インプラント治療でよくあるトラブルと主な原因を解説

インプラント治療でよくあるトラブルと主な原因を解説

インプラント治療は成功率が高い手術・治療であるものの、トラブルの可能性についても考えておかなければなりません。医師の技術不足によるものだけでなく、患者に問題があって発生してしまうものがあるので、注意できるものについておさえておきましょう。

実際のトラブル例や、トラブルを防ぐためにはどういったことに注意すれば良いのかについてご紹介します。

インプラント治療後によくあるトラブル

実際にインプラント治療を受けたあとにトラブルを感じている方が、どういったことに悩んでいるのかご紹介しましょう。

インプラント周囲炎の発病

インプラント周囲炎が悪化した場合、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
インプラント周囲炎の原因や対策について知りたい方は『インプラント周囲炎とは?原因と対策について』で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。

インプラントの損傷・ぐらつき・外れ

インプラント自体が損傷してしまった場合、交換しなければなりません。その際、人工歯である上部構造のみ交換すれば良いケースと、あごの骨に埋め込んでいるフィクスチャーごと交換しなければならないようなケースがあります。フィクスチャーごと交換が必要な場合は、手術をやり直さなければならない可能性が高いです。

また、インプラントを埋入した際に角度や位置にミスがあった、あごの骨に穴を開ける際にオーバーヒートが発生したなどの理由からインプラントのぐらつきが起こる可能性もゼロではありません。状態がひどい場合はインプラントが抜けてしまうこともあるのです。
それから、インプラント周囲炎が発生している場合もインプラントのぐらつきや外れにつながりやすくなってしまいます。

長期にわたる痛みや腫れ、しびれ

治療後に痛みや腫れ、しびれなどが残ってしまうトラブルがあります。適切な位置にインプラントを埋入していなかったことや、細菌感染によるものなどが原因と考えられます。

噛み合わせの不一致

噛み合わせに問題が起こると、常に違和感を覚えるようになってしまいます。また、咀嚼しづらい、発音しづらいといったトラブルに繋がることも多いです。

見た目の違和感

十分な知識と技術を持っている医師が施術を行えば、ほとんど心配のないトラブルではありますが、明らかに他の天然歯とは見た目が異なるなどのトラブルも報告されています。丁寧な治療を行ってくれると評判の歯科医師がいる歯科医院で治療を受けるようにしましょう。

特に前歯は人と話をする際に目に入りやすい部分であることから、小さな違和感でも気になってしまいます。

トラブルにつながる主な原因

トラブルにつながる主な原因

インプラント治療後のトラブルにつながる主な原因は、以下の通りです。

埋入角度や位置の不適切

インプラントの埋入位置、角度については、事前に行われる検査結果をもとに慎重に検討されます。しかし、正しく埋入が行われなかった場合、噛み合わせの悪化が起きたり、インプラントが骨を付き抜けたりするトラブルが起こることがあります。

メンテナンス不足

インプラントのメンテナンスが適切に行えていない場合、トラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。代表的なメンテナンスには、自分で行うセルフメンテナンスと、歯科医院で行う専門的なメンテナンスがあります。

特に口の中が不衛生な状態になってしまうと周囲の歯が虫歯になったり、歯周病になったりするリスクが高まるので注意しておかなければなりません。インプラント自体は虫歯にならないのですが、メンテナンス不足はインプラント周囲炎を招いてしまう可能性があります。

ただ歯磨きをするだけでは十分なメンテナンスができているとはいえません。メンテナンスに関する詳しい内容については『インプラントのメンテナンス方法!歯科医院で受ける場合と自宅で行う方法を紹介』でご紹介しています。できる限り良好な状態でインプラントを使い続けるためにも参考にしてみてください。

喫煙や飲酒による術後治癒の阻害

喫煙や飲酒は、インプラントの状態を悪化させてしまう原因になります。まず、飲酒については、血行を良くし、手術後の出血に繋がってしまう恐れがあります。そのため、手術後、傷口の状態が安定するまでは控えておいたほうが良いでしょう。

タバコについては、手術の前後だけでなく、できれば禁煙に努めることをおすすめします。喫煙をすると白血球の働きが弱くなることから感染症のリスクが高まりますし、ニコチンの影響でインプラントと骨がうまく結合できなかったりするからです。

手術の前後だけ禁煙に努める方もいるようですが、インプラントにとって良いものではないので、できるだけ禁煙したほうが良いです。タバコがインプラントに対して与える影響については『インプラント治療中に喫煙を避けるべき理由を解説!電子タバコはOK?』でも解説しています。喫煙者の方は参考にしてみてください。

外部からの強い衝撃・刺激

まだインプラントが落ち着く前の段階で固いもの食べたり、歯磨きの際に大きな負担をかけたりすると状態が悪化しやすいです。また、食いしばりや歯ぎしりの癖がある方も対策を考えておきましょう。

歯科医院の治療環境

インプラント治療を受ける歯科医院は、しっかりと衛生管理された環境でなければなりません。歯科医院によってどの程度衛生管理されているかが異なります。

十分な衛生管理が行われていない歯科医院を選択してしまった場合、インプラント周囲炎など、感染症のリスクが高まってしまいます。ホームページなどで衛生管理のためにどのような取り組みを行っているのか確認してみてはいかがでしょうか。

そういった情報が一切ない場合、直接歯科医院に確認してみるのもおすすめです。また、カウンセリングなどに行った際に自分の目でも確かめてみてください。もちろん、信頼できる医師がいる歯科医院を選択することも重要です。

治療を受ける歯科医院選びに悩んでいる方は『【インプラント治療前必読】信頼できる医師と歯科医院の選び方』で選び方のポイントをご紹介しているので参考にしてみてください。

インプラント治療におけるトラブル回避に必要なこと

インプラント治療におけるトラブル回避に必要なこと
できる限りトラブルのリスクを減らすためには、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。例えば、歯科用CTやガイド・システムを導入している歯科医院を選択するようにしましょう。

また、インプラントは治療後に定期的なメンテナンスを受ける必要があるのですが、これを怠ったためにトラブルに繋がっているケースが非常に多いため、定期的なメンテナンスを徹底して行う事も重要です。

喫煙や飲酒もインプラントに悪影響を与えてしまうため、普段から喫煙をしている方はできる限りやめるようにし、お酒についても飲みすぎに注意しましょう。

できる対策はしっかり実施しておく

できる対策はしっかり実施しておく
インプラント治療で発生するトラブルの中には、事前にしっかりと歯科医院を比較しながら選んでおけば避けられたものや、自分で注意しておくことによりリスクを抑えられたものもあります。

今回ご紹介したリスクについて理解し、信頼できる歯科医院を選ぶことや、自分自身でできる対策をしっかりと取り入れていくことについて、検討してみてはいかがでしょうか。