インプラント手術の流れをわかりやすく解説

インプラント手術の流れをわかりやすく解説

インプラント手術の全体の治療の流れについて解説します。インプラント治療では、手術を2回行う2回法、1回で行う1回法があり、2回法で治療をする場合は、1回目と2回目の手術の間に数ヶ月時間が必要です。

治療が完了するまでに短くても3~6ヶ月程度、長くかかった場合は7~8ヶ月程度の期間が必要です。この間、どういった流れで治療が行われるのかについてもご紹介しましょう。

インプラント治療における全体の流れ

インプラント治療について全体的な流れについて把握しておくと、どのように治療が進んでいくのかがわかるので、不安を取り除くことに繋がります。基本的な流れからご紹介しましょう。

1.カウンセリング/術前検査

ひと口にインプラント治療といっても選択肢は1つではないため、事前に丁寧なカウンセリングと術前検査を行い、最適な治療法について検討していきます。例えば、どの部分の歯が失われているのか、何本インプラントを埋入することになるのかによっても、必要な治療は変わってくるのです。

術前検査には、神経や血管を傷付けてしまうリスク対策をする役割もあります。カウンセリング時にはわからないことなどについて確認もできるので、不安なことや気になることがある場合は、カウンセリング時に相談するようにしましょう。

足を運ぶ歯科医院によってカウンセリングの内容が異なる場合もあります。どのようなカウンセリングを行うのかについてはホームページ上で紹介されているケースも多いです。

カウンセリングや術前検査の詳細についてさらに知りたい方は『インプラント治療前カウンセリングの重要性と費用相場を解説』のページでご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

2.治療計画の立案/決定

事前に行われた検査結果をもとに、治療計画を立案していきます。どのような治療を希望しているのかについて相談することが可能なので、要望があれば遠慮することなく医師に伝えましょう。

また、治療計画を考えた際に、先にインプラント治療以外の虫歯治療や歯周病治療を行わなければならないと判断されるケースもあります。

具体的にどのような治療計画が立てられるのかについては、希望することや、口腔内の状況などによっても変わってきます。自分の場合はどのようになるのかよく理解したうえで取り組むことが重要です。

より詳細な治療計画に関するポイントを知りたい方は『インプラントの治療計画書は事前に必ず確認しよう!』でご紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。

3.インプラント手術の実施

治療計画に沿ってインプラント手術を実施していきます。治療する際にはリラックスした状態で手術を受けられる静脈内鎮静法が選択できる歯科医院もあります。

事前に当日の注意点などの説明があるので、内容をよく聞き、理解したうえで手術を受けることが重要です。

また、インプラント治療は外科手術を伴うこともあり、手術終了後はできるだけ安静に過ごすことをおすすめします。午前中など早い時間帯に手術の予定を組めると午後から働くことを予定する方もいるようですが、可能であれば休みを取っておいたほうが良いでしょう。

基本的にインプラント治療では全身麻酔を行わないので、当日帰宅できます。安心して治療を受けるためにも、手術前後の注意点や麻酔などについてよく確認が必要です

麻酔の中でも静脈内鎮静法について詳しく知りたい方は『インプラントの代表的な無痛治療法の特徴と治療の流れを紹介』で解説しているので、ご覧ください。

4.手術後のメンテナンス

インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを受けることが治療後の保証を受ける条件となっているケースも多いので、よく確認が必要です。

メンテナンスには、自宅で自分で行うセルフケアと、定期的に歯科医院に通って行うメンテナンスの2種類があります。自分で十分なメンテナンスができているつもりでも、どうしても落としきれない汚れがあるので、歯科医院でのメンテナンスも必須だと考えましょう。
セルフメンテナンスではブラッシングを中心に汚れを取り除き、歯科医院ではセルフメンテナンスで取り除けない汚れを専門機器で落とします。

更に具体的なメンテナンス方法や、メンテナンスを怠るリスクなどについては『インプラントのメンテナンス方法!歯科医院で受ける場合と自宅で行う方法を紹介』で詳しくご紹介しています。インプラント長持ちさせるためにもこちらを確認してみてください。

インプラント手術の流れ

インプラント手術の流れインプラント手術には1回手術を行う1回法、2回手術を行う2回法の2種類があります。様々なケースに対応できる2回法について具体的な流れを解説します。

1.一次手術

虫歯や歯周病の治療後、歯肉を切開してあごの骨を露出させ、そこにドリルで穴を開けて土台となるフィクスチャーと呼ばれる部品を埋め込むのが一次手術です。すぐに人工歯である上部構造を装着するのではなく、一度、元のように縫い合わせてフィクスチャーを埋没させます。

2.治癒期間

フィクスチャーはチタンでできており、時間経過とともに骨と結合する特徴があります。結合するまで、フィクスチャーが歯肉に埋没している状態で3~6ヶ月程度治癒期間が必要です。

3.二次手術

フィクスチャーと骨が結合した後、再度歯肉を切開します。フィクスチャーに人工歯を取り付けるためのアバットメントという部品を取り付け、2~4週間ほど置いてから仮歯の装着です。型取りをし、人工歯である上部構造を作成します

なお、前述したようにインプラントの治療には1回の手術で済む1回法と呼ばれるものもあるのですが、あごの骨や口の中の状態によって1回法が選択可能か、2回法でなければ対応できないかが異なるため、相談してみましょう。2回法に比べると1回法は選択できる人が少ないことから、歯科医院によってはどちらか片方の手術法のみ取り扱っていることもあります。持病によって免疫力が低く感染リスクが高い方や、骨造成術が必要な場合は基本的に2回法を選択することになるでしょう。

4.人工歯の装着

上部構造ができあがったら装着です。かみ合わせなどを確認して完了となります。

5.治療完了

治療完了後はメンテナンスが必要です。そのため、治療終了後は歯科医院に定期的に通いましょう。

インプラント手術の手術時間

インプラント手術の手術時間インプラント治療で必要になる手術の時間についてご紹介しましょう。

一次手術の場合

実際に手術を開始する前に、口腔内の清掃を行わなければなりません。口腔内の清掃とフィクスチャーの埋入手術などにかかる総合的な時間は、2~4時間程度です。

二次手術の場合

フィクスチャーが骨と結合した後に行う二次手術は、一次手術に比べて短時間で済むことが多く、30分~2時間程度となっています。なお、一次手術、二次手術ともに、埋入するインプラントの本数によっても所要時間が変わります。1本につき30分ほど治療時間が増えると考えておきましょう。

全体的な流れを把握したうえで治療に取り組むのがおすすめ

全体的な流れを把握したうえで治療に取り組むのがおすすめ短期間で治療が完了する虫歯治療とは異なり、インプラント治療には長い期間がかかります。そのため、いつどのような治療をすることになるのか、全体的な流れについてしっかりと把握しておきましょう。

治療を行っている歯科医院のほうから丁寧な説明があるはずですが、わからないことがあれば遠慮なく質問し、不安などを解消しておくと、安心して治療に取り組むことができます。