【専門家解説】インプラント治療のリスクを事前に知っておこう

インプラント治療はとても安全性が高いとして知られていますが、リスクが全くないわけではありません。歯周病菌が関連しているものや見た目に関するもの、金属アレルギーなどおさえておいたほうが良いリスクについてご紹介しましょう。

どのようなリスクがあるのかについて理解しておくことにより、何に注意すれば良いのかもわかります。リスクを回避するためにはどうすれば良いのかについても参考にしてみてください。

インプラント治療におけるリスクとは

インプラント治療ではどのようなリスクが想定されるのかについて解説します。代表的なものは以下の6つです。

インプラント周囲炎のリスク

毎日の歯磨きがうまくできていないことや、メンテナンス不足が原因で発生する可能性があるのが「インプラント周囲炎」です。インプラントの周囲の歯周病菌に感染し、炎症を引き起こします。状態が悪化するとインプラントが抜け落ちてしまう可能性があるので、毎日の歯磨きやメンテナンスに力を入れましょう。

万が一、インプラント周囲炎が発生してしまったときのことを考え、症状を事前に確認しておくのがおすすめです。インプラント周囲炎の症状や原因、対策は『インプラント周囲炎とは?原因と対策について』で詳しくご紹介しています。

顎骨にまつわる高さや厚みの不足によるインプラント治療の断念

インプラント治療は誰でも選択できるものではなく、あごの骨が足りていない場合には治療できないケースがあります。自分の場合は問題なく治療できるのか事前の検査で判断してもらいましょう。

見た目や美しさにともなうトラブルの発生リスク

自分が理想としていた形に仕上がらないリスクがあります。気になることがあれば事前に医師に確認しておいてください。特に前歯は見えやすい部分なので、慎重に相談するようにしましょう。

また、インプラント埋入後、あごに加わる刺激が少なくなると少しずつ骨が痩せ、歯肉が退縮してしまうことがあります。この状態が悪化するとインプラントの歯が長く見えてしまうほか、歯肉が薄い場合には、金属部分の歯根部分が透けて見えてしまうこともあります。

金属アレルギーによるトラブル発生リスク

インプラントには、金属アレルギーの心配が少ないチタンという金属が使われているのですが、すべての人に100%金属アレルギーが起こらないとは断言できません。そのため、様々なアレルギーを持っている方や、金属アレルギーについて心配している方は、事前にパッチテストなどを行ってもらい、チタンに対するアレルギーがないか調べてもらうと良いでしょう。

金属アレルギーでもインプラント治療ができるのか、仮に金属アレルギーで反応してしまった場合、どのような症状あるのかなどについては『金属アレルギーの方のインプラント治療について解説』でご紹介しています。金属アレルギー体質の方は確認してみてください。

インプラントと顎骨の結合にまつわるリスク

インプラントに使われているチタンは、時間の経過とともに骨と結合する特徴を持っています。しかし、何らかの理由によってインプラントと骨がうまく結合しない場合、土台部分が弱くなってしまい、インプラント治療がうまくいかないケースがあるのです。特に骨密度が低くなる骨粗鬆症である場合にこういったトラブルが発生しやすくなります。

疾患や喫煙が悪影響を与えるリスク

例えば糖尿病患者の場合は、血糖値が高い状態が続くと傷が治りにくくなるため、インプラントの手術を行った際に、傷口がなかなか塞がらないリスクがあります。インプラント治療に影響する持病がある方は、かかりつけの医師ともよく相談したうえで、治療について検討していきましょう。他にも、喫煙している方はインプラントが骨に結合しにくくなることがあるので、治療の難易度が高まります。

現在、糖尿病で治療を受けているのであれば、インプラント治療と糖尿病の関係や注意点などについて『インプラント治療は糖尿病でも受けられる?』でご紹介しているので、ご確認ください。どのような状態であればインプラント治療が検討できるのかなどについても解説しています。

インプラント治療のリスク回避のためにできること

インプラント治療でリスクを回避するためには、いくつかポイントがあります。以下についておさえておきましょう。

外科手術であることに理解が必要

インプラント治療を虫歯治療と同じ感覚で考えている方がいますが、インプラント治療は外科治療に該当します。長期にわたって治療が必要になるものでもあるので、治療期間や内容について事前に調べておくことをおすすめします。

毎日の手入れに手を抜かない

インプラント関連のトラブルを避けるためには、日々のセルフケアを丁寧に行うことが重要です。歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや細かいところを磨くのに適したワンタフトブラシなども活用しましょう。
インプラント治療を行った直後は念入りにお手入れする方が多いようです。ですが、しばらく経って日々のお手入れにあまりこだわらなくなってきたタイミングでトラブルが発生する可能性があります。

特に歯並びが悪い方や、歯と歯の隙間が大きい方などは注意しなければなりません。丁寧にお手入れしようと力を入れすぎると歯茎を傷付けてしまう可能性があるので適切に行うことが重要です。

推奨された頻度で定期メンテナンスを行う

インプラントを正しく使用していくためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。セルフケアだけでは落としきれない汚れがあるので「日々のブラッシングを丁寧に行っているから大丈夫」とは考えないようにしましょう。
歯科医院でのメンテナンスでは、クリーニングのほか、口内の状況を確認、レントゲン検査、ブラッシング指導などが受けられます。

詳しい定期メンテナンスの内容については『インプラントのメンテナンス方法!歯科医院で受ける場合と自宅で行う方法を紹介』でご紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

治療できないケースについて理解する

インプラント治療はすべての方が選択できるものではなく、場合によっては治療できないことがあります。以下に該当する方はインプラント治療が受けられない可能性があります。

  • 重度の全身疾患がある方
  • 顎の骨の量が極端に少ない方
  • 重度の骨粗鬆症がある方
  • 外科手術に強い恐怖心を感じる方
  • 年齢が20才以下、70才以上の方
  • 妊娠中や授乳中の方
  • 定期検診が受けられない事情のある方

具体的にどのような方だとインプラント治療が難しいのかについて『インプラント治療を「受けられない人」「向かない人」を解説』でご紹介しています。

保証の有無や期間を調べておく

インプラントは高額な治療であるため、治療後に不具合が発生したらどうしようと心配になりますが、基本的に保証が用意されていることが多いです。ただし、保証の内容については治療を受ける歯科医院によって異なるので、事前に良く確認が必要です。
中にはインプラントの治療費は安いものの、保証が用意されていないようなケースもあります。何かトラブルが発生した際に高額の治療費がかかってしまうことがあるので、注意が必要です。

それから、保証対象となる期間についても確認しておきましょう。インプラントの保証はあごの骨に埋入するフィクスチャー(インプラント体)と、人工歯である上部構造では異なる保証内容、期間が設定されていることもあるので、こちらも確認が必要です。

通院先の歯科医院の情報を調べておく

インプラント治療に対応している歯科医院はたくさんありますが、通院先の歯科医院が信頼できるかどうかについては事前に確認が必要です。治療設備や在籍している医師の評価などを確認したうえで検討してみてはいかがでしょうか。
また、基本的にインプラント治療を受けることになった場合は通院が必要であるため、通いやすい立地にあるかどうかも確認しておいたほうが良いです。

歯科医院選びに悩んでいる方は『【インプラント治療前必読】信頼できる医師と歯科医院の選び方』をご確認ください。医師や医院を選ぶ際に注目したいポイントについてご紹介しています。

リスクについて想定しておくことが大切

インプラント治療で想定されるリスクについてご紹介しました。
実際にインプラント手術を受けて快適に生活できるようになったという方が多い一方で、手術や治療に関するトラブルに悩まされている方もいます。今回ご紹介したようにインプラント治療にはいくつか想定されるリスクがあるので、各リスクについて理解し、できる対策を考えておくと良いでしょう。

不安なことや気になることがあれば、治療開始前に医師に確認し、解決しておくことをおすすめします。