無歯顎の方が受けられるインプラント治療とはどんなもの?

歯が1本もない「無歯顎(むしがく)」の状態になってしまうと物を噛むのが難しく、食事をする際に大きな悪影響が出てしまいます。無歯顎になってしまった方の中には、インプラント治療を検討している方もいるでしょう。
無歯顎でもインプラント治療は可能なのか、インプラント治療を受けることによりどのようなメリットがあるのかについて解説します。また、おさえておきたい注意点も確認してみてください。

無歯顎の方が受けられるインプラント治療

無歯顎の方でも受けられるインプラント治療があります。代表的なのは、以下の3種類です。

オールオン4

オールオン4とは、4本のインプラントを埋め込むことにより、片顎10~12本が繋がった人工歯を支える治療法です。通常のインプラント治療では、失った歯1本に対して1本のインプラントを埋め込みます。
それに対し、オールオン4は少ない本数で多くの人工歯を支えられるのが特徴です。少ない本数の埋入で済むため、治療時の身体への負担だけでなく、1本ずつインプラントを埋入するのに比べて費用も抑えられます。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーとは、2~4本のインプラントを埋め込むことによって入れ歯を安定させる治療法です。オールオン4の場合は常時装着となりますが、インプラントオーバーデンチャーは毎日着脱が可能であり、通常の入れ歯と同じく取り外してお手入れをします。
通常の入れ歯に比べてずれる心配もほぼなく、快適に入れ歯が利用できるメリットがあります。また、これまで利用していた入れ歯を使用することも可能です。

ボーンアンカードフルブリッジ

インプラントを5本以上埋入し、そこにボーンアンカーというブリッジを固定する治療法です。長い歴史がある治療法であるため、信頼度が高いといえます。入れ歯のように取り外すことはなく、しっかりとインプラントで固定するので噛む力も強いです。ただし、インプラントを埋入した後、状態が安定するまでは入れ歯の装着が必要となります。

無歯顎の方がインプラント治療を受けるメリット

通常の入れ歯ではなく、インプラントを選択することによりどのようなメリットがあるのでしょうか。おさえておきたいポイントを解説します。

入れ歯よりも咀嚼力に優れる

インプラントは入れ歯に比べて咀嚼力に優れています。
天然歯を100%とした場合、部分入れ歯の咀嚼力は30~40%、総入れ歯は10~20%程度しかありません。そのため、硬いものを食べられない、十分咀嚼ができないなどの問題が出てくることがあります。
好きなものを悩むことなく食べたいと考えているのであれば、インプラント治療のほうが向いているでしょう。

会話中に外れる心配がない

オールオン4やボーンアンカードフルブリッジは取り外しをしないことから固定されていますし、取り外し可能なインプラントオーバーデンチャーもしっかり固定が可能です。そのため、会話中などに外れてしまうような心配はありません。
思わぬタイミングで入れ歯が外れて恥ずかしい思いをしたという方も多いですが、インプラントなら安心です。

無歯顎の方がインプラント治療を受ける際の注意点

とても魅力的なインプラント治療ではありますが、デメリットもあります。注意しておきたいポイントは以下の通りです。

定期的なメンテナンスが必要

インプラントは埋入が終わったあとも定期的なメンテナンスを受ける必要があります。定期的なメンテナンスが行えないと、インプラントにトラブルが発生していることに気づくのが遅れてしまう可能性があるので注意しましょう。
メンテナンスでは状態の確認だけでなく、普段のブラッシングでは落としきれない汚れを除去してもらえます。

骨を形成する手術が必要になる可能性あり

インプラントはあごの骨を土台として埋入するため、十分な量のあごの骨がなければ治療ができません。ですが、歯を失ってからしばらく時間が経っている場合、あごの骨が痩せ細る「骨吸収」というものが起こっている可能性があります。そのため、場合によっては先にあごの骨を形成する手術が必要になるケースも多いです。
骨形成が必要な場合、通常のインプラント治療に比べて時間も費用もかかりやすいデメリットがあります。

手術期間が長い

1本だけインプラントにするのとは異なり、複数のインプラントを埋入することになるので、それだけ長い手術時間がかかります。具体的な手術時間は選択する治療法やケースによって異なるので、事前に確認しておきましょう。

保険適用外

インプラント治療では保険が適用されません。そのため、全額自己負担となります。費用の問題も確認しておきましょう。

インプラントで毎日の食事が快適になる

インプラント治療をすれば一般的な入れ歯よりも咀嚼力が上がりますし、食べられるものの幅が広がります。入れ歯に不具合を感じながら我慢している方もいますが、快適に食事を取りたいと考えているのであれば、インプラント治療についても検討してみてはいかがでしょうか。
無歯顎の方は大掛かりな治療が必要になることもありますが、少ないインプラント本数で対応できる治療もあるので、歯科医院で相談してみるのがおすすめです。