入れ歯の正しい手入れ方法を解説【毎食後・就寝前・定期健診】

入れ歯の正しい手入れ方法を解説【毎食後・就寝前・定期健診】

入れ歯は自分の歯と同じく汚れてしまうものなので、適切に取り扱うことが重要です。そのうえで欠かせないのが、毎日の手入れです。

どういった目的で手入れを行うのか、具体的にどのように手入れをすれば良いのかについて解説します。適切な手入れは入れ歯を長持ちさせるためにも必須です。毎食後、就寝前にはどういった手入れをすれば良いのかも確認してみてください。

入れ歯を正しく手入れする目的

入れ歯の手入れはできるだけ丁寧に行ったほうが良いです。しっかり入れ歯の手入れをすることにより以下のような効果が期待できます。

口臭の予防

入れ歯の手入れが適当だと、口臭を引き起こしてしまう可能性があります。これは、自分の歯と同じです。

入れ歯の中でもプラスチックでできている部分は汚れが付着しやすいので、念入りに手入れしましょう。入れ歯を入れたあとに人から口臭を指摘されたような場合は、手入れが不十分である可能性を疑ってみてください。

口内炎の予防

入れ歯の手入れがきちんとできず、口内が不衛生な状態になった場合、口内炎のリスクが上がってしまいます。

また、入れ歯などの義歯によって口の中の粘膜が傷つき発生する「義歯性口内炎」にも注意が必要です。入れ歯が合わないことに加え、手入れが不十分だった場合に義歯性口内炎のリスクが高くなります。

虫歯の予防

特に歯の隙間や、クラスプと呼ばれる留め金部分には汚れが付着しやすいです。虫歯菌が増殖し、周囲の歯が虫歯になってしまう恐れがあります。

入れ歯は人工物であるため、虫歯になることはありません。ですが、とくにクラスプを取り付けている部分の歯などは汚れが蓄積しやすく、虫歯になるリスクが高いです。常に清潔な状態を保てるようにしましょう。

歯周病の予防

特に部分入れ歯は歯周病になりやすく、中でもリスクが高いのはクラスプがかかっている自分の歯です。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、抜け落ちてしまう恐れがあります。

早期治療が大切なのですが、初期段階の歯周病はほとんど自覚症状がありません。定期的に歯科検診を受け、早い段階で歯周病に気づいて治療に取り組むことが重要です。

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎とは、誤って食道ではなく気管に食べ物・唾液などが入ることにより、口の中の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎です。特に物を飲み込む力が弱くなっている高齢の方は注意が必要とされます。

少しでもリスクを避けるためには、口内環境を清潔に保つことが重要です。誤嚥性肺炎を避けるためにも、適切な口腔ケアと入れ歯の手入れを行いましょう。

色素沈着の予防

入れ歯の手入れを怠ると、色素沈着につながります。見た目が不衛生な状態になってしまうため、丁寧な手入れをしましょう。

入れ歯の手入れ方法

入れ歯の手入れ方法入れ歯を清潔に保つためには、日々の手入れと歯科医院での定期メンテナンスが重要です。それぞれについて解説します。

毎食後の手入れ

毎食後、歯磨きを行いましょう。その際、入れ歯を外して磨くことが重要です。一般的な歯磨き粉には研磨剤が入っていて入れ歯を傷付けてしまう恐れがあるので、外した入れ歯は普段使っている歯ブラシで歯磨き粉をつけずに磨きます。

就寝前の手入れ

就寝前には、より念入りなお手入れをしましょう。取り外して食後と同様に磨き、やわらかい部分はスポンジやガーゼを使って擦ります。

できれば毎日入れ歯洗浄剤を使って手入れするのが良いです。付け置き時間は使用する入れ歯洗浄剤によって異なるので確認が必要です。

手入れが終わった入れ歯は水に入れて保管しましょう。

歯科医院の定期メンテナンス

毎日丁寧な歯磨きを行うのはもちろん重要なのですが、同様に歯科医院で行う定期メンテナンスも大切です。定期メンテナンスに訪れればその際に口腔内の状態を確認してもらえます。

歯周病や虫歯が発生していた際にいち早く気づけますし、必要に応じて入れ歯の調整も可能です。推奨された頻度で定期メンテナンスに通いましょう。

入れ歯を装着したまま寝るのは大丈夫?

入れ歯を装着したまま寝るのは大丈夫?寝るときに入れ歯を外したほうが良いのかについてですが、これはケースによって異なります。

一般的には外したほうが良いです。付けたままで寝ると入れ歯についた細菌が繁殖し、それが気管に入ることによって誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう恐れがあります。外した状態で丁寧に手入れしてから水の中に入れて保管すれば、菌の繁殖を抑えることが可能です。

ただ、入れ歯を外してしまうと他の歯に大きな負担がかかってしまうような場合は、付けたまま寝ても問題ありません。

自分の場合はどちらのほうが良いか悩んでいるのであれば、歯科医院で直接相談してみることをおすすめします。

丁寧な手入れで入れ歯が長持ちする

丁寧な手入れで入れ歯が長持ちする入れ歯の手入れを行う目的や重要性、手入れの方法などについて紹介しました。自分の歯も手入れを怠ると虫歯や歯周病になるように、入れ歯も適切な手入れが必要です。

具体的にどういった方法で手入れをすれば良いのかについては、入れ歯を作った際に歯科医院でよく確認してみてください。毎日の手入れを億劫に感じている場合は、インプラントにする選択肢もあります。

インプラントのメリットについて詳しくは『インプラント治療のメリットについて紹介』で解説しているので、こちらもご覧ください。