金属アレルギーの方のインプラント治療について解説

基本的にインプラント治療では、金属アレルギーの心配が少ない「チタン」と呼ばれる素材を使っているため、基本的に金属アレルギーの方でもインプラント治療は可能です。インプラント治療にはどのような金属、材質が使われているのか、チタンにはどのような特徴があるのか、万が一金属アレルギー症状が出た場合はどうなるのかなどについて気になるポイントをご紹介します。

インプラント治療で使用する金属や材質

インプラントは、製品によって多少違いはありますが、以下の3つの素材によって成り立っています。

フィクスチャー

インプラント体とも呼ばれるもので、歯を支える土台である「歯根」という部分の代わりを果たす部品です。チタンで作られているネジ状の部品で、様々な形とサイズがあります。
あえてフィクスチャーの表面を粗く加工することにより、骨と結合しやすくしている製品もあり、製品によって特徴が異なる部品です。

上部構造

歯茎の上に出る人工歯の部分のことです。金属やレジン、セラミックなどで作られています。各部位は独立しているため、この人工歯である上部構造部分に欠けや割れなどが発生した場合、単独で取り換えることが可能です。
セメントで固定してしまう方法もあるのですが、固定する方法で治療を行った場合は上部構造のみを取り外すことは難しいといえます。

アバットメント

あごの骨に埋め込んだフィクスチャーと、上部構造をつなぐための部品です。フィクスチャーと同じく、チタンで作られており、このアバットメントと上部構造を専用のネジで固定します。
また、人によって歯肉の厚みなどが異なるため、個人によって最適なサイズや形のアバットメントを使用します。

チタンがインプラントに選ばれる理由

インプラントに使われている金属は、チタンです。チタンは人工関節やペースメーカーなどでも使われていて非常に安全性の高い金属であり、その他の金属とは異なり、生体に埋入しても拒絶反応を起こすリスクが非常に低い特徴を持っています
これは、生体がチタンを異物として認識しないためです。また、チタンは骨と結合する性質を持っていることもあり、あごの骨に埋め込んだ際にしっかりと骨と結合して安定するのも、インプラントの素材としてチタンが選択されている理由の一つだといえます。

金属のアクセサリーなどでアレルギー反応が起こってしまう方は心配かもしれませんが、一口に金属アレルギーといっても様々な種類があり、特に多いのはニッケルアレルギーです。他にもコバルトやスズ、パラジウム、クロムなどにアレルギー反応を示す方もいます。
これらと比較してチタンは非常に金属アレルギーの心配が少ない素材だと言えるでしょう

注意点として、確かにチタンは金属アレルギーのリスクが低い素材ではありますが、ごくまれにチタンにアレルギー反応を示す方もいるので、100%リスクのない素材とはいえません。金属アレルギー体質の方は事前に医師に相談しましょう

もしインプラント治療で金属アレルギー症状がでたら

インプラント治療を行ったところ、チタンアレルギーと思われるアレルギー症状が出てしまったといったケースでは、埋め込んだインプラントを除去する必要があります。
原因であるチタンを除去しない限り、症状が改善しないケースが多いです。

どの程度の症状が出たら除去が必要になるかは医師によっても判断が異なりますが、気になる症状があれば相談しましょう。それほど症状がひどくない場合は様子見をすることもあります。

金属アレルギーの代表的な症状といえば、手足に発生する小さな丘疹かゆみのほか、扁平苔癬(へんぺいたいせん)と呼ばれる頬粘膜などにできる痛みを感じる炎症です。自分ではそれが金属アレルギーの影響なのか判断できないケースもあるため、異常を発見した場合は治療を受けた医院で相談してみると安心です

インプラント治療開始前にパッチテストを

せっかく高額な治療費を払ってインプラントを導入したのに、あとからチタンアレルギーであることがわかって除去しなければならないとなると治療費が無駄になってしまいます。
これを避けるためには、事前にパッチテストや採血でアレルギー検査を行うと良いでしょう。なお、歯科医院の中にはチタンアレルギーを検査するための設備が整っていないところもあるため、その場合は別の皮膚科専門クリニックなどで検査を行わなければならないことがあります。

パッチテストなどを行えば事前にしたアレルギーのリスクを判断することができるので、本当にインプラント治療を行っても問題ないか考える際に役立つでしょう。

金属アレルギーのリスクは少ない

何となくインプラント治療は金属アレルギーのリスクが高いのではないかと思ってしまう方がいますが、例えば一般的な歯科治療で使われている銀歯の素材はパラジウム合金であり、インプラントで使われるチタンよりも金属アレルギーリスクが高いです。
そのため、基本的に心配はいりません。気になる方は事前にパッチテストをするなどして対策を取ってみてください。

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