インプラント治療を「受けられない人」「向かない人」を解説

インプラント治療を「受けられない人」「向かない人」を解説

インプラント治療は誰でも受けられるものではなく、受けられない人や向かない人がいます。

全身疾患を抱えている方や局所的な問題がある方、特定の薬を使用している方などは治療が受けられないケースがあるので、どのような方が該当するのかについてご紹介しましょう。

また、なぜ治療ができないのかについてもご紹介するので、リスクについて理解しておいてください。

インプラント治療が受けられない人とは

以下に該当する方はインプラントの治療を受けられない可能性があります。

まず、全身的な問題を抱えている方についてです。

■全身的な問題を抱えている方

  • がんなどの重篤な病気
  • 心筋梗塞などの病気
  • 自然出血しやすい血液の病気
  • 自己免疫疾患
  • ビタミンD欠乏症
  • 糖尿病
  • 骨粗鬆症
  • 金属(チタン)アレルギー

必ずしも治療ができないわけではありませんが、全身疾患などの状態が安定しており、リスクがないと判断される状態でなければ難しいです。

続いて全身的ではなく、局所的な問題があり治療が難しいケースについてです。

■局所的な問題を抱えている方

  • 虫歯
  • 歯周病
  • 口腔粘膜の疾患
  • 蓄膿症(副鼻腔炎、上顎洞炎)
  • 顎骨量が少ない

虫歯や歯周病などに該当する方は、きちんと治療をした後であればインプラント治療が検討できます。また、顎骨量が少ない場合は事前に骨量を増やす治療が必要になるケースも多いです。

また、以下の薬の使用や、治療を行っている場合は、担当の医師と連携しながら治療について検討していかなければなりません。

  • ステロイド剤、抗腫瘍剤
  • 抗血栓剤
  • あごへの局所的な放射線治療

それから、以下に該当する方はインプラント治療が難しいのですが、必ずしも治療ができないわけではないので、こちらも担当医と相談しながら治療について検討してみてください。

  • ヘビースモーカー
  • 高齢者
  • おおむね18歳以下
  • 正しく口腔清掃・定期診断が行えない

詳細について詳しくご紹介します。

重度の全身疾患がある方

全身疾患の状態が安定しているとは言えない場合、以下のような理由からインプラント治療が難しいケースがあります。

  • 糖尿病…免疫機能が低く、リスクが高い
  • 心筋梗塞…身体の負担を抑える必要があるほか、抗血栓薬により手術中出血しやすい
  • 肝臓病…肝機能低下により手術中出血しやすい、薬剤で肝臓への負担が増える
  • 透析中…薬剤が腎臓に負担をかけるほか、手術中出血しやすい
  • リウマチ…ステロイドホルモンで治療している場合は骨の結合に悪影響が出やすい
  • 白血病…免疫力が著しく低下しており、リスクが高い

歯科医院だけでなく、上記病気の治療を受けている担当医とも相談をしながら状態を把握し、良好な状態に持っていくことができれば治療可能なケースもあります。

顎の骨の量が極端に少ない方

インプラントを埋入するあごの骨が足りない場合、治療ができません。足りない場合は骨移植のほか、人工骨補填材を用いた治療を行い、骨量が増えてから治療を行う必要があります。
また、下あごを通っている神経までの骨の厚みが7mm以下の場合はインプラント治療が選択できないケースも多いです。

重度の骨粗鬆症がある方

骨粗鬆症で使用している薬剤の中には感染リスクが高くなってしまうものもあるため、インプラント治療ができないケースがあります。また、重度の骨粗鬆症の場合、手術後の治りも遅いです。

外科手術に強い恐怖心を感じる方

インプラント治療は外科治療です。歯茎を切開したり、土台であるあごの骨に人工の歯の根を埋め込んだりする治療なので、歯科医院での治療に強い恐怖感や抵抗を感じている方には向いていません。
例えば、虫歯治療で抜糸することにさえ強い抵抗があるような方は避けておいたほうが良いでしょう。

年齢が20才以下、70才以上の方

あごが成長途中である未成年の方や、70歳以上など高齢で体力面や傷の治癒能力に不安が残る場合、治療は避けたほうが良いです。18、19歳および70歳以上の方は、医師に相談した上で治療について検討してみてはいかがでしょうか。

年齢に関する詳細は『インプラント治療に年齢制限はある?』も参考にしてみてください。

妊娠中や授乳中の方

妊娠中や授乳中はできるだけインプラント治療を避けた方が良いです。治療や通院などが想像以上にストレスになってしまう可能性があるためです。

つわりで治療中に吐き気を感じてしまうこともありますし、おなかが大きくなって治療中の体勢が苦しく感じたりすることもあります。

妊娠中・授乳中のインプラント授乳については『インプラント治療は妊娠中・授乳中でも可能?伴うリスクとは?』でもご紹介しています。

定期検診が受けられない事情のある方

インプラントは手術をして終わりではなく、定期健診の中できちんと骨と馴染んでいるか確認したり、炎症などが発生したりしている場合はすぐに対策する必要があります。定期健診を怠ると状態が悪化し、インプラントを抜かなければならない状態になる可能性もあるので、定期健診は必須です。

インプラント手術前にコントロールが必要な方

インプラント手術前にコントロールが必要な方
以下に該当する方は、インプラント治療を始める前に状態を改善させておかなければなりません。

  • 血圧が180以上ある
  • 糖尿病でHbA1cが7以上ある
  • ヘビースモーカーでタバコを吸う本数が多い
  • 歯周病の状態が悪化している
  • 治療を受けていない全身疾患がある

まずは担当医に相談してみてください。

インプラント治療ができるかは医師に確認を

インプラント治療ができるかは医師に確認を
虫歯や歯周病などが発生していてもこれらを治療してからであればインプラント治療は可能ですが、全身疾患の状態が良くない場合などは治療が難しいケースもあります。

持病を抱えている方は主治医に相談することから始めましょう。歯科医師とも相談しながらインプラント治療が可能かどうか考えてみてください。

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