デンタルローンは、歯科治療において利用できるローンのことであり、高額になりがちな治療を受ける際に大変役立ちます。検討している治療があるものの治療費の問題があってなかなか選択できずにいる方も検討してみてはいかがでしょうか。
どのようなメリットがあるのか、注意しておかなければならないポイントは何かなどについてご紹介しましょう。
デンタルローンとは?
デンタルローンとは、歯科治療を行う際に利用できるローンのことです。一般的な虫歯治療などは健康保険を適用することができますが、歯科医院で行う治療の中にはインプラントや矯正、審美歯科など、保険の対象外のものがあります。
全額自己負担という形になると治療費が高くついてしまい、選択できなくなる方もいるため、そういった場合にデンタルローンを利用してみると良いでしょう。
デンタルローンを利用するためには、先に信販会社の審査を受ける必要があります。審査に通れば信販会社が歯科医院に対して治療費を立替払いしてくれるので、患者は治療費に手数料をプラスされた金額を分割で返済していく形です。
失った歯をカバーする方法として人気の高いインプラント治療も治療費が高くなってしまいがちですが、デンタルローンが利用できれば月々の費用負担を抑えて治療を受けることができます。
一般的なカードローンとの違い
歯科治療の支払いのために活用されるデンタルローン。一般的なカードローンを用いても良いように感じられるかもしれませんが、デンタルローンは次の3つの点でカードローンと大きな違いがあります。
目的
デンタルローンは名称の通り「歯科治療への支払い」を目的としていますが、カードローンは用途に制限がありません。
つまりデンタルローンは歯科治療の支払いでしか活用できないものの、カードローンであれば融資を受けた額を生計費やショッピング、教育のために使うことも可能です。そのため、デンタルローンの申し込みには歯科医院が発行した領収書などの書類が必要となります。
金利
デンタルローンとカードローンの違いには金利にも現れます。デンタルローンは用途が限定されていますが、その分、一般的にカードローンよりも低めの金利になることが多い傾向です。金利は提供している企業により異なりますが、一般的にカードローンの金利は3.0%~18.0%です。
しかしデンタルローンは3.5%~9.0%程度の金利となり、カードローンより利息が低額になる傾向があるため返済時の負担が少なくなります。
借入額
カードローンは決められた利用限度額内であれば融資金額が上限になるまで、何度でも申し込めます。
しかしデンタルローンは歯科治療に要された金額分しか融資を受けられません。デンタルローンはあくまでも歯科治療で必要となった金額の支払い負担を軽減させるものであるため、治療費以上の金額を融資してもらうことはできません。
デンタルローンを使うメリット
デンタルローンを利用する最大のメリットは、一括払いが困難である高額な歯科治療の支払い負担が軽減されることですが、その他にも多くのメリットがあります。銀行の多目的ローンやカードローンを利用することに比べて、デンタルローンでは次のようなメリットを感じられるはずです。
利用限度額が高く、手数料が低い
多目的ローンと比較して、デンタルローンは利用限度額が高く、なおかつ分割払手数料率が低い傾向にあることが大きなメリットです。
デンタルローンの金利の低さは前述したとおりで、一般的なローンが3.0%~18.0%であるのに対し、デンタルローンは3.5%~9.0%程度に抑えられているため返済時の負担が軽減されます。
支払い回数を自由に選べる
デンタルローンは支払い回数の設定にも柔軟性があり、無理なく歯科治療の使用を支払いたい方に最適でしょう。
支払回数を選ぶことにより月々の返済額を低く抑えることもできるので、金銭的余裕がないために選択できる歯科治療が限られていると悩んでいる方におすすめです。
医療費控除の対象である
デンタルローンの費用は医療費控除の対象となることも大きなメリットです。デンタルローンを活用すると、金利・手数料を差し引いた金額すべてが医療費控除の対象となります[1]。
確定申告にて申請を行えば、所得税の一部が還付されるので金銭的負担がより軽減されるでしょう。
歯科医院の窓口で手続きができる
歯科医院の窓口で手軽に手続きができることもデンタルローンのメリットのひとつ。信販会社や銀行に行く必要もなく、治療を受ける歯科医院の窓口でローン申込書に必要事項を記入するだけで手続きが完了します。
審査はありますが、最短30分程度で審査が終了する場合もあり、基本的に銀行窓口での相談が必要となり、即日融資は受けられない銀行のローンと比較して手軽に利用できることもメリットです。
デンタルローンの申込方法
デンタルローンの申し込み方法はとても簡単で、治療を受けようとしている歯科医院でデンタルローンを用意している場合は、歯科医院を窓口として申し込むことが可能です。申し込みにあたり、パンフレットなどを用意している歯科医院もあるので、詳細を確認してみてください。
以下のような流れで申し込みを行います。
- 1.歯科医院で診察を受ける
- 2.歯科医院の窓口、またはデンタルローンのWEBサイトから申し込み
- 3.審査を受ける
- 4.審査通過後に治療開始
審査を通過しなかった場合は改めて治療をするかどうかについて検討できるので、「審査に落ちてしまったら一括で支払うための現金を用意しなければならない」と心配する必要はありません。
具体的な申し込み方法や、申し込みに必要なものは使用するデンタルローンによって異なるので、直接確認してみてください。
デンタルローンの注意点
デンタルローンを利用する際に、気をつけておかなければならないポイントをご紹介します。
必ず利用できるとは限らない
すべての歯科医院でデンタルローンの取り扱いがあるわけではありません。デンタルローンを取り扱っているかどうかについては事前に確認しておきましょう。インプラントなど、自由診療の取り扱いがある歯科医院は信販会社と提携しているケースが多いです。
審査を通過しなければ利用できない
事前に行われる審査を通過した方でなければ利用できないので、審査に通らなかった場合は別の支払い方法について検討しなければなりません。信販会社によって審査難易度は変わりますが、非正規雇用の方や専業主婦の方、学生の方、過去に支払いを滞納したことがある方は審査を通過するのが難しいとされています。
審査には時間がかかるケースもあるため、すぐに治療を検討しなければならないような方は早めに申し込みを済ませておきましょう。また、審査結果によっては連帯保証人が必要になるケースもあります。
信販会社によって申し込み資格が異なる
申し込み資格は利用する信販会社によって異なるため、事前に確認が必要です。自分が条件を満たしているのか確認したうえで申し込みをしましょう。
デンタルローンはどんな人におすすめなのか?
デンタルローンにはメリットも注意点もあります。それではデンタルローンはどのような人におすすめなのでしょうか?デンタルローンを利用することでメリットが多いと思われるのは次のような人です。
・「安さ」だけで歯科医院や治療方法を選びたくない人
・金銭的余裕がないが今すぐに歯科治療を受けたい人
・無理なく毎月治療費を支払い金銭的負担を軽減させたい人
せっかく歯科治療を受けるなら、安さで選ぶのではなく、信頼できる歯科医院で納得の行く治療方法を選びたい方は多いはずです。しかし金銭的余裕がなかったり、貯金ができるまで待つことなく治療を始めたかったりすることも多いでしょう。また、一括払いで負担を追うよりも、分割払いで毎月無理なく支払っていきたいと考える方もいるはずです。
デンタルローンはそのような方に向いています。貯金がなく歯科治療にあてる資金がなくても、納得の行く歯科医院で無理のない方法で支払いを行いながら、最も受けたいと思える歯科治療を受けるにはデンタルローンが欠かせません。
デンタルローンを利用すれば選択できる治療が増える
自由診療で全額自己負担になる場合、治療の内容によってはかなりの金額になってしまうことがありますが、デンタルローンを利用すれば月々の費用負担を抑えられるので、選択できる治療法が増えます。
見た目や機能性にこだわりたいと考えた時には費用が高くなることが多いので、うまく役立ててみてはいかがでしょうか。
[1]
参照:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」2021年11月26日サイト閲覧