一般的なインプラント治療とドリルを使わない施術の紹介

インプラント治療では一般的にドリルを使用しますが、最近ではドリルを使用しない新しいタイプの治療方法も提供されています。

ドリルを使わない方法である「骨拡大インプラント治療」は患者の体への負担と出血量を最小限に抑え、インプラントの早期定着を目指す治療方法です。

今回の記事では、一般的なドリルを使うインプラント治療と、ドリルを使わない「骨拡大インプラント治療」のメリットを解説します。

インプラント治療では基本的にドリルを使用する

インプラント治療では顎の骨に穴を開けるため、基本的にドリルを使用します。骨に穴を開けるためには致し方ないことではありますが、ドリルにより神経が傷ついてしまったり、不必要に骨を削ってしまったりする医療事故が起こる得ることも確かです。

現状ではインプラント治療ではドリルを使用するのが一般的ではありますが、医療事故を防ぐため、より危険性の少ない治療方法も実践されてきています。

一般的なインプラント治療の流れ

口内の治療にドリルを使うと言えば、不安になられる方もいらっしゃるはずです。それではドリルを使ったインプラント治療では、どのような流れで治療を行うのでしょうか?おおよその流れについて見ていきましょう。

  1. インプラント埋入位置を決定する
  2. 骨にマーキングを行う
  3. インプラントを埋め込む深さまでドリルで骨に穴を開ける
  4. より太いドリルを使って穴を拡張する
  5. 種類の違うドリルを使ってインプラント埋入に適した穴を作る

ドリルを使う一般的なインプラント治療では、穴を開ける位置を決めた後に、まず細いドリルで適切な深さの穴を開けます。

そして次に、先程よりも太いドリルで穴を拡張するようにし、最終的にさらに太いドリルでインプラント埋入のために適切な形の穴をあけるという流れで治療が行われます。

ドリルを使用しないインプラント治療とは

インプラント治療ではドリルを使うのが一般的ですが、最近ではドリルを使用しない「骨拡大インプラント治療」も行われています。

「骨拡大インプラント治療」とはドリルを使わず、手作業で穴を拡張する治療方法です。ドリルを使用することによる医療事故を防ぐために開発されました。

最初に解説したように、治療にドリルを使うことのリスクとして、不必要に骨を削ってしまうことがありました。しかし手作業で穴を拡張する「骨拡大インプラント治療」ではドリルを使わないことから骨を削りすぎてしまうリスクが低く、結果的により安全性の高いインプラント治療を実現します。

ドリルを使用しないインプラント治療のメリット


それではドリルを使用しないインプラント治療にはどのようなメリットがあるのでしょうか?患者が抱きがちなドリルへの恐怖心を和らげるだけでなく、主に次のような4つのメリットが挙げられます。

出血量が少なくて済む

骨拡大インプラント治療には従来のドリルを使う方法と比べ、術中・術後の出血量が少なくなるメリットがあります。

出血量が少なくなる理由は、切開を行わなくても良く、開ける穴が小さくなることから患者の体への負担が軽減されるためです。傷つける骨の量が少なくなれば比例して体への負担も抑えられ、結果的に出血量が少なくなります。

手術時間が短い

手作業で穴を開ける骨拡大インプラント治療ですが、ドリルを使う治療方法よりも手術時間が短くなります。手術時間の長さは患者の体への負担となるため、削る骨の量が少ないこともあわせインプラントによる侵襲性が低くなることは大きなメリットです。

インプラントと骨が結合しやすい

必要最小限の骨のみを削ることにより、インプラントと骨が結合しやすくなることも骨拡大インプラント治療のメリットです。

骨を削る量が多くなるほどインプラントと骨は結合されにくくなり、術後の回復も遅くなります。術後、回復が早いほど腫れや痛みなどを感じる期間も少なくなり、より早くインプラントを使い始められます。

ドリルでは骨を削る量がどうしても多くなりがちですが、手作業で骨を削れば術後の回復も従来より早まるはずです。

骨粗しょう症の方でも治療が可能

インプラント治療は骨粗しょう症の方に適していません。しかしドリルを使わないインプラント治療は身体にかかる負担が少ないことから、骨粗しょう症の方でも治療を受けられる場合があります。

骨粗しょう症の方は骨の強度が低くなっていることからインプラントが定着しにくく、インプラント治療を受けられないことが多いものです。

しかし骨に穴を開けた部分を外側へと拡張するように施術を行うと、穴周辺の骨密度は増します。骨拡大インプラント治療も手作業で穴を押し広げていく方法で穴を拡張することから、骨粗しょう症の方にも治療を適用させられる可能性があるのです。

参照:日本歯科医学会編「(PDF)歯科インプラント治療指針」

参照:神野洋平,Michele STOCCHERO,Marco TOIA,Jonas P.BECKTOR「(PDF)アンダーサイズドリリングテクニックがインプラント体周辺骨組織に与える影響」日口腔インプラント誌第32巻第2号

ドリルを使わないインプラント治療もあります

一般的にインプラント治療ではドリルを使用して骨に穴を開けていきますが、「骨拡大インプラント治療」ではドリルを使用しません。医師が手作業で穴を拡張していくため患者の体への負担が少なく、出血量が抑えられるというメリットがあります。

さらに従来の方法では治療を受けられなかった骨粗しょう症の方でも、インプラント治療を適用できるようになることも大きなメリットです。

ドリルでの治療に抵抗のある方や、骨粗しょう症でインプラント装着は難しいと言われた方は、ドリルを使用しない「骨拡大インプラント治療」を検討されてみてはいかがでしょうか。