これからインプラント治療を受けようと考えているのであれば、どのようなトラブル事例があるのかについても確認しておくことをおすすめします。
インプラントは非常に安全性が高いとして知られている治療です。しかし、ごくまれなケースとして、治療後に頭痛や肩こりを感じてしまう方がいるようです。その原因や対策について解説します。
インプラント治療後に頭痛や肩こりがひどい場合の主な原因
インプラント治療後に、頭痛や肩こりなどのトラブルが現れることがあります。代表的な原因は以下の4つです。
噛み合わせが悪い
インプラント治療によって噛み合わせが変化したり、悪化したりした場合、頭痛や肩こりなどのトラブルにつながることがあります。噛み合わせが悪くなると左右どちらかの顎だけに力が入ることがあり、首や肩に負担がかかってしまうからです。
治療直後ではなく、治療から数年経過してからインプラントの部品をとめているネジが緩むことによって噛み合わせが変化するケースもあります。
噛み合わせについては事前にしっかりシミュレーションをして治療を行っていくことになるのですが、シミュレーションが不十分だった場合や、その他理由によって噛み合わせが悪化してしまうこともあります。
上顎洞周辺で炎症が起こっている
上顎の上には「上顎洞」と呼ばれる大きな空洞があるのですが、上あごのインプラント治療で上顎洞周辺の粘膜を傷つけてしまった場合、そこから菌が入り込んで炎症が発生し、頭痛などを引き起こすことがあります。
上顎洞炎(じょうがくどうえん)と呼ばれるトラブルで、他にも歯や歯茎の痛み、発熱などを伴う事も多いです。
インプラント周囲炎が発症している
インプラント周囲炎とは、細菌感染によって発生するインプラント周囲の炎症です。初期のうちはほとんど自覚症状がないのですが、炎症がひどくなった場合、頭痛や肩こりに繋がってしまうことがあります。
そのまま放置するとインプラントが抜け落ちてしまうこともあるので、インプラント周囲炎を疑った場合は早期に診察と治療を受けましょう。
インプラント周囲炎の詳細については『インプラント周囲炎とは?原因と対策について』でより詳しく解説しています。
インプラント以外に原因がある
インプラント治療を行った後に頭痛や肩こりが起こると、インプラント治療による影響を考えてしまいますが、食いしばりや歯ぎしり、他の虫歯など、その他の原因が関係していることもあります。
具体的に何が原因になっているのかについては、歯科医院で詳しく検査してもらわなければわかりません。
頭痛や肩こりがひどい場合にできる対処法
インプラントが関係していると思われる頭痛や肩こりがある場合、原因を特定して対策をとらなければ状態はなかなか良くなりません。以下のような対処法があります。
かかりつけ医でメンテナンスを受ける
頭痛や肩こりなどのトラブルを引き起こしている原因がインプラントにある場合、インプラントのメンテナンスを受けることによって状態が改善することも多いです。原因が本当にインプラントにあるのかわからない場合も、それを判断するために診察を受けてみてください。
必要な場合は再治療をする
原因がインプラントにあり、メンテナンスだけで症状の改善が見込めない場合は再治療が必要なケースもあります。
特に噛み合わせが合っていないようなケースでは、再治療が求められる可能性が高いです。
ただ、インプラントが原因で頭痛や肩こりが発生しているからといって、必ずしも再治療が必要になるとはいえません。どの程度の症状で再治療が必要になるのかについては医師の判断によっても異なるので、まずは相談してみましょう。
信頼できる歯科医院でインプラント治療を受ける
歯科医院によって医師の腕が異なるため、できる限り頭痛や肩こりなどのトラブルを避けるためにも信頼できる歯科医院を選択することが重要です。
今はインターネットなどで情報収集できますし、口コミを参考にしながら本当に信頼できる歯科医院を選択することも難しくありません。
費用だけで比較して選んでしまうと失敗する恐れがあるので、慎重に見極めましょう。
歯科医院を選ぶ際のポイントについては『【インプラント治療前必読】信頼できる医師と歯科医院の選び方』でさらに詳しく解説しているので、ご覧ください。
原因を特定して適切な対処が必要
インプラントが原因で頭痛や肩こりが発生している場合、大元となっている原因を解決しなければ状態が良くなることは期待できません。
鎮痛剤などを飲んでやり過ごしてしまうのではなく、歯科医院で適切な治療を受けましょう。
頭痛や肩こりとインプラントを結びつけて考えられないこともありますが、「もしかするとインプラントが原因かもしれない」と感じることがある場合は、歯科医院で相談してみてください。