようにしましょう。インプラント治療は、手術でインプラントを埋入したらそれで終わりではありません。時間をかけてインプラントがあごの骨と結合し、状態が落ち着くのを持たなければならないからです。

手術後の注意事項を守らずに生活してしまうとインプラントがうまく定着せず、再治療が必要になってしまう可能性があります。安い治療ではないので、できる限り長持ちさせるためにも医師の指導をよく確認し、守りましょう。

インプラント治療後の痛みはどのくらい続く?

インプラント治療後の痛みはどのくらい続く?

治療を検討しているものの、インプラント治療後の痛みがどれくらい継続するのか不安だという方もいらっしゃるでしょう。インプラント治療後の痛みは一般的に、1週間前後で落ち着くことが多いとされています。

痛みの強さや継続期間は手術内容により異なりますが、術後36~48時間後に最も痛みが強くなり、1週間ほどかけて少しずつ和らいでいくのが通常です。

インプラント治療後はやはり痛みが感じられることが多いものの、処方される痛み止めなどを服用すれば軽減されることが多いはず。そのまま服用を続け、1週間ほど経過すれば自然と痛みはおさまっていくでしょう。

ただし手術部位の違和感・不快感は1週間以上続くこともあります。違和感・不快感がなくなる目安は、抜歯が終了するころ。痛みはすぐに治まったもののおかしな感覚が残る場合も、ほとんどの場合は一過性のものです。

インプラント治療後の痛みが止まらない場合は?

インプラント治療後の痛みが止まらない場合は?

インプラント治療後の痛みは1週間ほどで治まることが多いものの、まれに1週間を経過しても痛みが改善されないことがあります。もし痛みが長引く場合は、次のように対応しましょう。

鎮痛剤で痛みをおさえる

インプラント治療後の痛みに対する直接的な対処法は、鎮痛剤を用いることです。歯科医院に相談すれば処方薬を出してもらえるでしょうが、市販の鎮痛剤を服用しても構いません。痛みが長引きつらいようなら、まずは鎮痛剤で痛みを抑えましょう。

口内を清潔に保つ

次に、口内を清潔に保つことも重要です。口内に残る食べかすは細菌の餌になり、細菌の増殖を促します。インプラントの周囲に細菌が感染すると炎症を起こす可能性もあるため、手術部位以外の場所を丁寧にブラッシングして、常に口内を清潔に保つようにしてください。

手術部位に過度な刺激を与えない

ブラッシングで口内を清潔にすることは大切ですが、手術部位に過度な刺激を与えないことにも注意しましょう。

ブラッシングの際には手術部位を避け、硬い食べ物・熱い食べ物などで刺激を与えないようにします。インプラント治療後はおかゆやぬるめのうどんなど、刺激の少ない食べ物を摂るように心がけてください。

インプラント治療成功のために注意点は守ろう

インプラント治療成功のために注意点は守ろう
インプラントは虫歯の治療などとは異なり外科手術であるため、成功させるためには注意点をしっかりと守らなければなりません。普段のように生活してしまうと、傷口がなかなか治らなかったり、インプラントの定着率が低くなったりする可能性も。

インプラント治療後の痛みを早めに改善し、その後も快適に使い続けるためには日常の生活習慣や食事に気をつけるようにしてください。定期メンテナンスを受けながら過度のアルコールや喫煙、激しい運動を避けるようにし、口内を清潔に保てるよう丁寧にブラッシングを行いましょう。

インプラント治療後の痛みは1週間で治まることがほとんどですが、あまりに長引くようであれば歯科医院に相談し適切な対処を行うことが大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です