高血圧患者でもインプラント治療は可能?注意点も解説

高血圧症などの循環器疾患である場合、そうでない方と比較して慎重に歯科治療を受けていかなければなりません。歯科治療の中でも外科手術を必要とするインプラント治療は選択できるのでしょうか。

治療を受けることは可能か、その場合にはどのようなことに注意すれば良いのかについて解説します。また、高血圧以外の注意しなければならない持病についてもまとめました。

高血圧患者でもインプラント治療は可能?

高血圧患者だったとしても、インプラント治療を行うことは可能です。ただ、状況やレベルによって治療可能かどうかが変わってきます。以下に該当する場合は治療できないケースもあります。

コントロール不良の高血圧の場合

血圧のコントロールが適正に行えている場合、一般的にインプラント治療におけるリスクは高くないとされています。ですが、コントロール不良の場合は「相対的禁忌症」と呼ばれ治療が難しく、状態が改善された場合に適用可能と判断されます。

参考:(PDF)公共社団法人 日本口腔インプラント学会:口腔インプラント治療指針2020[PDF]

合併症を伴う高血圧の場合

高血圧患者は合併症を抱えていることがあり、その合併症の種類・状態によってはインプラント治療が適していないことがあります。代表的な合併症は、狭心症や心筋こうそく、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などです。

治療のストレスによる血圧上昇のほか、局所麻酔薬に含まれているアドレナリンによる血圧の上昇が合併症を悪化させる可能性を考えなければなりません。動脈硬化により脳や心臓、腎臓に合併症が起こることがあり、リスクが高いとされています。

参考:(PDF)公共社団法人 日本口腔インプラント学会:口腔インプラント治療指針2020[PDF]

高血圧患者がインプラント治療を受ける場合の注意点

高血圧患者がインプラント治療を受ける際には、医師に相談すること、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。それぞれについて解説します。

必ず医師に事前相談をする

高血圧の状態でインプラント治療を行った場合、思わぬ合併症やトラブルに繋がってしまう恐れがあるので、必ず事前に医師に相談しましょう。歯科医師のほか、高血圧の治療を受けている病院でかかりつけ医にも相談することが重要です。

適切に血圧がコントロールできているか、コントロールするにはどうすれば良いのかも含め相談してみてください。

信頼できる歯科医院で治療を受ける

高血圧についてよく理解している医師のもとで治療も受けることをおすすめします。これまでの実績や、具体的にどのような対処をしてくれるのかなどよく確認しておきましょう。

どのような歯科医院であれば信頼できるのかについては『【インプラント治療前必読】信頼できる医師と歯科医院の選び方』で詳しく紹介しています。こちらもご覧ください。

高血圧以外に注意が必要な持病

インプラント治療を受ける際に注意しなければならないのは、高血圧だけではありません。以下5つに該当する場合も注意が必要です。

糖尿病

糖尿病については、1型、2型のどちらにおいても治療後の傷が治るのが遅くなったり、インプラント周囲炎が発生するリスクが高くなったりするとされています。HbA1cは6.9%以下、空腹時血糖値は140mg/dL以下、食後血糖値は200mg/dL以下、ケトン体(-)程度にコントロールできていれば治療について検討可能です。

参考:(PDF)特定非営利活動法人 日本歯周病学会:歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス2018[PDF]

骨粗しょう症

骨吸収抑制薬のみを使用している方であれば治療が検討できる場合があります。ですが、使用している骨吸収抑制薬の種類によっては術後にあごの骨が壊死するケースが報告されているため、細心の注意を払ったうえで治療が必要です。

参考:(PDF)特定非営利活動法人 日本歯周病学会:歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス2018[PDF]

金属アレルギー

インプラント治療で使われるのはアレルギーのリスクが少ないチタンですが、金属アレルギーの方は注意が必要です。事前にパッチテストなどを行い、治療について検討していくことになります。

インプラント治療とアレルギーの関係性や対応については『金属アレルギーの方のインプラント治療について解説』で詳しく解説しています。

重度の歯周病

歯周病が重度の状態である場合、先に歯周病の治療が行われるのが一般的です。口腔衛生指導や専門家による口腔清掃を行ったうえで治療可能か判断します。

歯周ポケット内の炎症の残存部位を20%以下にできれば治療について検討できることがあります。

参考:(PDF)公共社団法人 日本口腔インプラント学会:口腔インプラント治療指針2020[PDF]

がんの治療中

がんの治療で放射線治療を行っている方や、過去に治療したことがある方のうち、あごの骨に放射線を照射している方にはインプラント治療が向かないことがあります。あごの骨の治癒力が低下しており、インプラント治療後に骨が正しく生成しない可能性があります。

インプラント治療が可能かどうかについては行っていた治療の種類によっても変わってくるので、担当医に確認してみてください。

かかりつけ医と相談しながらインプラント治療を行う必要がある

高血圧患者の場合は、そうでない方と比べてインプラント治療におけるリスクが高くなります。信頼できる歯科医師のもとで本当にインプラント治療が可能か確認したうえで治療に取り組みましょう。

その際、かかりつけ医とも連携してもらい、適切な形で治療を進めていくことが重要です。わからないことや気になることなどがあれば、医師に相談してみましょう。