インプラントは歯肉炎になりやすい?原因や対策方法を解説

インプラントは歯肉炎になりやすい?原因や対策方法を解説

インプラントにすると歯肉炎などの歯周病になりやすいとされています。

その理由は、インプラントには天然歯のような「歯根膜」や「繊維」が存在しないからです。

そのため細菌への抵抗力が低く、歯周病にかかりやすい状態になります。

歯周病を放置すると「インプラント周囲粘膜炎」や「インプラント周囲炎」へと進行したり、心筋梗塞や動脈硬化の発症リスクが高まったりします。

インプラント治療後は定期検診やプラークの除去など、歯周病予防のため適切なケアをすることが大切です。

インプラントは歯肉炎になりやすいって本当?

インプラントは見た目が良く虫歯になることもありませんが、歯肉炎など歯周病になりやすいというデメリットがあるとされています。

歯肉炎などの歯周病は歯を失う原因として知られますが、実は心筋梗塞や動脈硬化、脳梗塞などのリスクも高める重大な病気です。

歯周病菌の影響は口の中だけでなく全身にも及ぶもの。

インプラントを検討されているなら、インプラントにすることによる歯肉炎・歯周病のリスクについても知ったうえで治療を決断してください。

インプラントが歯周病になりやすい原因

インプラントが歯周病になりやすい原因
インプラントにすると歯肉炎などの歯周病になるリスクが高まるとされていますが、その理由はインプラントには天然歯にある「歯根膜」や「繊維」がなく、細菌への抵抗力が低くなるためです。

歯根膜とは天然歯に備わっている血液の供給を行い、咀嚼による負担を軽減させるためのクッションの役割を果たす組織のこと。

天然歯がある歯肉の場合は歯根膜から血液が供給されて抵抗力が高まり、繊維により細菌の侵入から守られています。

しかしインプラントには歯根膜も繊維もありません。

そのため、咀嚼による負担を直接的に受けて弱りやすいだけでなく、歯肉炎などの歯周病を引き起こす細菌に感染しやすい状態になります。

インプラントの歯周病を放置するとどうなる?

インプラントの歯周病を放置するとどうなる?
もしインプラント周辺の歯周病を放置すると悪化して、「インプラント周囲粘膜炎」「インプラント周囲炎」などに進行する確率が高まります。

「インプラント周囲粘膜炎」とは、インプラント周辺の粘膜が炎症を起こした状態のことを指し、歯肉が赤みを帯びるように腫れ、出血するなどの症状が見られるようになります。

「インプラント周囲炎」になるとインプラント周辺の歯肉が減り、インプラントがぐらついたり脱落したりするケースも少なくありません

また、膿が出ることもあります。インプラントの歯周病を放置すると、せっかく装着したインプラントが取れてしまうことも。

インプラントにしたら歯周病リスクが高まっていることを念頭に置き、しっかりとしたケアと定期的な検診に通って歯周病を予防してください。

歯周病を予防するための対策方法

歯周病を予防するための対策方法
それでは、インプラント治療後の歯周病を予防するための対策について、より詳しく見ていきましょう。

定期検診を積極的に受診する

インプラント治療後の歯周病予防対策の基本は、積極的に定期検診を受けることです。

定期検診を受けていれば、もし歯周病になったとしても早期発見が可能となり、「インプラント周囲粘膜炎」や「インプラント周囲炎」へと進行するリスクを軽減できます

インプラントの保証では「定期検診を受診すること」との条件が付加されていることが多いため、保証を受けるためにも、歯周病を早期発見するためにも定期検診を積極的に受診しましょう。

プラーク・歯石は定期的に除去する

定期検診を受診することとあわせて、プラークや歯石は定期的に除去するようにするとインプラント治療後の歯周病リスクは減ります。

歯周病菌はプラークの中に潜んでいるため、プラークや歯石を付着させておくことは歯周病菌を口の中に住まわせていることと同じです。

日頃の歯みがきを丁寧にしてプラークを取り除くようにし、歯石は歯科医院で除去してもらうようにしてください。

歯ぎしりや食いしばりを防止する

歯に負担をかける歯ぎしりや食いしばりを防止することも、歯周病予防法のひとつ。

歯ぎしりや食いしばりは歯や歯茎に負担をかけ、インプラント治療後の歯周病を悪化させる原因となります

食いしばりを軽減させるには、横にしたストローを左右の犬歯のところに咥えて、歯と歯の隙間を開けるよう癖づける訓練が効果的です。

ただし、眠っている間に歯ぎしりや食いしばりをしているなら、歯科医院でナイトガードによる治療を受けるようにすることをおすすめします。

インプラント治療後は歯周病対策を徹底して

インプラント治療後は歯周病対策を徹底して
天然歯のように「歯根膜」や「繊維」を持たないインプラントを装着すると、歯肉の細菌に対する抵抗力が弱まり歯周病にかかりやすくなるとされています。

そのため、インプラント治療後は歯周病対策を徹底することが欠かせません。

歯周病を放置すると症状が悪化し、歯肉の炎症やインプラントの脱落を招くことも。

インプラント治療後は日頃の歯みがきを丁寧にしてプラークを除去し、定期検診を受診するなど歯周病にかかりにくい口内環境づくりを意識するようにしてください。