インプラント治療は外科手術を伴うこともあり、入院が必要なのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。そこで、インプラント治療に伴う入院について詳しく解説します。
また、インプラントの手術を受けたあとはいくつか気をつけておきたいポイントがあるので、手術後の注意点についてもまとめました。
インプラント手術に入院は必要?
インプラント手術は、歯肉を切開してからあごの骨に穴をあけ、そこにインプラントを埋入する治療法です。外科手術を行うことになりますが、局所麻酔で進める形になるので、基本的に入院は必要ありません。
そのため、小さな子どもがいて入院できない方や、数日間にわたって仕事を休むのが難しい方でも検討しやすいでしょう。
インプラント手術後に入院するケース
基本的に入院の必要はないインプラント治療ではありますが、ケースによっては入院が必要になることもあります。どのようなケースで入院が求められるのかについて解説します。
事故により別の手術を受けるケース
事故に遭ってしまい、歯科治療以外にも受けなければならない手術がある場合、入院することがあります。なお、事故が原因で歯を失いインプラント治療を行うようなケースでも、他に治療すべき箇所がない場合、入院しないケースが多いです。
基礎疾患のあるケース
インプラントは外科手術を伴うこともあり、基礎疾患のある方は慎重に対応しなければなりません。
例えば、高血圧や糖尿病、心臓疾患などです。持病の状態によっては日帰りではなく、入院して体調を整えながら治療に取り組んでいくこともあります。また、術後に感染予防や様子見が必要になるような場合も入院して治療することが多いです。
もちろん、基礎疾患がある方は無条件で入院しなければならないものではありません。症状などが安定していれば通常通り日帰りでのインプラント治療が可能です。
全身麻酔を伴うケース
インプラント手術は局所麻酔で行われるのですが、全身麻酔を用いて行う場合は入院が必要です。
全身麻酔は痛みだけではなく意識もない状態になり、回復に時間がかかってしまいます。そのため、基本的には入院をして治療が必要です。
インプラント治療で全身麻酔が必要になる例としては、あごの骨が足らず、多くの骨移植が必要なケースなどが挙げられます。
出血量が多いリスクがあるケース
大量出血の恐れがあるような場合、万が一に備えて入院して治療を行うこともあります。出血量が多いリスクを抱えているような場合は医師とよく相談しましょう。
インプラント手術後の注意点
インプラントの施術後はいくつか注意しておかなければならないことがあります。以下の注意点を確認しておきましょう。
血行が良くなる行為をしない
血行が良くなることは基本的に避けましょう。血行が良くなると傷口から出血したり、炎症を起こしたりする恐れがあります。
例えば、入浴です。手術の当日はぬるめのシャワーで簡単に済ませるようにしてみてください。それから、飲酒も血行を良くするので控えたほうが良いです。
しばらく運動しない
運動については手術の当日だけではなく、術後1週間程度は控えましょう。身体を動かすことによって血行が良くなるだけではなく、傷口に振動が伝わってしまう恐れがあるからです。
手術中は麻酔をしているので痛みを感じることはありません。ですが、麻酔が切れてからは痛みを感じやすくなり、運動によって出血や腫れ、炎症を招いてしまう恐れがあります。
禁煙する
喫煙はインプラントに大きな悪影響を与えてしまうので、できる限り禁煙に努めましょう。喫煙した場合、感染症の可能性が高まってしまうだけではなく、傷の回復が遅くなります。さらには、インプラントを失ってしまう大きな原因の一つである「インプラント周囲炎」のリスクが高まるため、注意が必要です。
食事内容に注意する
インプラント治療をすると硬いものも食べられますが、これはインプラントが骨としっかり結合してからの話です。そのため、治療直後の食事内容には注意しましょう。
硬いものや歯にくっつきやすいもの、辛いものなどには注意が必要です。
注意したい食べ物については『インプラント手術後は食事に要注意!避けたほうが良い飲食物は?』でさらに詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
手術について不安なことがあれば医師に相談を
インプラント手術に入院は必要かについて紹介しました。外科手術を行うことになりますが、基本的に局所麻酔で済むため、入院は必要としません。
ただ、持病の状態が悪い方や、全身疾患を持っている方など、万が一のことを考えて入院での手術を行うこともあります。
自分の場合は日帰りで手術が受けられるのかなどについては、インプラント治療を検討している歯科医院で相談してみてください。